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今月の『押さえておきたい良書

『お金と自由をもたらす最速の稼ぎ方』-ゼロから1年で1億円儲ける逆説の成功法則

1億円稼ぐために、あなたならどう売りますか?

『お金と自由をもたらす最速の稼ぎ方』
 -ゼロから1年で1億円儲ける逆説の成功法則
船ヶ山 哲 著
徳間書店
2018/10 224p 1,400円(税別)

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 1年間で1億円稼ぐ。こう聞いて、「自分には無茶な話だ」と感じる人も多いだろう。

 だが、それは思い込みにすぎないのかもしれない。本書『お金と自由をもたらす最速の稼ぎ方』によると、これまでの発想から脱却し戦略的に行動すれば、能力や経験の有無に関わらず、誰でも1億円を稼ぎ出すことができるという。

 本書は会社員を辞めたのち人脈も実績もない状態で起業し、1年ほどで億を超える収入を得るようになった著者が、その成功のノウハウをまとめたもの。著者はマーケティングコンサルティングを行う株式会社REMSLILA代表。

100万円という価格を決めて商品をつくる

 著者は1億円を稼ぐための“6つの成功法則”を紹介している。その筆頭にあるのが「商品ではなく価格から入る」というものだ。

 ビジネスを始める際にはまず売りたい商品があり、その商品にふさわしい価格を設定するのが王道のやり方だ。だが、そうではなく、最初に価格を設定し、それに見合うように商品をつくることが1億円ビジネスへの第一歩だと著者は説く。

 どんなに良くできた商品であっても、価格が1万円ならば1万人の顧客をつかまなくてはならない。しかし100万円の商品があれば顧客は100人でいい。この、100万円の商品を100人に売るというモデルが1億円を稼ぐためにもっとも効率的だと著者はいう。

顧客が欲しいのは商品ではなく、かなえられる結果

 では100万円の商品をどうつくるのか。著者は「顧客が本当に望んでいるもの」を見定め、その願望に合わせて商品の“帳尻合わせ”を行うことを勧めている。

 スペイン語教室を始めたA氏の事例を見てみよう。A氏はオンライン講義や教材を売っていたが、単価は30万円が限度だった。そこで、教室で学んだスペイン語を生かして通訳や翻訳の仕事に就けるルートを設けた。さらに、A氏の持っていた人脈を生かし、世界のエリートとつながりができる場を組み込んだ。こうして単価150万円の商品につくり変えていったのである。この商品は大ヒットし、年間2億円を売り上げたそうだ。

 A氏はスペイン語を学ぶ人の「その先にある願望」をうまく商品に落とし込んだのだ。このように、顧客が本当に望んでいるのは商品ではなく、その商品を手にしたことでかなえられる「結果」の方である、ということを押さえておくことが肝要だと著者は強調する。

 他にも「ライバルを味方につける」など一見意外な成功の秘訣が披露されている本書。普段と違う視点が欲しくなったら、手に取ってみてはいかがだろう。

情報工場 エディター 安藤 奈々

情報工場 エディター 安藤 奈々

神奈川生まれ千葉育ち。早稲田大学第一文学部卒。翻訳会社でコーディネーターとして勤務した後、出版業界紙で広告営業および作家への取材・原稿執筆に従事。情報工場では主に女性向けコンテンツのライティング・編集を担当。1年半の育休から2017年4月に復帰。プライベートでは小説をよく読む。好きな作家は三浦しをん、梨木香歩、綿矢りさなど。ダッシュする喜びに目覚めた娘を追いかけ、疲弊する日々を送っている。

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