9割が留学生全寮制で学ぶ
企業派遣で入学
- 橘川
- 種家さんは2006〜08年に国際大学で学ばれたそうですね。どのような理由で入学を決めたのですか。
- 種家
- 以前からビジネススクールで経営を勉強したいという気持ちはありましたが、会社を辞めて学校に通うところまで踏み込めませんでした。そんなとき国際大学の卒業生である先輩から話を聞いて興味を持ったのがきっかけで、その後会社の派遣プログラムにより国際大学で学ぶことになりました。
- 橘川
- 入学していかがでしたか。
- 種家
- グループワークが多く、ケーススタディーなどでディスカッションする機会が豊富にありました。全寮制のため、様々なバックグラウンドを持つ留学生と濃密な時間を共有できました。1対1のつながりが深まる中で、国籍や宗教などを理由に「こういう人だ」と決めつけるような見方はなくなりました。
- 橘川
- 私が国際大学に来て驚いたのは、日本の中に「グローバルな異空間」が存在していることでした。今年は日本を含めて57の国や地域から211人の新入生を迎えました。日本に「国際」と名の付く大学は多いですが、これほど多様な国々から学生が集まるところは少ないでしょう。
最近はアフリカや南太平洋諸国からの留学生が増えており、旧ソ連圏の中央アジアや中米からの留学生もいます。 - 種家
- 学生の約9割が留学生という国際大学は、日本人学生がマイノリティーの立場を体験できるユニークな環境です。自分がマイノリティーになって初めて少数派の人々がどんなところに不都合や悩みを抱えているか気付けるようになります。そうした経験が、DEIを推進する上で大いに役立っています。
その一方で、国際大学はマジョリティー体験もできます。キャンパスを出れば、そこは日本語の世界。日本人学生はマジョリティーです。国際大学にいると、これまでいかにマジョリティーとしての恩恵を受けてきたかを思い知ります。そして少数派である留学生をサポートしようという意識が自然と芽生えてきます。 - 橘川
- 留学生支援のためにも、地域との交流が大切です。毎年、南魚沼市と共催する大学祭「インターナショナル・フェスティバル」では、世界各国の料理や歌、踊りなどを楽しみます。冬場には地元の高校生なども招いて雪像づくりやクロスカントリースキーなどに興じます。市民講座「IUJむすびばカレッジ」では、アットホームな雰囲気で交流を深めています。