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提供:東京証券取引所/日本取引所グループ(JPX)

株式売買の注文、細かい金額でも新たに400銘柄を対象、投資家の利便性向上

東京証券取引所は株式取引で注文を出す際の値段である「呼値」について、細かい単位で注文が出せる銘柄を6月5日から増やしました。どの金額で注文を出すかについて投資家の選択肢が増える格好で、対象となる銘柄ではより良い価格で売買できる機会が増えるため投資家にとっても利便性が高まります

この記事の主な項目

■東証が「呼値」の単位を適正化
■新たに400銘柄で細かい単位での注文可能に
■投資家にとって使いやすい市場へ

「呼値」の単位は株価に応じて決められています。東証の場合、大半の銘柄は株価が3000円以下であれば1円単位(例えば2998円や2999円)で売りや買いの注文を出すことができますが、3000円を超えると5000円以下まで呼値は5円単位となります。つまり3001円や3002円では注文できず、3005円や3010円でなければ注文を出せません。株価が高くなるほど呼値の単位は大きくなります。

ただし例外的により細かい単位での注文が認められているのが、「TOPIX100構成銘柄」です。時価総額や流動性の高い上位100銘柄のことで、これらの銘柄ならば株価が1000円超3000円以下なら0.5円単位、3000円を超えても1万円以下なら1円単位で注文を出せます。株式部の江副貴彌課長は、「TOPIX100構成銘柄は多くの注文が出される銘柄なので、よりきめ細やかな値段で注文が出せるようにしています」と説明しています。

フォト:江副貴彌課長

東京証券取引所株式部 江副貴彌課長

呼値の単位が細かいほど、投資家にとっては売買の融通が利く

このためTOPIX100構成銘柄であれば、3000円を超えても3001円や3002円のように1円単位で注文を出すことが可能です。例えば「3005円では買いたくないけど、3002円なら買ってもいい」という投資家がいる場合、呼値の単位が細かくなっていれば実際にそういう注文を出すことができますし、実際にその金額で売りたいという投資家がいれば3002円で購入できます。それに対し、呼値が5円単位の場合、3000円または3005円でしか購入できません。呼値の単位が細かいほど、投資家にとっては注文値段の融通が利くようになり、より良い価格で売買できる機会が増えることになります。

図:また一歩、よりよい価格で売買できる株式市場へ。

とはいえ流動性が低い銘柄では、単位を細かくしてもあまり注文が入らないためメリットは限定的です。ただ近年は「TOPIX100以外でも流動性が高い銘柄が見られています」(江副氏)。そこで東証が今回、新たに呼値の単位を細かくしたのが、「TOPIX Mid400構成銘柄」です。東証に上場している銘柄のうち、TOPIX100構成銘柄に次いで流動性の高い400銘柄が新たに対象になったことで、呼値の単位が細かくなり投資家が注文を出しやすくなった銘柄数が従来の100から500まで増えました。取引の利便性という点で「国際的に見ても遜色のない水準」(江副氏)になっており、個人投資家をはじめ多くの投資家にとって使いやすい市場を目指す東証の最も新しい取り組みの1つと言えます。

フォト:使いやすい市場作りに取り組む東証の株式部 吉井氏、江副氏、前川氏(左から順に)

使いやすい市場作りに取り組む東証の株式部 吉井氏、江副氏、前川氏(左から順に)

具体的な呼値の単位については以下の表を参照してください。株価水準によっては今までよりも10分の1の細かい単位で注文が出せるようになります。江副氏は「個人投資家も機関投資家も区別なく、より良い価格で売買できる機会が増えることになります」と話しています。

図:呼値の単位は株価に応じて変わります

今回、新たに呼値の単位が細かくなる「TOPIX Mid400構成銘柄」に何が含まれるかは以下のリンクを参照してください。TOPIX Mid400はTOPIX100と同様、毎年構成銘柄の見直しが行われているのでご注意ください。

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