提供:富士通

「つくったあとも変え続けていくことが重要。この部分に責任を持ちたい」富士通、チェンジエージェントとして日本企業の変革を引き起こす

富士通 執行役員常務
大西俊介
対談
経済キャスター
江連裕子

多くの日本企業はDX(デジタルトランスフォーメーション)の動きを加速している。しかし、思うように進まないといった声も少なくない。日本企業が抱えるDXの課題とは何か、またその課題を解決する糸口はどこにあるのか。日本企業のDX推進を支援する専門組織であるDXBC(DX Business Consultant)を立ち上げ、「ビジネス変革を共に行うパートナー」になることを掲げた富士通で同部隊を率いる富士通 執行役員常務の大西俊介氏に、経済キャスターの江連裕子氏が話を聞いた。

「サステナビリティーの先に何を描くのか」が重要に

富士通株式会社、執行役員常務 グローバルソリューション部門副部門長兼エンタープライズソリューションビジネスグループ長、大西俊介氏
富士通株式会社
執行役員常務 グローバルソリューション部門副部門長
兼エンタープライズソリューションビジネスグループ長
大西俊介

今のDXの課題はどんなところにあるとお考えでしょうか。

本質的な部分を見ていない取り組みが多いことを懸念しています。“サステナビリティー(持続可能性)”は大切なキーワードですが、その先にどういう世界を描いているのかが重要です。人が人らしく生きることができる、豊かな世界を実現するためのものでなくてはなりません。

私たちはこの2年の間、閉塞感のある生活を送ってきました。リモートで仕事はできますが、それだけでは楽しくありません。人が本来持っているエネルギーが発揮されず、全体の熱量が足りない日々が続いていたからです。

デジタルだけ、アナログだけという切り分けではなく、両方を活用して豊かさを追求していくことが大切です。リアルタイムのデータ提供などにデジタルを駆使することによって大規模なスポーツ大会が盛り上がったように、適度に両方を使いこなすことが必要です。今はそれを見極めるためのトライ&エラーの時期ではないでしょうか。

経済キャスター、江連裕子氏
経済キャスター
江連裕子

環境問題についても同じことが言えそうですね。

今大事なのは自分たちのふるまいがCO2の排出にどう関係しているかを可視化することです。この出発点があって初めて分析もできますし、CO2削減のための対策を講じることができます。

製造業であれば、製品をつくる過程だけでなく、原材料を得る過程やサプライチェーン全体でもCO2が発生します。2次的に発生する部分を含めて現状を把握し、可視化することから適切な対応が可能になります。そのためにデジタルの活用は不可欠です。

いつ、どこで、どうCO2が発生しているのかがわかれば打ち手はいろいろとあります。最終的な提供形態を変えることによって消費者行動を変え、CO2の発生を抑制するといった方法も考えられます。

DXBCとは、言わば日本企業に合った“和食創作料理”を提供すること

そういう課題解決の方法を考えていくのが富士通のDXビジネスコンサルタント、略称「DXBC」の役割なのでしょうか。富士通ならではの特徴について教えてください。

DXBCはDXを得意分野としたコンサルタントで、提供するのはコンサルティングサービスです。決めつけたコンサルティングではなく、現場感覚のあるアウトプットを大切にしています。

コンサルティングサービスは料理のようなものです。豪華な料理が好きな人もいれば、家庭的な料理が好きな人もいます。料理の好みは千差万別で、何をおいしいと感じるかは個人次第です。

ただ、日本人の多くは洋食よりも和食が好きな人が多いはずです。私たちDXBCが目指しているのは和食の創作料理です。テクノロジーという出汁(だし)を生かしながら、日本の大手企業の琴線に触れるような感性を持ったコンサルティングサービスを提供していきます。

大西氏(左)が江連氏(右)に向かって手のジェスチャーを交えて話している

コンサルタントはどのような役割を担っているとお考えでしょうか。

99%黒子であり、求められているのは「変化を引き起こす」ことです。メッセージや仕組みをつくることで現状を変えていく“チェンジエージェント”としての役割が期待されています。

コンサルタントには必ずスポンサーがいます。スポンサーと一緒にアウトプットをつくり、その企業のトップを動かしたり、スポンサーが動きやすい座組みをつくり上げたり、何かを変えるために動くのがコンサルタントです。

DXBCは変わろうとしている当社にとってもコンサルタントの役割を担っています。私のようなコンサルタントが外部から入ってきて、かき混ぜて化学反応を誘発して体質改善を進め、当社の持つポテンシャルを最大化しようとしています。

心地よいバランスにテクノロジーを加える

富士通の持つ強みと課題はどんなところにあるとお考えでしょうか。

日本が誇るスーパーコンピュータ「富岳(ふがく)」をつくってきたように、独自のテクノロジーを生み出すことへのこだわりと、日本の製造業として長年培われてきて適度な現場感覚があり、日本企業の情報システムを支えてきたことで蓄積されてきた知性と感性を持っていることは大きな強みといえます。

大西氏(左)と江連氏(右)が目を合わせながら対談をしている

課題はワイルドさに欠けていることでしょうか(笑)。それが「良さ」かもしれませんが、変化の激しい時代を生き抜く“したたかさ”も持ってほしいと思っています。

IT企業では、ITシステムを設計してその通りに開発する、大規模プロジェクトを完遂する仕組みを用いてマネジメントを行う、など、「左脳」を働かせて仕事をすることが求められてきました。しかし、それだけでは通用しない時代になっています。今はデザインシンキングやアジャイルなど右脳を使ったクリエーティブでスピーディーな対応が求められます。こうした部分を強化することにより、もっと力を発揮できるようになるでしょう。

DXBCの持つ強みはどんなところに生かされてきたのでしょうか。実績などご紹介ください。

大西氏(右)が江連氏(左)に向かって話しかけている
「2025年の崖は見方を変えれば大きなチャンス。過去の遺産の先に何を見るのか、そこにDXの要諦があります。私たちと一緒に考えていきましょう」

最初に手掛けたDXは自動車業界のお客様です。業界としての規模が大きく、CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリングサービス、電動化)や環境問題、バッテリーリサイクルなどテーマは様々です。その自動車業界自体が変わろうとしているときから一緒にDXに取り組ませていただいています。

次に手掛けたのは製薬業界のお客様です。予防医療、ヘルスケアなどテクノロジーの力が役立つテーマが多く、データを連携させることで今まで見えてこなかった新たな仕組みを生み出すことができています。

DXBCが持つ具体性に偏りすぎないほどよいアウトプットと、テクノロジーに裏付けられた実行力によって業界に関係なく変化に貢献できるという確信が得られました。

先延ばしはやめて一緒に走りましょう

今後はどのような展開をお考えでしょうか。

4月にカスタマーサクセスを専門とする組織を新設します。DXをやって終わりではなく、お客様とともに継続的な変化に取り組んでいく組織です。「ゆりかごから墓場まで」ではありませんが、チェンジエージェントとしてのパートナーシップを発揮し続けていきます。

これまでのシステムは一度に大規模な開発をし、あとは保守運用のフェーズに入るのが当たり前でしたが、サブスクリプションの世界ではつくったあとも変え続けていくことが重要になります。この部分にも責任を持っていきたいと考えています。

読者にメッセージをお願いします。

江連氏(右)が大西氏(左)の話を聞いている

日本には“失われた20年”といわれる時期がありましたが、今でも地盤沈下が進んでいます。このままでは日本は沈没するかもしれません。私たちは日本を立て直して次の世代にバトンタッチしていく義務があります。そのために当社では昨年10月に「Fujitsu Uvance」という新事業ブランドを立ち上げ、変化に適応できるサスティナブルな世界をつくろうと決意しました。

サスティナブルな世界をつくるには、変革の先延ばしをやめることが必要です。PoC(Proof of Concept)は実証実験でしかありません。求められているのは、まず実践してみて、失敗したらそれから考えるというスタンスです。2025年の崖は大きなチャンスです。過去の遺産の先に何を見るのか、そこにDXの要諦があります。私たちと一緒に考えていきましょう。

大西氏(左)と江連氏(右)
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