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TRAILBLAZERS 旭化成の若き開拓者たち

VOL.2 キャリア開拓と挑戦

自らの意思で切り
真のグローバル人財へ

(左から)藤城さん、金子さん

(左から)藤城さん、金子さん

旭化成は創業以来、社会の変化を先取りして挑戦し、自らも変化を遂げてきた。100周年を迎えた昨年には、「中期経営計画2024-Be a Trailblazer-*」を発表し、さらなる変革への道しるべを掲げている。同社で活躍する若き開拓者たち(Trailblazers)の姿を紹介するシリーズ2回目は「キャリア開拓と挑戦」をテーマに、自らの意思で独自のキャリアを切り拓き、グローバルな視点を持って活躍する2人に聞いた。

* Trailblazer:未開の地の木に道しるべとなる印を付ける人、先駆者

グローバルに
活躍できる場を求めて

――旭化成を志望した動機を教えてください。

私は幼少期を海外で過ごし、その際に日本の良さを感じることが多かったので、日本から世界に向けて何か発信する仕事をしたいと思っていました。そこで、「英語を使う」「世界を舞台にする」「自分にしかできないと思える仕事ができる」の3つを軸に、就職活動を進めたのです。当時、旭化成はグローバル人財が不足しているといった説明を伺い、この会社だったらチャンスが多いかもしれないと考えて志望しました。

大学時代はラグビー部に所属していました。チーム一丸となって何かを達成することがすごく楽しかったので、研究開発から製造、物流、営業など多くの人と協力しながら仕事ができるメーカーを志望しました。就職活動中に会った旭化成の先輩社員が、堅苦しくなく話しやすい雰囲気で、とても魅力的だったんです。また、さまざまな事業を手掛けていることを知り、この会社ならやりたいことが見つけられそうだと思いました。

――現在、どのような仕事をしていますか。

環境分野の新規事業開発をしています。環境分野は各国の政策による影響が大きいので、環境政策動向を調査して事業戦略に落とし込んでいます。特に先行するヨーロッパの政策に注目しており、海外の情報を日本の政府と共有してオープンにディスカッションすることもあります。国の考え方や政策は、自分には遠い世界に感じていましたが、実際に飛び込んでみないと分からない世界があると、担当するようになってから実感しています。

印刷用の樹脂版を扱う感光材事業部という部門で、営業を担当しています。私たちの樹脂版は版を加工する際に溶剤を使用しないため、環境負荷を低減できるという強みがあります。人がいて、物があるところには印刷需要があるので、市場は世界中にあります。私は特に北米に注力し、市場開拓に励んでいます。

ターニングポイントは
自らつくる

――これまでのキャリアで、ターニングポイントになったことを教えてください。

1年間オランダにMBA留学したことと、環境分野の新規事業創出の仕事でドイツに1年半ほど赴任したことです。入社後に、繊維や電子材料などの海外営業を担当していたのですが、英語ができると頼られる一方で、英語力だけでなくグローバルな思考やビジネスマナーもまだまだ不足しているという自覚があり、かなりの葛藤があったんです。そこで、世界地図の真ん中に日本を置いて考えるのではなく、もう少し日本の立ち位置を俯瞰(ふかん)できるようになりたいと考え、「軸足を日本から外せる人財になる」ことを目標に掲げて、社内公募の留学制度に手を挙げました。

藤城さん グリーンソリューションプロジェクト 事業開発部

「軸足を日本から外せる人財になる」

藤城さん グリーンソリューションプロジェクト 事業開発部

私は初め経営管理部に配属となり、入社6年目には感光材事業部の計数担当になりました。そこで計数の知識はもちろんのこと、マネジメント層の人たちのビジネスのノウハウやスキル、ものの見方など、数字だけでは表せない部分にも触れたんです。自分も将来、カッコいい先輩たちのようになりたい、事業に直接携わりたいと考えるようになり、自らの希望がかなって事業部門へ異動しました。

その後営業を経験し、ベルギーにある感光材事業部のヨーロッパの販売会社で、バックオフィス全般を担うプランニングマネージャーを任されました。初めてチームを率いたのですが、私が判断を下さないといけないことも多く、まさに旭化成のグループ理念体系にもある「誠実」な姿勢を問われる経験を積めたことは、自分の成長につながったと思います。

――かなり独自のキャリアを開拓していますね。

営業をやりたいと手を挙げ、ベルギーに行きたいと希望を出し、どちらも上司の理解と協力を得ることができました。旭化成は手を挙げて挑戦しようとする人には、その機会が与えられる会社だと思います。

目の前にある課題を解決するためには、人と協力して、人に動いてもらう必要がありますよね。どんなテーマも一人ではなし得ない。人と一緒に取り組むという点は変わらないと思うんです。だから会社も、人と一緒に仕事をする力があれば、たとえ取り組むテーマが変わっても大丈夫と判断し、「キャリアを変えてもいいよ」と、本人の希望を後押ししてくれるのかもしれません。

あえて居心地の悪い環境へ、
少数派の経験を生かす

――海外留学、海外事業ではどのような経験をしましたか。

ベルギーの販売会社は社員が30人ぐらいでした。赴任直後に、チームが動いてくれないと上司に言い訳がましく報告したことがあります。すると上司から「チームのせいにするのは、自分が無能だと言っているようなもの」と指摘され、ハッとしました。その後対話を重ね、一人ひとりと向き合ってチームを動かしていけるようになったことが、今のチームづくりに役立っています。あの時の上司の言葉は、仕事をする上での基本になっています。

金子さん 感光材事業部 感光材営業部

「チームのせいにするのは、自分が無能だと言っているようなもの」

金子さん 感光材事業部 感光材営業部

ドイツ赴任中は、欧州の政策調査でさまざまな会合に出席しました。フランス語もドイツ語も話せない私は、少数派であることにどこか居心地の悪さを感じることがありました。オランダに留学していた頃、自分を「uncomfortable(快適ではない)」な環境に置きなさいとよく言われたのですが、ドイツでの仕事を通じて少数派を経験できたことが今のキャリアに生きていると思っています。

――これまでの経験を、旭化成のグローバルな成長にどのように生かしていきたいと考えていますか。

世界は実に多様性に富んでいます。でも突き詰めると「人対人」の問題にたどり着くのではないでしょうか。そんな世界で日本企業として戦っていくためには、例えば、マイノリティー側の居心地の悪さを経験できる機会をつくるなど、多様な価値観を持った人財が育つ仕掛けをもっと社内で増やせないかと考えています。結果的にそれが、世界のどんな地域でも同じサービスが提供できる真のグローバル化につながるはずです。

これまでの経験を生かし、まずは今担当している印刷用樹脂版の北米市場の開拓をしっかりと進めたいです。北米は世界でもかなり大きなマーケット。その中で旭化成の製品は、ゲームチェンジャーになれると思っています。目の前に耕せる畑が広がっているので、思う存分耕し続け、将来的には米国に自分たちの拠点を持てるくらいにビジネスを大きくしたいですね。

「働くことは、
人生を豊かにすること」

――「旭化成らしさ」をどのように感じていますか。

以前所属していた部署の業務で、キャリア採用で入社した社員約30人に旭化成の特徴をインタビューしたところ、会社が好きな社員がものすごく多い、という回答が数多くありました。複数の会社に勤めた経験のある人たちが皆共通に感じていたということで、とても印象的でした。私自身はそこまで意識したことはありませんでしたが、ほかにも選択肢がある中でこの会社にいるのは、確かに会社が好きだからで、旭化成らしさの一つかもしれません。

これまで国内外でいろいろな人と一緒に働いてきて、背中を押してくれた上司や支えてくれたメンバーなど、この先もずっと交流を続けたいと思える人が多くいます。そんな雰囲気が、グループ全体の社風なのかなと感じています。

――仕事・キャリアとは、あなたにとってどのような存在でしょう。

先日、社長の工藤さんが社内向けのメッセージで「働くということは、皆さんの人生を豊かにすることだ」と話していて、本当にそうだなと思いました。社長がそういうコメントをする会社っていい会社だなと思いますし、頑張ろうという気になりますね。20代の頃には分からなかったかもしれませんが、私もこういう言葉がスッと理解できるようになってきたのかもしれません。

カッコよく仕事をしている人も、結果を残している人も、どちらも楽しそうに仕事をしている人が多い会社だと思います。また、関わっている事業が拡大し、製品がお客様の元に届くことを自分の喜びとして捉えられている人が多いですね。私自身も仕事を通じて自己実現をしていきたいと思います。

※記事内容は2023年3月時点のものです。

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VOL.2 キャリア開拓と挑戦

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