提供:コグニザントジャパン

コグニザントが「アストンマーティンF1チーム」に参戦

モータースポーツ支援の経験・知見が
「企業にもたらす価値」とは?

写真:アストンマーティンF1

「Intuition engineered (直感を確信に)」という新たなキーメッセージを策定したグローバルテクノロジーサービス企業のコグニザントは、モータースポーツで長い伝統を持つアストンマーティンのF1(フォーミュラーワン)チームと2021年1月にタイトルパートナー契約を締結、「アストンマーティン・コグニザント・F1チーム」として活動している。22年10月には「2022 FIA F1世界選手権シリーズ 日本グランプリ(鈴鹿サーキット)」に参戦し、6位入賞という好成績も収めた。単なるスポンサーにとどまらずファイナンスからファン・エンゲージメントに至るまで重要な役割を担うコグニザントの活動をはじめ、この経験が顧客企業にもたらす価値について、コグニザントジャパン 常務執行役員の深田アレン氏、ディレクターの市川恵貴氏に聞いた。

写真:アストンマーティンF1

F1と重なるコグニザントのキーメッセージ

写真:深田氏

コグニザントジャパン
常務執行役員
デジタルビジネス&テクノロジー部門統括

深田 アレン

―― なぜコグニザントは「アストンマーティンF1チーム」のタイトルパートナーになったのでしょうか。

深田 フォーミュラーワン(F1)は100年以上の長い歴史を誇るモータースポーツの最高峰として世界中に認知されています。そんなF1レースに2021年、約60年ぶりにブランド名を復活させて参戦したのが英国の自動車メーカーであるアストンマーティンのF1チームです。アストンマーティンは前身のチームの再編を進めるなかで、新たなタイトルスポンサーを探すことにし、そこで名乗りを上げたのがコグニザントでした。

 コグニザントは20年からグローバルテクノロジーサービス企業としてリブランディングを進めており、新しいF1チームとして再スタートを切るアストンマーティンと相通じる面がありました。また、重みのあるブランドのアストンマーティンとコグニザントが力を合わせてチームづくりを進めるという共通認識が持てたことも大きなポイントでした。

 さらに、F1にとってデジタルテクノロジーの活用が優劣を決める重要な要素であり、コグニザントのデジタルテクノロジーをF1という場を通じて世界中に発信できると考えました。これらが、コグニザントがアストンマーティンF1チームとタイトルパートナー契約を締結した理由です。

写真:市川氏

コグニザントジャパン
デジタル・エクスペリエンス&エンジニアリング事業部
ディレクター

市川 恵貴

―― F1チームへの加入は、コグニザントの新しいキーメッセージ「Intuition engineered (直感を確信に)」とはどのような関連性がありますか。

市川 レース中のドライバーを見つめると、1000分の1秒ごとに瞬時の意思決定を重ねながら、いかに速くチェカーフラッグを駆け抜けるかに全神経を集中させています。その時、ドライバーの頭の中では左脳の論理と右脳の感性をフル活用しながら、最終的にはあたかも直感によって割り出された結論かのごとく車体をコントロールし続けています。それは現代社会において、常に瞬時の意思決定が求められる経営者にも当てはまるでしょうし、さらには、どのブランドと付き合うかを決める消費者の立場とも同様でしょう。そこが、直感を確信に変えるというコグニザントの存在意義に合致しているのです。

直感から出てきたアイデアをいち早く実践

―― F1チームにおけるコグニザントの役割や現時点の貢献領域を教えてください。

深田 F1チームのタイトルスポンサーは一般的に「お金を出す」ことが最も重要な役割ですが、コグニザントは違います。とくに大きな役割としてチームから期待されているのが、デジタルテクノロジーの活用に対する支援です。つまり、F1マシンやサーキットからどのようなデータを取得し、それらを一連のチーム活動にどう反映させていくかというデータ活用プロセス全般をサポートしています。

 もう一つ、重要な役割を果たしているのが、ファイナンス(予算管理)の面です。22年10月に開催された日本グランプリでは、既定の予算上限をオーバーしたチームの報道がありましたが、このようなことがないようにルールのなかでどのように予算管理をしていくかという部分を担当しています。

 このほか、アストンマーティンF1チームを応援するファンとのエンゲージメントやファン体験創出をどのようにしていくかといった施策もお手伝いしています。

写真:F1 cognizant

―― さまざまな領域で支援を行っていますが、どんなところがとくにチャレンジだと感じていますか。

市川 F1というスポーツはとても過酷です。1年に22回のレース、毎年変わるレギュレーション、200人以上の新たなスタッフ、さらにはコスト制限もあるなかで、車体を開発しつつ、レースで運用しなければなりません。またF1チームというのは、特定の技能に特化した職能集団、つまり職人の集まりとも言えます。それぞれのスキルにプライドを持っているからこそ、その知見を共有したり、プロセスを変えられたりすることに対して、強い反発を起こすことがあります。

 実際にコグニザントが参画する以前は、部署ごとにシステムやデータがバラバラに管理されていて、一元化された情報のなかからインサイトを引き出したり、的確な意思決定を行ったりすることが困難でした。さらにウォーターフォール型のプロセスがしかれており、直感から発想された競合優位性のあるアイデアを、瞬時に実戦投入するスピードを遅らせる要因となっていました。

写真:インタビュー風景とアストンマーティンF1

ファイナンスとファン・エンゲージメントで大きな成果

―― 最近はF1チームに参画するテクノロジー企業が増えていますが、コグニザントには他の企業と比べてどのような優位性がありますか。

深田 確かに近年のF1レースではIT(情報技術)企業の進出が目立つようになりました。その多くは市場をリードする専門のデジタルテクノロジー領域を持っており、それをF1チームに提供しています。しかしながら、そうしたデジタルテクノロジーはチームのニーズと完全に合致しているわけではなく、あくまでも何らかの課題を解決するピースに過ぎません。

 それに対してコグニザントは、役割と貢献領域でも説明したように、アストンマーティンF1チームが必要とするあらゆる領域に対してデジタルテクノロジーを活用したソリューションを提供していると自負しています。マシンの設計に関わる部分からファン・エンゲージメントに至るまで、チーム運営をトータルに支援できるところがコグニザントの差別化ポイントであり優位性だと考えています。

―― コグニザントの活動がF1チームにどのような成果をもたらしていますか。

市川 最も大きな成果を上げたのはファイナンスの分野です。コグニザントが参画する前の前身チームでは、グランプリごとの予算配分をまとめたリポートを作成するのに3週間程度の時間がかかっていましたが、コグニザントが支援するようになって、その作業時間は85%も削減できています。データの精度も100%にまで高め、主催者であるFIA(国際自動車連盟)にも正確な報告ができています。

 さらにファン・エンゲージメントにおいても、大きな貢献をしています。アストンマーティンというブランドは大きな発信力を持っていますので、幅広い層への訴求が可能です。そこで獲得したオーディエンスを、興味分野や資産状況に応じて的確にセグメント化し、スポンサーやビジネスへ還元させています。そこでは過去のマスマーケティングとはまったく異なる手法が必要となり、そこでも当社の知見が活用されています。収集したデータを直視するとわかるのですが、想像もしなかったような多くの不確定要素が見いだされることがあります。だからこそ、マーケッターの直感を確信に変えるためのソリューションが不可欠となるのです。

写真:アストンマーティンF1

F1の経験を企業のビジネス課題解決に生かす

―― F1チームとの協業を通じて得られたコグニザントの知見は、企業のビジネス課題解決にどのように貢献しますか。

深田 直感をいかに確実なものとして実行するかというのは、モータースポーツの世界だけでなく、私たちの日々のビジネスにも求められます。長年にわたって経験を積んだ企業の経営層は間違いなく直観力を持っているわけですから、その直感を確信に変えて素早く経営判断や意思決定を行うには、客観的なデータをいかに活用していくかという過程が重要になります。従来はそうしたデータを取得・分析するのに時間がかかり、決断までにどうしても遅れが生じていました。

 コグニザントはレース中のみならず、次期マシンの開発も含めて瞬時の判断が求められるF1チームでの活動経験を通じ、デジタルテクノロジーを駆使したデータの分析・活用にかかる時間の短縮に挑んでいます。この経験で蓄積したコグニザントの知見は、毎年のようにレース環境が変わるF1チームと同様、ビジネスを取り巻く環境が日々変化する企業に対しても、課題を素早く解決するソリューションとして貢献できると考えています。

写真:深田氏と市川氏

動画「事例:アストンマーティンF1チームを支える直感の持つ力」

サムネイル画像

動画の視聴はこちらから >

↑