提供:株式会社グロービス

「グロービス学び放題」で、成長戦略の実現に向けた「人財育成」 全社員の自律的な学びを支援する中外製薬

中外製薬株式会社
執行役員 人事部長
矢野 嘉行氏

中外製薬株式会社
人事部 人財育成グループ
宮川 倫香氏

中外製薬株式会社
人事部 人財育成グループ
北川 剛之氏

企業の経営戦略を実現するために、社員の能力を高めて成長させる「人財育成」は、企業の人事部門に課された重要なミッションの一つだ。だが、社会人としての一般常識から専門性の高い業務知見まで、社員が学ぶべきあらゆる教養・知識に関するカリキュラムを十分に用意するのは容易なことではない。このような人事部門の課題を解決するために、大手医薬品メーカーの中外製薬が採用したのが、ビジネスナレッジの定額制動画学習サービス「グロービス学び放題」だった。同社はなぜこのサービスを利用することにしたのだろうか。同社 執行役員 人事部長の矢野嘉行氏、および人事部 人財育成グループの担当者に話を聞いた。

成長戦略の実現に向け、改めて人財育成の仕組みづくりに着手

 中外製薬は、創業者・上野十蔵氏が関東大震災後の深刻な医薬品不足を解消するために1925年に創業した「中外新薬商会」に端を発する国内大手医薬品メーカーだ。1960年代には、大衆薬の開発・製造から医療用医薬品を中心とした事業へと経営を大きくシフト。以降、がん・免疫領域を中心とした新薬の研究開発、バイオテクノロジーを活用した創薬に注力してきた。2002年に世界有数の製薬企業であるスイスのロシュ社との戦略的アライアンスを開始し、ロシュ・グループの一員になったものの、現在も独立経営を貫き通している。

 そんな中外製薬は2021年2月、2030年に向けた新たな成長戦略「TOP I(トップアイ)2030」を策定した。

写真:矢野 嘉行氏

矢野 嘉行

中外製薬株式会社
執行役員 人事部長

 「TOP I 2030は、“ヘルスケア産業のトップイノベーター”を2030年に到達すべき姿として掲げ、その実現のために何をすべきか、バックキャストして描いた成長戦略です。革新的な創薬を事業のコアに据えながら世界のヘルスケア産業におけるトップイノベーター像の実現を目指しています。具体的には“世界の患者さんが期待する”“世界の人財とプレーヤーを惹きつける”“世界のロールモデル”企業になるために、『世界最高水準の創薬実現』と『先進的事業モデルの構築』を戦略の2本柱に掲げチャレンジングな目標に向けた取り組みを進めています」(執行役員 人事部長 矢野嘉行氏)

 この成長戦略を推進するうえでカギとなるのが「人財」だと矢野氏は話す。同社は人材を「人財」と表記しているが、これは創業当初からの「人は企業を成長・発展させるかけがえのない財産」だという考え方に基づくものだ。

 「イノベーションを起こすのはまさに“人”です。当社はこれまでも“人”にフォーカスした人事戦略を展開しており、20年には役割・成果主義を軸としたジョブ型の人事制度を新たに取り入れました。また、国内外全社員を人事データベースに登録してキャリアを可視化したり、スキル・コンピテンシーと目指すキャリア・ポジションとのギャップを明確化したりするシステムも構築しました」(矢野氏)

 このような流れの中で次の取り組みとして着手したのが、人財育成のための仕組みをつくることだった。

 「TOP I 2030を実現するためには、今まで以上に人が自律的に成長するための人財育成戦略を推進することが重要になります。そのために取り組んだのが、ラーニングプラットフォームを整備することでした」(矢野氏)

全社員に「グロービス学び放題」の12ヶ月プランを3年間提供

 矢野氏によると、中外製薬では従来から人財育成に力を入れており、これまでは数多くの研修プログラムを提供することで社員の成長を支援してきた。

 「しかし今の時代、会社が準備したタイミングで研修プログラムを受講しなければならないというのでは、どうしても与えられるもの、強制されるものという意識が社員の間に生まれてきます。また、社員が目指すキャリア・ポジションを上長がきちんと把握し、コミュニケーションを図りながらマネジメントしていく部分も十分ではありませんでした。さらに、コロナ禍によってテレワークが常態化するなど、働き方も大きく変わっています。これらの問題を解決するためにも、社員一人ひとりが自分自身でキャリアの目指す姿を描き、その実現のためにどういったスキル・コンピテンシーが必要なのか、ギャップを埋めるためにはどのような知識を学び、経験を積めばよいのかが分かる仕組みを作る必要がありました」(矢野氏)

 こうしてラーニングプラットフォームの導入に動き出した中外製薬が採用したのが、ビジネスナレッジの定額制動画学習サービス「グロービス学び放題」だった。

写真:北川 剛之氏

北川 剛之

中外製薬株式会社
人事部 人財育成グループ

 「グロービス学び放題については、これまでも社員の自己啓発(トライアル)や階層別研修に部分的に活用していました。グロービス学び放題では、基礎から応用までレベルに応じて体系的に学べる動画コンテンツが豊富に用意されおり、当社が主眼に置いているスキル・コンピテンシーに関連するコンテンツはもちろん、最新トレンドやテクノロジーなどの分野を幅広くカバーしています。内容も非常に分かりやすく、受講者にとって学びやすいという印象を持っていました」(人事部 人財育成グループ 北川剛之氏)

 ちなみにこれまでは、自己啓発(トライアル)で300名程度、階層別研修で毎年100名程度(合計300名程度)がグロービス学び放題を利用していた。

 「TOP I 2030に向け、社員一人ひとりが自律的に学び、成長していけるという企業風土をつくり上げ、社員が自らを磨き上げていく場を用意することが、私たち人事部門の使命です。その全社的な改革のため、部分的な活用ではなく、全社員に向けて導入するという判断に至りました。また、人財教育は長期的に考えていくべきもの。そういった意味でも時間をかけて経過を見守れるように、12ヶ月プランを3年間継続活用する前提で採用しました」(北川氏)

2,400社以上の企業、有効会員数18万人という導入実績

自律的な学びを支援する「グロービス学び放題」

画像:グロービス学び放題

図:9つのカテゴリー

 「グロービス経営大学院(MBA)」など人材育成・組織開発を手掛けるグロービスが、MBAで培ったノウハウを生かした独自のカリキュラムで構成する定額制の動画学習サービス。スマートフォンやPCから、いつでも、好きなだけ学習できる。

 コンテンツの質・量には定評があり、経営の基礎知識から最新のビジネストレンドまで、ビジネスに役立つ9カテゴリー、500コース、3,800本の動画コンテンツを用意。ビジネスナレッジを体系的に学ぶことに加え、常に新しいコンテンツが公開され、最新のトレンドや著名人の知見を知ることもできる。

 受講者の学習履歴の可視化、リマインドメール送信など管理機能のほか、導入支援、導入後サポートなども充実している。

グロービス学び放題についてはこちらから

利用を促進する工夫や人財管理プラットフォームとの連携などユニークな使い方も

 グロービス学び放題を全社導入した中外製薬では、社員に対して「主体性」「Future Skilling(学びの方向性)」「相互研鑽」の3つをキーワードに掲げて利用を促している。

 「社員一人ひとりがこの3つのキーワードに基づいて自らの目指す姿を描き、それを踏まえて自身に何が不足しているのかを把握し、その不足する部分を補うために自分から学ぶサイクルを回していく手段として、グロービス学び放題の活用を勧めています。また、自分一人で活用するのではなく、上司や同僚と相談して助言を受けながら、学んだ知識を仕事の実践に生かすという経験学習のサイクルを回すことも期待しています」(北川氏)

 同社人事部では、グロービス学び放題の利用を促進するための工夫も行っている。

写真:宮川 倫香氏

宮川 倫香

中外製薬株式会社
人事部 人財育成グループ

 「現在、グロービス学び放題はあくまでも自己啓発として業務時間外に利用されていますが、多く利用されているのはやはり、コンピテンシーを強化するコンテンツです。人事部では社員一人ひとりが中外製薬グループ共通コンピテンシーを強化していくにあたり、より具体的に目標の設定やコンテンツの学習ができるように、7つのコンピテンシーから14種類のコアスキルを抽出・定義、グロービス学び放題のコンテンツと紐づけしました。また、マネージャー向け、ミドル・シニア向け、若手向けのお勧めコンテンツとしてピックアップするといった工夫をしながら運用しています」(人事部 人財育成グループ 宮川倫香氏)

 グロービス学び放題を全社導入したのは21年5月のこと。運用を開始してから間もないが、社員からは多くのコメントが寄せられている。

 「最も多いのは、ビジネススキルの基礎を一通り学べたという意見です。使い勝手については、アニメーションや動画を使って丁寧に説明されているところがわかりやすく、学びやすいという声が多く寄せられています」(宮川氏)

 さらに中外製薬ならではのユニークな使い方と言えるのが、クラウド人材管理プラットフォーム「コーナーストーン」との連携だ。

 「当社ではグロービス学び放題をはじめ、部門ごとにさまざまな学びの仕組みを利用していますが、そうした学びの情報を集約して相互に学び合える環境の構築を目指してコーナーストーンとの連携にも取り組んでいます。これにより学びの質がさらに充実できるだけでなく、コンテンツの体系化がさらに進んで効率よく学べるようになります。最終的には、自分のスキル・コンピテンシーで何か困り事があったとき、コーナーストーン上でクリックするだけで必要な情報を取得し学べるという仕組みを目指しています」(宮川氏)

 中外製薬では今後、グロービス学び放題を国内外のグループ会社にも横展開していく予定にしている。また、グロービス学び放題にはない中外製薬独自の専門的なコンテンツを追加して社員の学びに活用していく計画もあるという。社員一人ひとりが自律的に学ぶという企業風土を醸成する手段として、グロービス学び放題はこれからも中外製薬の「人財育成」に貢献していくことだろう。

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