番組概要

「『何の会社？』というモヤモヤを腹落ちさせるパーパス」

紹介企業：MIXI

日本発のSNSとして一世を風靡したMIXIが現在、全く別の事業で成功を収めている。その1つが、2013年にリリースした「モンスターストライク」をはじめとするゲーム事業だ。さらに、サッカーJ1のFC東京を子会社化。物販やイベントなどをトータルで手掛け、収益を上げている。一方で、浮上したのが「何の会社かわからない」という外部からの声だった。これを解決するべく、MIXIは22年にパーパスを設定。それが「豊かなコミュニケーションを広げ、世界を幸せな驚きで包む。」というものだ。社長の木村弘毅さんは「我々が手掛けている事業は全て『コミュニケーション』」と語り、FC東京の試合前には、花火を打ち上げチームと観客の一体感を生み出したりモンスターストライクのリアルイベントを開催したりしてファンとの距離を縮めるなど、「コミュニケーション」を軸とした試みに力を入れている。パーパスの存在意義について木村社長は「パーパスを暗記してほしいというのはなくて暗記しろと言われた途端に嫌いになっちゃう。いかに自然に身の回りにある状態にするかが重要」と語る。

「多角化する会社に一体感をもたらすパーパス＆フィロソフィー」

紹介企業：ユーグレナ

藻類の一種であるユーグレナの豊富な栄養分に着目し、サプリメントなどの食品や化粧品などを手掛けるバイオベンチャー企業のユーグレナ。最近、フィロソフィーとその上位概念であるパーパスを設定し、話題になっている。フィロソフィーが「サステナビリティ・ファースト」で、パーパスが「人と地球を健康にする」。社員はこれらの言葉を旗印に、食品や化粧品以外の新規事業に次々とチャレンジしている。例えば、ユーグレナ粉末を肥料の原料にする事業。海外への依存度が高い肥料原料を国産に替えていくことで、輸送にかかる燃料の使用を減らし二酸化炭素（CO2）削減につなげたいという思いから生まれたという。さらに、使用済みの食用油をバイオ燃料にリサイクルする事業にも、温暖化ガスを削減し環境改善につなげようという狙いが。社員は「なんとなく社会のためにやっているという認識はそれまでもあったが、その言葉（サステナビリティ・ファースト）ができたことで、そういう会社なんだという一体感が生まれた」と言葉の力を実感している。