vol.1

変革する学研グループ
リカレント・リスキリング事業に 取り組む理由

vol.2

学研ならではの「オンライン学習サービス」
その中身とは?

提供:Gakken LEAP/学研ホールディングス

人の可能性をどこまでも追求する会社へ

変革する学研グループ
リカレントリスキリング事業
取り組む理由

学研ホールディングス 取締役
Gakken LEAP 代表取締役CEO

細谷 仁詩

写真:細谷 仁詩 氏

教育・出版事業、医療・福祉事業を幅広く手がける学研グループ。同グループの持株会社である学研ホールディングスは2024年度から25年度までの2カ年を対象とする中期経営計画「Gakken2025 SHIFT」(以下、「Gakken2025」)を策定し、グループ全体が目指す事業ポートフォリオの方向性と新たな重点領域を表明した。なかでも注目されるのが、今日のデジタル時代に対応するリカレント・リスキリング事業の強化に向けた取り組みである。学研グループは従来の子ども向け教育事業に加え、大人領域の育成事業にも積極的に取り組む姿勢を示した。学研グループは社会の変化をどう受け止め、どのように変わろうとしているのか。また、リカレント・リスキリング事業で中核的な役割を担うGakken LEAPとはいかなる使命を帯びた企業なのか。学研グループの優位性や先駆性を明らかにするべく、学研ホールディングス取締役兼Gakken LEAP代表取締役CEOで「Gakken 2025」の策定プロジェクトリーダーも務めた細谷仁詩氏に聞いた。

大人になったときに必要なスキルを再定義

写真:細谷氏

学研ホールディングス 取締役
Gakken LEAP 代表取締役CEO

細谷 仁詩

―― 学研グループの事業内容やこれまでの歩みについて紹介ください。

細谷 学研グループは1946年、学習研究社として創業しました。多くの方々には「学習」と「科学」という教育雑誌でおなじみだと思います。当初は教育出版を中心に事業を展開し、90年度には1726億円を超える売り上げを達成しました。しかし、そこから出版業界全体の衰退に伴って19期連続の減収が続き、2008年度には779億円まで売り上げを落としました。そうしたなか、学習研究社を持株会社制に移行し「学研ホールディングス」へ社名変更するとともに、事業会社を分割設立する組織再編を実施。この10年は教育と医療・福祉・介護を中核とする事業改革を断行、売り上げのV字回復を果たしました。

業績を回復できたのは、少子高齢化時代における社会のニーズを的確に捉え続けることができたからだと考えています。例えば学研グループが立ち上げた高齢者住宅事業は富裕層以外の高齢者でも入居しやすい施設を提供するなど、過去の常識を覆す事業モデルへの転換を行いました。一方の教育事業についても、既存の幼児・小中学生向け学習教室「学研教室」に加え、積極的なM&A(合併・買収)戦略により地方の学習・進学塾、出版社などを次々と傘下に収め、小中学生向け学習塾市場では国内最大クラスの売り上げ規模を誇るまでに成長を遂げています。

―― いまの日本における社会の課題、社会からの要請をどのように見ていますか。

細谷 教育分野に焦点を当てると、日本の公教育ではこれまで「認知能力」、つまり学力の向上に特化した教育が行われてきました。しかし、創造性やコミュニケーション力といった「非認知能力」も重視されるようになったいま、「人格・スキル形成がなされる子どもの時期に何を学ぶべきなのか」を改めて定義し直すことが求められています。

ただし、それを定義するには大人になってから必要とされる知識・スキルをまず定義しなければなりません。また大人世代の人たちが、自分の経験にもとづいた価値観を押しつけることもやめなければいけません。「大人になったときに必要な知識・スキルを身につけた子どもを育てるにはどうしたらよいか」「将来の希望・夢の実現に向け、チャンスのある子どもたちにどれだけの基礎を教えられるか」といった考えに至っていないところに、日本の社会課題があり、それを解決したいという社会からの要請があると感じています。

新たにリカレント・リスキリング事業へ進出

―― 学研グループは24年度から25年度までの2カ年を対象とする中期経営計画「Gakken2025」を策定しました。従前の「Gakken2023」の進捗・達成状況を振り返っていただくとともに、新たな中期経営計画で策定した内容を教えてください。

細谷 20年11月に発表した3カ年の中期経営計画「Gakken2023」を策定した時期は、ちょうど新型コロナウイルスの渦中にありました。教育現場でも対面による指導が難しくなるなか、教育を止めないための手段としてデジタル化を推進することが急務でした。学研グループでも教育におけるデジタル化の推進という大号令をかけ、「Gakken2023」にもその旨を明記しました。もう1つ、「Gakken2023」で掲げたのがグローバル化の推進です。デジタル化とグローバル化の両方に取り組むことにより、デジタルコンテンツを海外に広く輸出できるという思惑もありました。デジタル事業本部とグローバル戦略室といった組織を立ち上げるなどの体制づくりも進め、いくつかの事業では成果も得られました。

ところが2年目・3年目になると、外部環境が急変しました。コロナ禍が落ち着いた途端に子どもたちがリアルに戻って出版物が売れなくなり、インフレにより家計のなかから教育費が圧縮されるという憂き目に遭ったのです。家計における実質教育出費は前年比約12%下落しました。このような外部環境の変化に対応しきれなかったところに、前中期経営計画の反省点があります。

この反省を踏まえて、新たな中期経営計画「Gakken2025」ではデジタル化とグローバル化の推進という方向性は変えず、それをさらに加速させることを一番のテーマに掲げました。そしてもう1つ、新たに注力する領域として掲げたのがリカレント・リスキリング事業です。

写真:細谷氏

―― なぜ学研グループはリカレント・リスキリング領域にフォーカスするのでしょうか。

細谷 学研グループのように子ども向けの教育から高齢者向けの医療・福祉・介護まで幅広く事業展開する企業は、世界的に見ても希少です。学研グループには「教育や医療・福祉・介護の質を底上げしたい」という価値観とアイデンティティーがあり、それを重視したサービス運営を心がけています。しかし、大人向けの人材育成・教育といった領域については出版事業を通じた接点しかありませんでした。子ども時代に学研グループの教育出版物や学習塾で学び、大人になっても学研グループのプロダクトやサービスを利用し、さらには高齢者となったら介護施設に入居いただくというライフサイクル全般に関わりを持ち続けるためにも、大人向け領域の事業を強化する必要がありました。

そこで注目したのが、リカレント・リスキリング事業です。学研グループにはもともと出版社がベースという強みがあります。現在も教育出版物だけで年間1000点以上の新刊本を出しています。このなかには、いかにして何を学び直すのかといった内容のコンテンツが数多くあります。こうしたコンテンツを広く提供できる、学研グループならではのメリットを生かすためにも、リカレント・リスキリング領域にフォーカスしました。

また、学研グループが進めてきたデジタル化の取り組みと融合しやすいことも、リカレント・リスキリング事業を展開する理由の1つです。一般向けと企業向けの両方に一貫して対応できるシステムや体制を整えています。こうした素地がある学研グループはオンリーワンの存在であり、だからこそ世の中にはない先駆的なサービスを提供できると考えています。

イメージ「Gakken2025」
学研グループが策定した中期経営計画「Gakken2025 SHIFT」の全体像

Gakken LEAPと新サービス「Shikaku Pass」

―― デジタル領域やリカレント・リスキリング事業を担うグループ会社として、Gakken LEAPがあります。設立に至った背景や役割を教えてください。

細谷 私は21年4月に学研グループへ参画しましたが、最初のミッションは教育事業を再編することでした。学研ホールディングスを設立した際に分割した教育・出版関連会社のあり方を改めて見直すという仕事に取り組みました。そのなかで、前中期経営計画で掲げたデジタル化やグローバル化はどう推進するのかという話になりました。社内を見渡しても、デジタルがわかり、実行をリードできる人材は不足していました。事業部門がやりたいことを体現する組織もありません。そこで、デジタル化とグローバル化の両方に対応できる組織をつくる必要がある、と私が中心となって設立したのがGakken LEAPという会社です。

―― Gakken LEAPは23年6月に「Shikaku Pass」をリリースしました。これはどのようなサービスなのでしょうか。

細谷 Shikaku Passはまさに大人向けのリカレント・リスキリング事業を具現化したサービスです。動画によるプロ講師の丁寧なレクチャーと頻出問題が厳選された過去問演習を、スマートフォンを使ってオンラインで学べる新しい学習サービスとして登場しました。現在は「ファイナンシャル・プランナー3級」「基本情報技術者」「ITパスポート」の3つの講座を開設しています。24年4月までには「TOEIC」にも対応させる予定で、今後は「デジタル(IT)」「金融」「英語(語学)」「専門知識」の4つをカバーするコンテンツを拡充していきます。

イメージ 「Shikaku Pass」
オンライン資格学習サービス「Shikaku Pass」の学習画面

30年の目標達成に向けた学研グループの挑戦

―― 学研グループは今後、どのように発展していくのでしょうか。

細谷 学研グループは変化と成長の途上にある会社です。例えば5年前と比べても、売上構成比が大きく変わっています。M&Aを通じて国内外の事業会社がグループ傘下に加わり、その規模をどんどん拡大させています。そのなかで私たち経営陣は、20年に掲げた「2030年までにグローバルの売上比率を30%にする」「従来の教育領域ではないビジネスを40%にする」という目標の達成に向けた経営戦略を遂行しています。

リカレント・リスキリング事業については、Shikaku Passを拡充していくとともに、他のグループ会社との連携、例えば看護師向けeラーニングサービス「学研ナーシングサポート」を提供する学研メディカルサポートや社員研修サービス「TOASU」を提供するTOASUとも協力しながら、事業全体を拡大していこうと考えています。一方で、積極的な人材採用も進めていきます。とりわけデジタル化やグローバル化を推進できる人材を中心に広く門戸を開いています。こうした人材を仲間に加えながら、子どもから大人、高齢者まで、すべての世代に向けた多種多様な事業を展開したいと考えています。

――本日はありがとうございました。

イメージ「Shikaku Pass」

Shikaku PassはスマートフォンやPCで手軽に行うことができる資格学習のオンラインサービスです。


動画によるプロ講師の丁寧なレクチャーと、頻出問題を厳選した問題演習を、効率良くオンライン完結で手軽に行うことができます。プロ講師による解説動画は、1本5分程度の短い動画が多数あり、問題演習も1問から解けるので、隙間時間でもサクサク学習が進む、これまでにないサービスです。


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