痛みを伴う帯状の皮疹
疲労やストレスが引き金
水野 恭一先生
横浜市医師会 会長/水野クリニック 院長
1976年日本医科大学卒。81年港北区(現・都筑区)に内科・小児科の水野クリニック開設。介護老人保健施設や高齢者グループホーム、病児保育室も運営。2017年6月に横浜市医師会会長就任。
渡辺高齢の母と義母が、この数年で帯状疱疹を経験しました。痛みに苦しむ姿を見ていますので、帯状疱疹は私にとっても身近な病気です。どのような病気なのか、教えていただけますか。
水野帯状疱疹は、子供の頃に感染した水ぼうそうと同じウイルスである水痘(水とう)・帯状疱疹ウイルスが、体の中で再活性化することで発症する皮膚の病気です。特に50歳以降は加齢により免疫力が低下するため、帯状疱疹の発症率が高くなります。
渡辺具体的にどんな症状があるのでしょうか。
水野顔や体幹部の神経は左右に分かれていますから、症状として多いのは、胸やお腹や背中などの体幹部の片側にできる痛みを伴う帯状の皮疹です。しばしば灼熱(しゃくねつ)感、発赤、または刺すような痛みを伴うこともあります。顔や頭部に発症する場合は、三叉(さんさ)神経領域に沿って発症し、それが目の周辺だと視力低下、耳の中だと難聴やめまい、耳鳴りの原因になったり、顔だと顔面神経麻痺(まひ)等の合併症を引き起こすこともあります。また、皮膚症状が治った後も、帯状疱疹後神経痛(PHN)とよばれる痛みが数か月続く場合もあります。その痛みは人それぞれですが、「電気が走るような痛み」「焼けるような痛み」などと表現され、日常生活に影響を及ぼします。