「呼値」の単位は株価に応じて決められています。東証の場合、大半の銘柄は株価が3000円以下であれば1円単位(例えば2998円や2999円)で売りや買いの注文を出すことができますが、3000円を超えると5000円以下まで呼値は5円単位となります。つまり3001円や3002円では注文できず、3005円や3010円でなければ注文を出せません。株価が高くなるほど呼値の単位は大きくなります。
ただし例外的により細かい単位での注文が認められているのが、「TOPIX100構成銘柄」です。時価総額や流動性の高い上位100銘柄のことで、これらの銘柄ならば株価が1000円超3000円以下なら0.5円単位、3000円を超えても1万円以下なら1円単位で注文を出せます。株式部の江副貴彌課長は、「TOPIX100構成銘柄は多くの注文が出される銘柄なので、よりきめ細やかな値段で注文が出せるようにしています」と説明しています。
東京証券取引所株式部 江副貴彌課長
このためTOPIX100構成銘柄であれば、3000円を超えても3001円や3002円のように1円単位で注文を出すことが可能です。例えば「3005円では買いたくないけど、3002円なら買ってもいい」という投資家がいる場合、呼値の単位が細かくなっていれば実際にそういう注文を出すことができますし、実際にその金額で売りたいという投資家がいれば3002円で購入できます。それに対し、呼値が5円単位の場合、3000円または3005円でしか購入できません。呼値の単位が細かいほど、投資家にとっては注文値段の融通が利くようになり、より良い価格で売買できる機会が増えることになります。