DNP、エンゲージメント向上を通して企業価値向上へ Wevox全社導入で目指すビジョンとはDNP、エンゲージメント向上を通して企業価値向上へ Wevox全社導入で目指すビジョンとは

提供:アトラエ

総合印刷大手の大日本印刷(DNP)は「DNPグループ健康宣言」を策定し、働きがいと働きやすさによる企業価値の向上を目指している。その活動の重要な指標として位置付けられているのがエンゲージメントである。同社はエンゲージメントを可視化するアトラエの「Wevox(ウィボックス)」を導入し、現在までに3万人超の社員が利用している。ステークホルダーを巻き込みながら短期間でWevoxを全社利用にまで広げ、エンゲージメントの向上を図る同社の取り組みを紹介しよう。

新型コロナウイルス感染拡大で再認識された健康で働くことの重要性

 新型コロナウイルス感染症の拡大は、「健康」の意義を改めて考えるきっかけになった。それは企業も同じだ。「以前から働き方の変革活動を通して『働きがい』と『働きやすさ』を高めて価値を生む働き方の実現を図ってきた当社も、改めて健康の大切さを見直す機会になりました」と人事本部 労務部 第2グループ リーダーの野村聡彦氏は語る。

野村聡彦氏

大日本印刷株式会社
人事本部 労務部 第2グループ リーダー
野村聡彦

 健康で生き生きと働く環境の重要性を再認識した同社は、2021年4月に「DNPグループ健康宣言」を策定。社員全員が前向きに働く「こころの資本」の醸成と信頼関係に基づく「心理的安全性」を重視して組織の活性化と企業価値の向上を目指し、マネジメントを変革するため、1on1ミーティング、チームミーティングと3点セットで運用していく「DNP価値目標制度」を新たに導入した。

 こうした一連の活動の指標の1つとして位置付けられていたのが、自発的な貢献意欲である「エンゲージメント」だ。「健康というベースがあり、そこにエンゲージメントが高まればチーム力が強化され、その結果として企業価値向上に結びつくと考えました」と野村氏は同社におけるエンゲージメントの位置付けを説明する。

 エンゲージメントを可視化することは、新たな働き方への対応という面からも重要だった。人事本部 労務部 第2グループエキスパートの嶋紀嗣氏は「オンラインとオフラインが融合するニューノーマル時代の働き方にマッチしたマネジメントが求められます。そのためにはチームの状態を可視化することも必要でした」と話す。

 エンゲージメントの向上とチーム力の強化が、変革を推進する機動力と考えた同社にとって、エンゲージメントを可視化するツールの導入は不可欠だった。

嶋紀嗣氏

大日本印刷株式会社
人事本部 労務部 第2グループ エキスパート
嶋紀嗣

機能が絞り込まれて使いやすいWevoxを選定

 価値創造推進本部 業務革新推進室 室長の立野和浩氏は「エンゲージメントを評価する方法は2年くらい前から調べていました」と話す。同社がエンゲージメントサーベイのツールを選定するうえで重視したポイントは、大きく2つあったという。

立野和浩氏

大日本印刷株式会社
価値創造推進本部 業務革新推進室 室長
立野和浩

 1つはサーベイの結果を素早くフィードバックできることだ。「今までもいろいろなサーベイを実施しましたが、フィードバックに時間がかかったために『自分事化』されていない面がありました」と立野氏は話す。

 もう1つは使いやすさだ。一人ひとりが自発的に取り組み、主体性を持って自走できるようにするためには『やらされ感』を抱かれることは避けたい。そのためには簡単にサーベイが実施できるような仕組みや、使いやすいインターフェースが求められる。

 この2つの観点から同社が注目したのが、アトラエの「Wevox」だった。グループ会社が先行して導入していたので、それをどう利用しているのかを確認するとともに、アトラエのオンラインセミナーにも参加した。

 嶋氏は「UI/UXが良い意味でシンプルでしたので、使いやすくフィードバックも素早くできると確信しました」と話す。立野氏も「みんながチームの目標に向けて1つになるための対話のきっかけとして有効であると感じました」と評価する。

 野村氏は「最初は小さく始めようと本社部門だけで実施するつもりでしたが、2つの事業部から『ぜひやりたい』という申し入れがあり、計6000人を対象にスタートすることになりました」と好感触を得ていたことを語る。

全社員の有志を対象にきめ細かく説明会を実施

 立野氏はWevoxを導入するにあたり、説明会は手厚く行うと決めていた。「新しい制度を導入した際には定着までに時間がかかることがあります。そうならないためにWevoxではとことん周知活動をすることにしました。管理職がいきなり旗を振れるものではありませんから、きっかけは私たちがつくろうと考えたのです」と立野氏。

 人事本部と価値創造推進本部に導入推進担当者を置き、各事業部門の総務や価値創造メンバーに推進役を置いて導入の推進にあたった。ただし、説明会には意志のある人に参加してもらわないと意味がないので、強制ではなく希望者を募る形で11月までに計47回・2000人に対して説明会を実施した。

 説明会では、導入の背景やエンゲージメントの解説、各社内制度との関連性、Wevoxの概要と利用のポイント、設定しているゴールを丁寧に話し、質疑応答にも時間を割いた。

 こうした手厚い啓蒙活動が功を奏し、6月に6000人でスタートしたWevoxの利用者は、8月に1万1000人、11月には3万人を超えた。野村氏は「職場で自主的に振り返りができるように、全社員に自分の組織について閲覧できる権限を与えて自分事化を図っています。エンゲージメントは全員でつくり上げていくものです」と活用方法を語る。

立野和浩氏

「Wevoxはみんながチームの目標に向けて1つになるための対話のきっかけとして有効であると感じました」

自主的な活用が広がり、組織や風土に変化が

 現在も導入を進めているため、全社的な統計データはまだまとめていないものの(2021年11月時点)、オンラインで実施している導入チームへの取材からは狙い通りに職場の中での活用が広まりつつあることが感じられるという。「説明会に参加してくれたメンバーの中には、Wevoxが対話のきっかけになると周囲に広めてくれている人も多数います」と立野氏は話す。

 こうした草の根運動的な広がりこそが、導入担当者たちが目指していた姿だ。管理職が指示をして取り組むものではないということが浸透すれば、押しつけ感がなく、自発的に継続していけると考えている。現在はこの流れを加速すべく、スコアのいいチームをピックアップして取材して記事化し、社内サイトで情報共有を行っている。

 「すでに10数件の取材をしました。そこでよく聞かれたキーワードとしては、管理職の『感謝』と『承認』のタイミングがいいこと、組織としては『助け合い』『称賛』『学習』などがよく挙げられます。学び合う風土がある組織ほどエンゲージメントのスコアが上がってきているのではないでしょうか」(立野氏)

 また、アトラエが2020年12月に開校したエンゲージメント向上アカデミー「Engagement Run!(※)」に参加して他社事例を聞いたり効果的な活用方法を学んだりして、Wevoxの効果を高めるための情報を積極的に収集している。立野氏は「他社事例など、いいところを参考にして社内にフィードバックしています」と話す。

※ Engagement Run! = エンゲージメントや組織づくりに関する知識、ノウハウをオンラインで自発的に学べる場

 野村氏は「Wevoxによって対話が生まれ、組織や風土が変わってくるように感じています」と手応えを語る。今後の同社の求める企業価値の向上に、Wevoxのより一層の貢献が期待できそうだ。

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