A.ランゲ&ゾーネが2022新作発表会を東京で開催 A.ランゲ&ゾーネ リージョナルブランドCEO、 山崎香織さんに聞く

ウオッチズ&ワンダーズ 2022 新作の見どころ

 NIKKEI STYLE Men’s Fashionの松本和佳 編集長(写真上・右)が話題の時計ブランドへと足を運び、今のビジネスパーソンにふさわしい腕時計を探る訪問記「編集長探訪 腕時計編」。今回は番外編として4月下旬に開催された「A.ランゲ&ゾーネ 2022新作発表会」にお邪魔しました。世界中の審美眼の高い人たちを虜(とりこ)にしているドイツの古豪ブランドの新作について、リージョナルブランドCEO、山崎香織さん(写真上・左)の解説を交えながら、発表会の映像リポートとともにご紹介します。

ジュネーブ会場の格調そのまま東京で新作をお披露目

 A.ランゲ&ゾーネは、ザクセン王国(現ドイツ東部)ドレスデンの宮廷時計職人の下で修行し、フランス、イギリス、スイスで時計製造技術を磨いたフェルディナント・アドルフ・ランゲが、ドイツ・ザクセン州の山間の地・グラスヒュッテにて1845年に開設した時計工房が起源です。第2次世界大戦後の東西冷戦により休眠していましたが、1990年に再興。以来、“ドイツ時計界の至宝”として世界中の時計愛好家たちを魅了し続けています。

 控えめながらも、スイスの時計とは明らかに文脈の異なる美しいデザインと精緻な機構は、さりげなく非凡なセンスを示したいビジネスエグゼクティブにも厚く支持され、モデルによっては納品まで数年待ちというケースもあるほどの人気です。

「A.ランゲ&ゾーネ 2022新作発表会」は、そんなA.ランゲ&ゾーネの新作を日本のプレスや顧客にお披露目するイベント。東京都内のホテルに設営された会場は、先にジュネーブで開催された世界最大の時計展示会「ウオッチズ&ワンダーズ」のブースをそのまま東京に移設したような格式ある空間となっていました。

 今回、そのイベントの模様を取材するとともに、リージョナルブランドCEOの山崎香織さんにインタビュー。そのダイジェストは下の動画(2分37秒、再生でもチェックできますので、ぜひ併せてお楽しみください。

MOVIE

「A.ランゲ&ゾーネ 2022 新作発表会」当日の映像と、
山崎香織リージョナルブランドCEOへのインタビュー(ダイジェスト版)を動画でお届けします(2分37秒)。

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巨大ホログラム映像で新作の魅力をアピール

 グラスヒュッテの本社工場から届いたばかりの新作の実機をいち早くチェックできる機会とあって、「A.ランゲ&ゾーネ 2022新作発表会」には、オープニング前から多くの来場者が集まり盛況でした。

A.ランゲ&ゾーネ 2022新作発表会

左)本社CEOのヴィルヘルム・シュミット氏もムービーで登場
中)「リヒャルト・ランゲ・ミニッツリピーター」の新作は巨大なホログラム映像で展示
右)新作モデルを解説するリージョナルブランドCEOの山崎香織さん

A.ランゲ&ゾーネ 2022新作発表会

「リヒャルト・ランゲ・ミニッツリピーター」の新作は巨大なホログラム映像で展示

 会場内でひときわ目を引いたのが“ジャイアントホロウオッチ”(写真上・中央)です。ジュネーブの発表会では新作時計の巨大模型を設置するのが同ブランドの恒例ですが、コロナ禍で現地に行けない方々のために、新作の「リヒャルト・ランゲ・ミニッツリピーター」を巨大なホログラム映像で展示。美しいデザインはもちろん、各パーツが芸術的とも言える連携で動作する様子、さらにはミニッツリピーターの澄んだ音色に至るまで完璧に再現され、来場者にとても好評でした。

A.ランゲ&ゾーネ 2022新作発表会

新作モデルを解説するリージョナルブランドCEOの山崎香織さん

 オープニングのプレゼンテーションではリージョナルブランドCEOの山崎香織さんが登壇(写真上・右)。A.ランゲ&ゾーネの日本におけるビジネスの概況説明がありました。コロナ禍にあっても高級輸入時計市場は好調ですが、なかでもA.ランゲ&ゾーネの21年度(21年4月~22年3月)売り上げは19年度(19年4月~20年3月)と比べて大幅に伸長、日本市場において過去最高水準の販売を記録しているとのこと。この好調を受けて、今年7月には日本で6番目となるブティックが名古屋に誕生することも発表されました。

A.ランゲ&ゾーネ 2022新作発表会

本社CEOのヴィルヘルム・シュミット氏もムービーで登場

 さらにプレゼンテーションには本社CEOのヴィルヘルム・シュミット氏もムービーで登場(写真上・左)。「Never Stand Still」(決して立ち止まらない)というブランド哲学のもと、妥協なきウオッチメーキングを推進していることが改めて伝えられました。

さらにエレガントに進化 新しいグランド・ランゲ1

 さて、ここからは当日発表された2022年のニューモデルの紹介に移りましょう。まずは「グランド・ランゲ1」の新作から。グランド・ランゲ1は、ブランドのアイコンである「ランゲ1」のケース径を41mmに拡大したシリーズとして2003年に登場(ランゲ1は38.5mm)。発売されるや、たちまち定番的な地位を築き、今作と同じ専用ムーブメントを積んだ12年以降、人気に一層の拍車がかかりました。

 新作ではそのグランド・ランゲ1が、さらにエレガントに生まれ変わりました。最大のポイントはケースの厚さを0.6mm薄くし、8.2mm厚にしたことでしょう。山崎さんも次のように語ります。

時計の0.6mmの差はとても大きく、格段とスリムになったと感じられるのではないでしょうか。今回の新作は18Kホワイトゴールドケース(写真上下・左)と18Kピンクゴールドケース(写真上下・右)の2つのバリエーションがありますが、ともにA.ランゲ&ゾーネらしい奥行き豊かなグレーダイヤルを採用。時・分と秒のサブダイヤルにアジュラージュ(レコードの溝のような同心円の筋彫り)加工を施したことで、光の加減により絶妙な濃淡も生まれ、これも独特の艶っぽい雰囲気づくりに貢献しています」

一層のスリム化でスーツとの相性高まる

 ビジネスエグゼクティブに高い人気を博していたグランド・ランゲ1ですが、今回のスリム化により、スーツスタイルとの相性がさらに増したと言えるでしょう。程よく主張する41mmサイズながら、手首にすっきりとフィットします。ドレスシャツのカフスとも干渉しません。ビジネスはもちろん、パーティーなどの格式高い場面でも、より上品に袖口を彩ってくれるはずです。

 このプロポーションなら、少し大きめなサイズの時計を好む女性にも人気を博しそうです。実際、ジュネーブの展示会では各国のバイヤーから、そんな評価も多かったと山崎さんも言います。

 ちなみに18Kホワイトゴールドケースと18Kピンクゴールドケースでは印象が随分異なりますが、山崎さんがビジネスパーソンの着用シーンをイメージすると、それぞれどうなるのでしょうか。

「個人的な感想を言わせてもらえるなら、たとえばホワイトゴールドは大切な商談やプレゼンのある日に着用されると、きりりと気持ちも引き締まり、自信を持って臨むことができるのではないでしょうか。ピンクゴールドは日本人の肌ととてもなじみが良く、品のある華やかさを演出できるのが魅力。フォーマルな装いはもちろん、カジュアルなジャケットやニットスタイルなどと合わせても映えるでしょう。いずれにしろ、ともに皆さんの印象をより洗練させて見せる素晴らしい仕上がりだと自負しています」

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ランゲ流“スポーティーウオッチ”が初めてチタンケース採用

 続いて紹介するのは「オデュッセウス」の第3弾モデルです。A.ランゲ&ゾーネ初のスポーティーウオッチとして19年に誕生し、ただいま世界中で大人気のコレクションです。そこにブランドとしては初となるチタンケースのモデルが加わりました。その狙いを山崎さんは次のように説明します。

「オデュッセウスはアクティブなライフスタイルを好み、人生の最も思い出に残るひとときにも最高品質の時計を身に着けて過ごしたいと望む方のために開発した時計です。そのため初代モデルはスポーティーなステンレススチールケースでデビューしましたが、今回はチタンケースを採用したことで大幅な軽量化を実現し、装着感も向上しています。ご存知のとおり、チタンは非常に硬く頑丈な素材ですので、レジャーやスポーツで、より頼もしい時計へと進化しています」

 このモデルもダイヤルカラーが魅力です。ステンレススチールケースのオデュッセウスは濃いブルーを採用していましたが、本作は最近の時計界のトレンドカラーとも呼応する“アイスブルー”を採用。チタンと調和するような、ややグレイッシュなブルーは時計全体を軽快に見せるとともにシックなニュアンスも高めています。独自の表面仕上げと相まって高級感もたっぷりです。

 もちろんこのチタン仕様も、これまでのオデュッセウスと同様に大きな曜日表示と日付表示を備え、120mの防水機能もそのまま。250本の限定モデルですから、気になる方は早めに行動に移した方がいいかもしれません。

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音色にまでこだわり尽くした正統派のミニッツリピーター

 最後に紹介するのは新作発表会の“ジャイアントホロウオッチ”でも澄んだ音色を聴かせていた「リヒャルト・ランゲ・ミニッツリピーター」。リヒャルト・ランゲは、創業者フェルディナント・アドルフ・ランゲの長男にして、27もの特許を取得した天才時計師の名を冠したコレクションです。

 そのリヒャルトの没後90周年の節目にリリースされた今作では、音で時刻を知らせるソヌリ機構、それも最も開発が困難とされる分単位で時刻を知らせるミニッツリピーター機構を搭載。じつはA.ランゲ&ゾーネは19世紀末の懐中時計の時代からミニッツリピーターを手がけていますが、山崎さんは「この新作は、その最高到達点と呼べるもの」と胸を張ります。

「具体的には『ハンマー打ち機構の一時休止省略機能』(毎時0分から14分までのクォーターゴングを使用しない際の“間”を省略する機能)や、ゴングを叩いたハンマーが再びゴングに当たることを防ぐ特許が取得された『ハンマーブロック』などを搭載、実用面も安全面も非の打ちどころがありません。もちろん音色にもこだわり、最高レベルの音質で正確に時刻を奏でるよう、ゴングを入念に手作業でチューニングしています

 そんなハイコンプリケーションムーブメントを、径39mm、高さ9.7mmのプラチナケースに納めているのもさすが。3つのパーツをつなぎ合わせた自社製ホワイトエナメルダイヤルも非常に美しい仕上がり。聴覚だけでなく視覚的にも満足させてくれる、まさにコレクターズアイテムと呼ぶにふさわしい特別な名品でしょう。

 今回のイベントでは3種類、計4本の新作が紹介されましたが、いずれも伝統を守りながら、常に前進をやめないA.ランゲ&ゾーネの姿勢が伝わる素晴らしい仕上がりでした。このドイツの名門が真に価値ある時計を求める人たちの心を捉え続けるのも納得です。興味を感じるモデルがありましたら、お近くのA.ランゲ&ゾーネのブティックに問い合わせてみてはいかがでしょうか。

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グランド・ランゲ1

A.ランゲ&ゾーネコレクションブック
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