スマートフォンの普及がもたらす 株主との対話機会の充実

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Page2 「お客さま株主」を増やすことが 経営の安定化をもたらす

――そこまで個人投資家を重視する理由は何でしょうか。

■佐々木 イオンでは個人投資家の方々を「お客さま株主」と位置付けています。ただ単に株式を購入して配当やキャピタルゲインを得るというのではなく、買い物を通じて会社を支援していただける株主を増やしていきたいのです。すでに買い物でイオンを利用していただいているお客さまに株主になっていただければ、経営の側面からも当社を見ていただくことができます。イオンの顧客でありながら、経営にも参画していただけるのがお客さま株主なのです。

■伊藤 お客さま株主というのは、とてもいい表現だと思います。株主になれば当然、投資先の企業で買い物をしようという心理が働きますから、お客さま株主が増えれば増えるほど、売り上げが上がり、経営も安定するという良い循環が生まれます。

■佐々木 こうした取り組みの効果もあり、02年には約1万人だった株主の数は現在、70万人を超え、国内有数の株主を有する企業になりました。

佐々木真理子氏と伊藤直司氏

■伊藤 株主になったことで、もっといい店舗になってほしいという思いを込めて、あえて苦言を呈する方もいるでしょう。しかし長い目で見ればそれは経営にいい影響を与えると思います。

■佐々木 おっしゃる通りです。すでに多くのお客さま株主から数多くの建設的な意見をいただいています。

■伊藤 イオンさんの株主総会に出席したことがありますが、驚きました。一般に株主総会では「議案を議論する場なので議案以外のことは質問をしないでください」という姿勢が多く見受けられます。しかし、イオンさんの株主総会では「議案の他に何かご意見などがあれば」というのです。特に流通業の場合には、株主総会が店舗での接客などの不満のはけ口になることも多いので、意見を聞くことを避ける傾向があります。あえて聞くのは素晴らしいですね。

■佐々木 株主総会に限りませんが、意見を言っていただくことによって経営に参加しているという一体感が株主にも生まれます。意見を選別するのではなく、さまざまな意見を聞くことが重要です。それを経営に役立てていきたいと思います。

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招集通知をスマートフォンで閲覧可能に
議決権を行使する株主が増加

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Profile

イオン株式会社 コーポレート・コミュニケーション部 部長 佐々木真理子氏

2006年イオン株式会社入社。コーポレート・コミュニケーション部広報担当。
08年8月同部 メディアマネージャー、10年5月同部IR担当、12年5月同部IRマネージャー、16年4月同部部長 (現)。

株式会社プロネクサス 執行役員IR事業部長 伊藤直司氏

早稲田大学法学部卒業。1980年HOYA(株)入社。国内外の営業を経て95年広報IR部門。08年HOYAグループIR・広報室長。13年米国Institutional Investors誌の「ベストIRプロフェッショナル」精密部門第1位に。同年秋(株)プロネクサスに転職。

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