“地球環境にやさしい”データセンターの実現に貢献
サステナブルな設計思想を取り入れた
デル・テクノロジーズの最新サーバー

提供:デル・テクノロジーズ

SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)に対する取り組みを積極的に推進するデル・テクノロジーズ。中でも同社が力を入れているのが、地球環境保全に貢献する低炭素・省エネルギー技術だ。あらゆる企業のビジネスを支えるITシステムが置かれるデータセンターには、どのような“地球環境にやさしい”最先端技術が取り入れられているのか。デル・テクノロジーズが提供するエネルギー効率に優れたデータセンター向け最新サーバーはどのような製品なのか。ニュースキャスターの榎戸教子氏が、デル・テクノロジーズ 執行役員の上原宏氏に話を聞いた。

企業のデータセンターが直面する
課題とは?

写真:榎戸 教子 氏

ニュースキャスター

榎戸 教子

榎戸いま、世界中で脱炭素社会の実現に向けた取り組みが進められており、それは各企業が運営するデータセンターも例外ではないと思います。実際にデータセンターでは、どのような施策が進められているのでしょうか。また、いまのデータセンターにはどのような課題に直面しているのでしょうか。

上原最大の課題は、消費電力の急速な膨張です。この課題の発端は、皮肉なことにテクノロジーが進化したことです。コンピューターの処理をはじめとする技術が向上し、プログラムを高速で実行したり大量のデータを短時間で分析したりできるようになりましたが、そうした性能の飛躍的な向上に伴い、結果的に消費電力が急増したわけです。

 消費電力の中でも、とくにコンピューターシステムを冷却する空冷ファンの消費電力は増大化の一途をたどっており、システム全体の消費電力のうち約20%を占めると言われています。また、コンピューターが設置されているデータセンターの空調設備の消費電力、効率的に冷却するためのエアフローにも課題があります。これを裏付けるようなデータも出ている。科学技術振興機構の低炭素社会戦略センターの調べによると2018年から30年にかけての間で、データセンターの世界の消費電力は約15倍にもなると試算されています。つまり、桁違いの電力が必要になってきており、これはこの先も指数関数的に増大していく見通しです。

写真:上原 宏 氏

デル・テクノロジーズ株式会社
執行役員
データセンター ソリューションズ
事業統括 製品本部長

上原 宏

 データセンターを保有する企業にとっては、もちろん電気料金にかかるコスト削減も課題ですが、今回のテーマであるSDGs、あるいは企業の社会的責任(CSR)の観点からも、データセンターにおける消費電力の課題解決は急務と言えるでしょう。

榎戸私たちがテクノロジーの恩恵を受けるのであれば、電力を消費することに対する責任もあるわけですね。実際にはデータセンターの消費電力を低減するためにどのような取り組みが進められていますか。

上原さまざまなユニークな取り組みが始まっています。日本では、豪雪地帯に降り積もった雪を利用して冷却する「ホワイトデータセンター」の開発が、北海道美唄市を舞台に産官学連携で進められています。また欧州・アイルランドでは、複数の米国巨大IT関連企業が同国の寒冷な気候に注目し、巨大データセンターを次々に構築しています。さらにデータセンターの設備を海底に沈めて冷却する実験も始まっています。テクノロジーの進化によって消費電力が増えたのであれば、さらに新しいテクノロジーで対応していくという動きが出ているわけです。

図:データセンター製品における環境課題
図:データセンター製品における環境課題

地球にやさしい技術の研究開発に取り組む
デル・テクノロジーズ

榎戸 デル・テクノロジーズは地球にやさしい最先端テクノロジーの研究開発に取り組み、それを何年も前から提供していますが、ここで改めてサステナビリティーに対する考え方、目標についてご紹介いただけますか。

上原デル・テクノロジーズでは、30年を目標に社会課題を解決していく「ムーンショットゴール」という目標を設定しました。サステナビリティー推進の観点からは、30年までにお客様が購入するすべての製品について、同等の製品を再利用またはリサイクルするとともに、製品内容の半分以上をリサイクルまたは再利用可能な材料から作り、梱包材の100%をリサイクル素材または再生可能な素材にするという目標を掲げています。

 さらにその先の50年までに、二酸化炭素排出の「ネットゼロ」を目指してます。これはかなり高い目標ではありますが、これが達成できれば「デル・テクノロジーズの製品は、二酸化炭素を一切排出しない」というゴールに達します。そうしたサステナブルな世界を目指し、取り組みを進めているところです。

榎戸目標達成に向けた取り組みの進捗状況はいかがですか。

上原デル・テクノロジーズは、11年の時点で「2020年までにエネルギー強度を80%削減する」という目標を立てました。エネルギー強度とは、その製品が機能の提供に要した、消費電力の比率のことです。簡単に説明すると、同じ処理能力で消費電力が半分になれば、エネルギー強度は50%削減されることになります。

 このエネルギー強度は、PCやサーバー、ストレージなどのハードウェア製品それぞれで計測していますが、実は19年の時点でほぼ目標を達成しています。私が担当するサーバー製品の場合、20年で82%削減を達成しました。これを達成するためには、ハードウェア製品の素材・部品・製造プロセスだけでなく、消費電力を制御するソフトウェアも必要です。早いタイミングからこのような先進的な取り組みを進めてきたからこそ、さらにその先の難しい目標を設定できるのだと考えています。

写真:対談風景

サステナブルな設計思想を取り入れた
最新サーバー製品

榎戸デル・テクノロジーズでは21年に新しいデータセンター向けサーバー製品の提供を開始したと伺っています。このサーバー製品は、どのような思想に基づいて設計されたのでしょうか。

上原今回、新たに開発した「PowerEdgeサーバー」は、「アダプティブコンピュート」「自律型コンピュートインフラ」「プロアクティブレジリアンス」という3つの設計思想の基に開発されています。

 そのうち、アダプティブコンピュートは、さまざまなニーズに対する適材適所のサーバーを提供するというものです。例えば、AI/機械学習用途のサーバーを手元で使いたいお客様、クラウドサービスを提供したい事業者のお客様といった個別の用途に対し、きめ細かい種類のサーバー製品を提供するという設計思想です。例示したAI/機械学習の場合、膨大な量のデータを学習して分析し、そこから新たな知見を導き出してビジネスにつなげていくわけですが、データ処理を高速に処理できる半導体チップであるGPUを複数搭載可能な、(AI/機械学習用途に)最適な製品を用意しています。

 サーバー製品に豊富なラインアップを用意することがデル・テクノロジーズの設計思想にあるわけですが、当然のことながら製品の研究開発には大きな負荷がかかります。しかし、デル・テクノロジーズのPowerEdgeサーバーは、世界で最も多くのお客様に選ばれているサーバー製品のブランド(*)なので、そのスケールメリットから多種多様な製品開発に関わる研究開発費用を捻出できます。他社はむしろ製品ラインアップを絞り込む傾向にあるのに対して、デル・テクノロジーズは逆に製品ラインアップを拡充することで差別化を図っています。

(*)世界x86サーバー出荷台数1位。出典: IDC Quarterly Server Tracker, 2021Q3 Share by Company, Product Category:x86

榎戸 このサーバー製品にはどのような独自のイノベーションが組み込まれているのでしょうか。特長的な技術や機能をご紹介ください。

上原 前述したGPUを含め、最新技術を取り入れたサーバーには熱を発生させるパーツを多数搭載せざるを得ません。そのため、データセンター向けのサーバー製品の大きな課題は熱対策です。当社のサーバー製品には多くのイノベーションがあるのですが、他社製品との大きな差別化ポイントとしては、「マルチベクタークーリング」が挙げられます。当社サーバーの設計部隊の熱対策だけを専門的に研究するサーマル エンジニア チームが、システムボードのレイアウトの改善、片方に寄っていたパワーサプライを左右均等に分けることで、「バランスの取れたエアフロー」を実現しました。効率的にサーバーを冷却できるため、最適な熱制御が可能になりました。

榎戸サステナビリティーという観点では、新製品は企業にどのように貢献しますか。

上原まず挙げたいのが「インターナルカーボンプライシング(ICP)」における価値です。ICPとは、二酸化炭素排出を伴う設備投資計画において、企業が独自に排出量に価格を設定し、投資判断の一つとして活用することです。例えば、いくら安価な製品であっても、製造や搬送の際に二酸化炭素排出量が大きければ、ICPを含めたトータル価格は逆転してしまいます。

図:インターナルカーボンプライシング(ICP)の考え方
図:インターナルカーボンプライシング(ICP)の考え方

 今後は多くの日本企業がICPを取り入れることが予想されますが、企業サイドでICPを適切に算出できるように、製品を提供するメーカーが製品にカーボンフットプリントなどの表示が求められるようになると考えています。デル・テクノロジーズではいち早くそうした動きに対応し、お客様が推進するサステナビリティーの取り組みに貢献していきます。

 私自身は、これからの企業には単に経済的な利潤を追求するだけでなく、社会的責任を果たしていくことが求められており、そうした倫理的な取り組みを進める企業だけが生き残れると考えています。

榎戸サステナビリティーの取り組みが求められるこれからの時代、企業は長年にわたって蓄積してきた情報資産をより良い社会の実現につなげていくことが重要になります。そうした情報資産を扱うサーバー製品を選ぶ際には、やはり未来を考えるメーカーに託したいと考えるのではないでしょうか。

 これからも時代の一歩先ゆくデル・テクノロジーズの取り組みには注目していきたいと思います。本日はありがとうございました。

図:環境に配慮したデル・テクノロジーズのPowerEdgeサーバー
図:環境に配慮したデル・テクノロジーズのPowerEdgeサーバー

写真:地球にやさしい Dell EMC PowerEdgeサーバー

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