個人資産運用の新潮流 世界に対し価値ある投資を実践すべき時代

「デフレ」から「インフレ」、「円高・株安」から「円安・株高」へと歴史的なパラダイムシフトを迎えた日本。日本企業がグローバルで活躍していくのと同様に、個人の資産運用においても世界に目を向け、さまざまな投資機会をとらえていくことが重要になってきた。2014年に設立されたあおぞら投信会長の柳谷俊郎氏と、同社の第1号公募投資信託を共に立ち上げた米国の資産運用会社ディメンショナルの日本代表であるジョン・アール・アルカイヤ氏が、日本の個人資産運用における新潮流について語った。

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「投資しないリスク」が顕在する日本 個人金融資産の有効活用が問われる

■柳谷 長く続いたデフレからインフレへと経済環境が変化するいま、日本は大きな歴史の転換期にあるといえます。そんな中、個人のお金との付き合い方も変化せざるを得ない状況です。1,700兆円ともいわれる個人金融資産を、投資を通じてどう生かすかが問われている――そんな時代に突入したと思います。

ディメンショナル・ジャパン・リミテッド 日本における代表者 兼 CEO ジョン・アール・アルカイヤ氏

ディメンショナル・ジャパン・リミテッド
日本における代表者 兼 CEO
ジョン・アール・アルカイヤ氏

■アルカイヤ おっしゃる通りです。日本にはいま膨大な資金が滞留しています。過去20年間日本経済を苦しめたデフレと円高の環境下では、投資をするより現金で持っている方が理にかなっていたかもしれません。しかし今後は、「投資するリスク」よりも「投資しないリスク」が顕在化する可能性があります。とはいえ、日本は依然超低金利が続いています。一方、海外に視野を広げれば、高金利や高い成長を期待できる資産は少なくありません。戦後の高度経済成長から80年代までの日本は、内需中心で経済成長を遂げてきました。しかし少子高齢化と人口減少、そして経済の成熟化が進むこれからの日本では、海外で活躍する日本企業がますます増えていきます。プロスポーツの世界でも海外で活躍する選手が増えていますが、日本の個人のお金も本格的に海を渡る時代になってきました。

■柳谷 そもそも投資とは成長する国や企業、市場にお金を投じる行為に他なりません。日本の個人金融資産が投資を通じて海外へ流れ込むことによって、世界の経済成長を後押しすることにもなります。また日本企業がこれまで培ってきた技術力が海外で生かされるケースも今後増えるでしょう。もっと大きな視点でいえば、地球規模の環境保全や食料問題などに日本の個人の資金や日本企業の技術が活躍する場面があるかもしれません。かつて日本が世界からの投資や資金援助で経済成長を果たしたように、今度は日本が自国への投資はもちろんですが、加えて世界に対して価値ある投資をしていくべきだと思います。そうしたお金の流れをつくることが私たち資産運用業の重要な役割のひとつだと認識しています。

■アルカイヤ 個人の投資家であれば、個別の国や企業に集中するのではなく幅広くグローバルに分散投資することがもっとも大切だと考えます。それが結果的にリスクを抑えた投資になります。ポートフォリオの中心にグローバル分散投資を据え、特定の市場にフォーカスしたような投資商品はあくまでもトッピングとして、より高いリターンを狙うために活用すべきでしょう。すべての資金を、“当てに行く”ような投資商品に振り向けていると、中長期的に安定した投資はできません。当社は日本の個人投資家に「良い投資経験」というものを提供したいと考えています。

■柳谷 まさに、投資での成功への道へとお客様を導いていくことは、当社あおぞら投信設立の意義です。これまでの日本人の資産運用を振り返ってみると、何か特定のテーマや国に投資する商品に人気が集中する傾向が強かったように思います。もしかするとそれは、短期的なスタンスで投資を考えていたからかもしれません。しかし本来は、投資家が末永く安心して資金を預けていられることが一番大事です。時間軸を長く持ち、世代を超えてお金が引き継がれていくのが投資です。

あおぞら投信株式会社 代表取締役社長 柳谷俊郎氏

あおぞら投信株式会社
取締役会長
柳谷俊郎氏

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金融危機でも証明されたグローバル分散投資の効果
「5つのP」を重視し中長期にわたって資産を保全

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Profile

あおぞら投信株式会社 取締役会長 柳谷俊郎氏

1985年日本債券信用銀行(現:あおぞら銀行)入行。国際証券部、ロンドン支店、市場証券部などにおいて内外債券市場業務に長年従事。その後、リテール部門で投資信託の企画・開発に携わる。2014年にあおぞら投信を設立し、代表取締役社長を経て2017年7月より現職。週に1度は学生時代から続けているサッカーを楽しんでいる。

あおぞら投信

ディメンショナル・ジャパン・リミテッド 日本における代表者 兼 CEO ジョン・アール・アルカイヤ氏

2012年11月からDimensional Japan Ltd.のチーフ・エグゼクティブ・オフィサー兼統括責任者。前職はモルガン・スタンレー・アセットマネジメント投信(現モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメント)のプレジデント兼チーフ・インベストメント・オフィサー。外国人として初めて日本証券投資顧問業協会の副会長の職を1998年から2000年まで務める。

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