Workstyle 200店舗への教育 北海道ならではの効果的なリモート会議活用 Workstyle 200店舗への教育 北海道ならではの効果的なリモート会議活用

北海道を中心に道外までドラッグストアチェーン約200店舗を展開するサツドラホールディングス。広大な北海道が地盤なだけに、無駄な移動やコミュニケーションロスをなくすことが経営課題だった。「グループ企業がスピーディーかつ柔軟に相互連携してシナジーを発揮し、働き方改革も実現する、そのためのコミュニケーション基盤が求められていました」。同グループの事業会社であるサッポロドラッグストアーで教育を担当する高橋剛志ゼネラルマネジャーは当時を振り返る。2017年に導入された新基盤は、今では会議やミーティングだけではなく従業員教育にも積極的に活用されている。

株式会社サッポロドラッグストアー 教育部 ゼネラルマネジャー 高橋 剛志 氏 株式会社サッポロドラッグストアー 教育部 ゼネラルマネジャー 高橋 剛志 氏
サツドラ店舗外観サツドラ店舗内部1サツドラ店舗内部2
サツドラ店舗外観

スピーディーな経営のため
コミュニケーション基盤を刷新

サッポロドラッグストアーが最も注力している取り組みの一つが、人材育成だ。約3000人を超える従業員に対して、「ヘルス&ビューティ勉強会」と「教育企画研修」の2軸からなる手厚い教育活動を行っている。

ヘルス&ビューティ勉強会とは、医薬品および化粧品に関する商品知識や販売スキルを高めることを目的とした教育訓練で、各店舗の医薬品担当者、化粧品担当者が参加する定例勉強会のほか、有志の希望者による勉強会も実施している。

一方の教育企画研修は従業員のキャリア育成を目的としたもので、等級別のマネジメント研修や契約社員から正社員となった従業員の社員登用者研修など様々な研修を実施している。

ヘルス&ビューティ勉強会は、道央、道北、道東、道南の各地区のトレーナー(講師)が札幌や旭川などの主要都市に参加者を集めて実施するほか、有志の勉強会については逆にトレーナーが各店舗に出向く形でも行われてきた。教育企画研修は1人の担当者が各地区に出向き、研修を行っていた。

時間と場所の制約がある対面式研修の限界

リモート会議

こうした対面を前提とした研修では、受講者かトレーナーのどちらかが必ず場所を移動しなければならない。

例えば有志の勉強会では、前もって決められたピンポイントの日程でトレーナーが各店舗を訪問するため、その日に都合の合わない従業員は参加できない。また、一度に複数の従業員が同時に抜けてしまうと業務に支障を来すため、どうしても参加者が限られてしまう。「結果として、従業員ごとの教育機会に不平等が生じていました」と、高橋剛志ゼネラルマネジャーは抱えていた課題を明かす。

加えて北海道という土地柄ならではの問題もあった。

「札幌で開催される研修に帯広から参加するには片道3~4時間かかります。実質的な研修時間は6時間程度であるにもかかわらず1泊2日の拘束となってしまいます。特に冬場は吹雪で鉄道が止まったり、自動車で移動している道中で雪道で滑って事故を起こすなどのリスクもあり、従業員の安全確保や労務管理の観点からも大きな懸念となっていました」と高橋氏は説明する。

リモート会議
研修の規模に応じてツールを使い分ける

研修の規模に応じてツールを使い分ける

研修の規模に応じてツールを使い分ける

従業員教育の課題解決に大きく貢献したのが、2017年3月にサツドラホールディングスが新しいコミュニケーション基盤として導入したシスコシステムズの「Cisco Webex Teams」と「Cisco Webex Meetings」、そして同年9月に導入した「Cisco TelePresence」といったクラウドを活用した新コミュニケーション基盤だ。

「知識・情報伝達を中心とした受講者24人以下の会議にはCisco Webex TeamsとCisco TelePresenceを、それ以上の大規模な研修にはCisco Webex Meetingsを利用することを基本としています」と高橋氏は話しており、その時々の状況に応じて都合のよいツールを使い分ける柔軟な運用を行っているそうだ。

サッポロドラッグストアーでは、社員教育を研修内容に応じて順次Cisco Webex Meetingsに移行する計画だ。

ヘルス&ビューティの定例勉強会のうち、毎回札幌で開催している化粧品の集合研修を、他の地区にもCisco Webex Meetingsで生中継している。医薬品についても、沖縄・福岡・東京の北海道以外の店舗や集合研修に参加できなかった従業員を対象としたWeb研修を別枠で実施するといった取り組みを行っている。有志の勉強会も医薬品と化粧品の研修を、札幌から月に4回程度Cisco Webex Meetingsで実施している。

同様にマネジメント研修でも、年間に複数回にわけて実施されるカリキュラムのうち、前半を対面で行い、後半をCisco Webex Meetingsで行うといった切り替えが進んでいる。

「医薬品の登録販売者の資格取得研修については、ほぼ全面的にCisco Webex Meetingsに移行しました」と高橋氏は話す。

また、地区ごとに行われているWeb研修の様子は本部からもチェックすることが可能。トレーナーの研修内容をWeb上で確認し、改善点を指摘することでトレーナーのレベル向上にも役立っている。

さらに、教育部内のミーティングでもWeb会議が積極的に活用されるようになった。各地区のヘルストレーナーやビューティトレーナーはこれまで月1回の頻度で札幌の本部に集まり会議を行っていたが、Cisco Webex TeamsとCisco TelePresence、Cisco Webex Meetingsが導入された現在は、各地区にいながら会議に参加することが可能となった。

新コミュニケーション基盤の機能を最大限に活用していく

リモート会議画面

Cisco Webex TeamsとCisco TelePresence、Cisco Webex Meetingsを柔軟に活用することで、サッポロドラッグストアーは従業員教育の効率を大幅に向上できた。中でも顕著に表れたのがコスト削減の効果だ。「これまで集合型で行われていた研修がCisco Webex Meetingsを通じて各店舗でも実施できるようになったことで、従業員やトレーナーの移動が大幅に減り、Webに切り替えた研修に関しての交通・宿泊費は以前の半分以下になっています」と高橋氏はその効果を語る。

加えて各店舗では、既存の従業員が自店にいながら研修を受けることができるので、研修後すぐに売場に戻って勤務をすることが可能となった。以前は研修を受講予定の従業員は移動に時間がかかり、その日のワークスケジュールを組み込めなかったり、組み込めても数時間しか組み込めず非効率だったが、Web会議を利用した店舗内での研修であれば、その前後の時間を勤務に当てることができる。

「店長は最小限の人数で店舗を回している中でも、柔軟にシフトを組めるようになりました。おかげで従業員に連続休暇を取得させやすくなるなど、サツドラホールディングスが目指す働き方改革が店舗からも進み始めました」と高橋氏は強調する。

一方で高橋氏は、「Web会議を活用し始めてから半年にすぎず、現在はまだまだ試行錯誤が続いています」とも明かす。そうしたなかで検討を開始したのが、録画機能の活用だ。地区ごとに行う研修をCisco Webex Meetingsで生中継するだけでは、トレーナーは同じ内容の研修を何度も繰り返して実施しなければならない。これを録画してシステムにライブラリとして登録しておくことで、トレーナーの負担軽減を図ると同時に、各店舗の受講者に対して「業務に余裕のできた時間にいつでも必要な研修を受講できる」という利便性を提供することができる。

さらにCisco Webex TeamsやCisco Webex Meetingsならではのチャットやアンケート、Q&Aなどのインタラクティブな機能など幅広い活用を行いたいと考えているそうだ。

「従来の対面の研修を単純にCisco Webex Meetingsに置き換えるだけでなく、Web会議の特性を最大限に利用して最適化された研修を設計していきたい」と、高橋氏は今後の意気込みを語る。これまでになかった研修の“楽しさ”や“面白さ”といった体験を創造し、受講者に提供することで社員のスキル向上を支えていく。対面とWeb会議の両立ができたときに、サツドラホールディングスが求める真の働き方改革は実現されることだろう。

リモート会議画面リモート会議画面
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