J-REIT Infrastructure Fund Forum

Jリート・インフラファンドの疑問を解決 まるわかりQ&A
Q
三菱地所物流リート投資法人は、DXやIT化などの取り組みを進めていますか。
A
―三菱地所物流リート投資法人にお答えいただきました。
 本投資法人の保有物件や、「ロジクロス」を中心とする、三菱地所が開発・運営する物流施設ではITを利用した取り組みも強化しています。一例が、「ロジクロス名古屋笠寺」で行っているコンサルティングサービスの実証実験で、AI画像解析サービスを提供する企業と提携し、倉庫作業をAIで解析して課題を抽出、分析し、効率的な倉庫運営につながるアドバイスの提供などを行っています。また今後、ロジクロスシリーズではAI清掃ロボットの本格導入も検討しています。さらに三菱地所は、国や自治体とも連携しながら、トラックの自動運転や、後続車無人隊列走行などを可能にする次世代モビリティに対応した次世代基幹物流施設の開発にも取り組んでいるところであり、テクノロジーを活用した物流の進化に積極的に寄与したいと考えています。
Q
コンフォリア・レジデンシャル投資法人は、分配金を成長させるためにどのような施策を講じていますか。
A
―コンフォリア・レジデンシャル投資法人にお答えいただきました。
 分配金の成長は、極めて重要なミッションの一つです。内部成長によって分配金成長を図る手段には、バリューアップ工事や、契約更改時の賃料増額などがあります。最近では、コロナ禍による需給環境の変化で賃料増額改訂のハードルが以前より若干上がったこともあり、新規物件取得を通じた外部成長によって収益を確保し、分配金を成長させることに焦点をあてる住宅系リートも出てきています。
 本投資法人も、外部成長による収益力強化に取り組みながら、バリューアップ工事による既存物件の収益力向上にも努め、分配金をしっかりあげていく方針です。
Q
インフレで電気料金が値上がりした場合、インフラファンドの分配金も増加しますか。
A
―タカラレーベン・インフラ投資法人にお答えいただきました。
 本投資法人は現在、42の発電所を保有しています。これらはFIT制度により、むこう20年間は国の定めた価格での電力買い取りが行われることが約束されているため、インフレで電気料金が上がっても売電価格は変動しません。基本的に、FIT制度が採用される発電設備では、インフレやデフレによる売電価格や分配金の変動は起こらないと考えてよいでしょう。
Q
物流リートは、新型コロナウイルス禍前後で大きく変わった点はありますか。
A
―SOSiLA物流リート投資法人にお答えいただきました。
 コロナ禍による外出自粛でe-コマース利用が増加し、物流施設の需要が拡大したことから、物流リート全体にとってプラスの面が多かったです。本投資法人も、コロナ禍におけるテナント解約や賃料減免などのマイナスの影響はなく、契約更改時の賃料増額などを実現しています。
 物流施設の需要拡大を背景に、Jリート市場の中でも、物流リートの投資口価格が最も堅調に推移しています。一方で、コロナ前までJリート市場の成長をけん引してきたオフィスリートは、テレワークの浸透などによって、足元のパフォーマンスがやや弱含んでいます。Jリート市場におけるオフィスリートと物流リートの立ち位置の逆転が、コロナ禍で大きく変わった点かと思います。
Q
コロナ感染者が徐々に減少していますが、今後の商業施設の稼働や運用の見通しはいかがでしょうか。
A
―アクティビア・プロパティーズ投資法人にお答えいただきました。
 この2年ほどパンデミック(世界的大流行)下での商業施設を運営してきた経験から、規制が緩和されると、確実に客足が戻って来ると実感しています。本投資法人の都市型商業施設の基幹物件である「東急プラザ表参道原宿」や「デックス東京ビーチ」も、緊急事態宣言解除後、着実に売上が回復してきています。22年3月にはまん延防止等重点措置も解除されましたから、繁華街も段々とにぎわいを取り戻すと考えています。本格的な回復にはインバウンドの受け入れも必要となるでしょう。パンデミック(世界的大流行)が世界的に終息すれば、コロナ前のようなにぎわいも期待できると思います。
Q
物流施設の運用はコロナ禍でも好調なようですが、今後懸念されるリスクはありますか。
A
―CREロジスティクスファンド投資法人にお答えいただきました。
 リスクが全くないとはいえませんが、足元の堅調な市場環境に対して強い自信を持っています。日本企業では事業効率化のために、物流を外注する流れができています。その結果、Third(3rd)Party Logistics(略称:3PL=物流事業を請け負う第三者企業。請負を前提とする物流業務の包括的な改善なども請け負う)の市場規模は年々増加しています。こうした企業は、荷主の都合にあわせて拠点を移動したり、荷物の増減に対応したりする必要がありますから、柔軟に床面積を変動させられる賃貸倉庫を多く活用します。こうしたことから3PL市場の規模拡大は、本投資法人のような物流不動産のオーナーにとっては、テナント需要の向上を意味します。また、EC需要の高まりを受け、EC業者は多品種かつ大量な商品を消費者に届ける使命を背負うようになりました。このため、本投資法人が保有するような、消費地の近くに位置する大型倉庫の需要が高まっています。
 3PLやECの需要拡大を背景に、物流不動産市場は、当面堅調に推移すると期待できます。
Q
オミクロン株の影響による今後の見通しを教えてください。
A
―積水ハウス・リート投資法人にお答えいただきました。
 オミクロン株の感染拡大により、ホテルの予約キャンセルなどの影響が出ていますが、ホテル業績自体は昨年の緊急事態宣言解除以降、回復基調に乗っています。宿泊に加え、イベントや婚礼等も順調ですので、今後、まん延防止等重点措置が解除されれば、需要はさらに上向くと予想されます。オフィス、住居に関しても、テレワークの普及による空室の埋め戻しにおいて一定の成果が見られ、大きく需要が停滞している状況ではありません。
Q
様々な地域に投資をしている理由と、今後の方針を教えてください。
A
―ジャパン・インフラファンド投資法人にお答えいただきました。
 本投資法人の主要投資対象である太陽光発電設備は、FIT制度(固定価格買取制度=再生可能エネルギーで発電した電気を、一定期間、電力会社が固定価格で買い取る制度)によって収益水準が保証されており、投資商品としてのキャッシュフローも安定しています。そのメリットを投資主の皆さまに最大限還元するためには、天候による発電量の変動リスクなどに対応する必要があり、地域分散を高めることが不可欠と考えています。また、今後も分散の程度を上昇させていく方針です。
Q
現在注目している、あるいは取得を検討している物件のタイプはありますか。
A
―フロンティア不動産投資法人にお答えいただきました。
 新規物件はこれまでと同様、郊外と都心の偏りなく、また大規模・中規模ショッピングセンターなど、タイプの偏りもないよう、ポートフォリオ全体のバランスを考慮しながら取得する方針です。タイプごとの将来性という意味では、買い物プラスαの楽しみを提供することに留意して開発された郊外の大規模ショッピングセンターは、価値の見直しが進んでいるところであり、成長ポテンシャルが期待できます。またコロナ禍でも大きな影響を受けにくかった中規模ショッピングセンターの安定性も魅力的です。都心型商業施設の客足も回復しているところであり、立地を吟味しながら取得を検討したいと考えます。
Q
物流不動産市況は非常に好調で、新規物件取得競争は一層激しくなっています。こうした環境下で、今後どのような成長戦略を実践しますか。また、今後の物流不動産価格はどのように推移すると考えますか。
A
―三菱地所物流リート投資法人にお答えいただきました。
 最近では物流不動産市場に参入するプレーヤーも増え、用地仕入れ競争も激化していますから、竣工済物件の取得は非常に難しくなっています。そうした状況でも本投資法人は三菱地所と三菱地所投資顧問の2つの成長エンジンによるハイブリッド・モデルを遂行し、競争力ある物流施設を着実に取得していきます。21年12月現在、三菱地所開発物件と三菱地所投資顧問が外部から取得した物件からなるパイプライン物件は16物件あり、タイミングなどを検討した上でポートフォリオに組み入れていく予定です。またパイプライン物件自体も随時増やしていきます。物流不動産価格の見通しについては、旺盛な物流施設需要と低金利という市場環境が続く限り、物流不動産市況の勢いが急落するリスクは低いと考えます。
Q
FIT制度に基づく事業用太陽光発電の購入価格は年々引き下げられています。このことがインフラファンドに与える影響を教えてください。
A
―カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人にお答えいただきました。
 2012年の制度開始時のFIT価格は1キロワット時あたり40円の水準でしたが、最近では1キロワット時あたり11円を切る価格(年間発電量250キロワット以上の施設)での入札も行われています。もちろんこの間、技術進化などにより太陽光発電施設の開発コストも下がりましたが、従前と比較すると、相当程度FIT価格が低下したことは事実です。しかしながら、FIT価格の低下がそのままインフラファンドのパフォーマンスにマイナスの影響をもたらすわけではありません。もちろん、FIT価格の値動きや、それに伴う入札価格の推移に応じて臨機応変な打ち手を講じていきますが、利回りに着目してポートフォリオの構築を行うという、ファンドの基本的な姿勢は変わらないためです。
Q
オフィス需要は新型コロナウイルス禍の影響を受けて一時低下しましたが、最近は回復傾向にあるとも聞きます。今後、コロナ禍以前の水準に戻っていくのでしょうか。
A
―ヒューリックリート投資法人にお答えいただきました。
 コロナ禍以降、在宅勤務の普及により、オフィスビルのテナント解約件数が増加しました。しばらくは都心オフィスの空室率も上昇傾向にありましたが、最近では上昇の度合いも緩やかになっており、エリアによっては成約件数の増加に伴って空室率が低下しています。現在は、様々な企業が在宅勤務を実践した結果、コミュニケーションが取りづらいといった弊害が顕在化し、オフィスの重要性や役割が再認識されている局面です。今後、IT企業など、一部の業種で在宅勤務が推奨されたとしても、オフィス市場全体への影響は限定的でしょう。そうした背景を考慮しても、社会経済活動の回復に伴い、オフィス需要も回復に向かうと見込めます。特に都心駅近好立地物件の需要は堅調に推移すると思われます。
Q
現在、物流リート市場は全体的に好調ですが、GLP投資法人がほかの物流リートと比較して特に強みを発揮できる点、差別化ポイントはどこにありますか。
A
―GLP投資法人にお答えいただきました。
 本投資法人は86物件を保有し、物流9銘柄の中でも最大の規模を誇ります(2021年11月末現在)。また、保有物件はエリアの偏りなく全国に所在しており、ポートフォリオの分散が利いていることから安定的な配当が実現できています。加えて、物件売却やリースなどを外部に委託することなく、グループ内ですべて行える体制が整っていることも本投資法人ならではの差別化ポイントです。
Q
インフラファンドはJリートより評価が低いのが現状です。原因はどこにあると考えますか。
A
―タカラレーベン・インフラ投資法人にお答えいただきました。
 最大の原因は、現時点での市場規模が小さいことにあるでしょう。21年10月末時点、インフラファンド市場に上場しているのは7銘柄。時価総額は7銘柄合計で1,300億円から1,400億円の間で推移しています。
 Jリート市場の草創期も、上場銘柄が少なく市場規模も小さいために流動性が低く、利回りも高くて安定しないという現在のインフラファンドと似た状況でした。しかし今日では、市場規模17兆円とUSリートに次ぐ規模にまで成長しています。
 今後成長を遂げるためには、個別銘柄それぞれの努力と市場全体の協力によって、インフラファンドの市場規模を拡大することが必要です。それにより流動性が高まれば投資家層にも厚みがでて、機関投資家の参入も活発化するはずです。やがて市場全体の評価が高まれば、利回りも安定的な水準で推移するようになるでしょう。
Q
台風や大災害などで発電所が被災すると、長期間回復しないのではと考えられます。リスク管理体制はどのように構築していますか。
A
―エネクス・インフラ投資法人にお答えいただきました。
 基本的に台風による被害は保険事項に該当しますので、保険金による被害回復が可能です。土砂災害などに関しては資産組み入れ前に傾斜などを確認し、リスクが低いことを確認した上で取得の検討に入ります。
 地震に関しては、資産組み入れ時にPML(ProbableMaximum Loss、予想最大損失率)を算出します。これはごく簡単にいうならば、数百年に一度の規模の大震災が起きた際、当該資産の被害総額は、建て替えなど、物件の再調達にかかる費用の何割にあたるかを示す指標で、投資用不動産の地震リスクを算出する際によく使われる指標です。本投資法人はPMLが1~10%弱と、大震災が発生してもほとんど被害がないか、あったとしてもごく少ない被害で済む物件を吟味して取得しています。
Q
投資銘柄選定の際、見るべき開示情報のポイントや、指標などはありますか。
A
―ラサールロジポート投資法人にお答えいただきました。
 上場62銘柄の中から、投資銘柄を選定するための情報整理には、たいへんな時間と労力がかかると想像します。労力を極力少なくするためには、リスクが分かりやすい銘柄を選定することが一つのポイントになるかと思います。例えば、先行きの不透明感が強い現状では、総合型リートよりも特化型リートの方が市場環境の変化に伴う投資リスクがイメージしやすいかと思います。同じ理由から、投資物件の一貫性を重視して銘柄を選定するのも良いかもしれません。
 いくつか銘柄をピックアップしたら、直近の運用状況を確認して投資銘柄を絞り込むことも大切です。決算発表の運用ハイライトをみて、収益に影響を及ぼしている事象は何か、今後も収益の安定性が見込めるかなどを確認します。見ておくべき指標としては予想分配金利回りと、NAV倍率(Net Asset Value=純資産総額。リートの保有不動産の時価から借入金などの負債を引いた額。NAVを発行済投資口数で割った値がNAV倍率)があります。一般にNAV倍率が1倍を上回れば、その銘柄は純資産に対して割安、1倍を上回れば割高と評価できます。
Q
新たに物件取得する際に重視するポイントを教えてください。
A
―福岡リート投資法人にお答えいただきました。
 大きくは、短期的視点と中長期的視点の2つに分けて検討しています。短期的視点としては、当社の投資方針にかなう物件か否か、あるいは、現状のマーケットにおける物件価値などを総合的に判断します。当社は総合型リートではありますが、現状の投資方針としてはオフィス、物流施設の取得をほかのアセットタイプより優先させています。また、地域特化型リートとして培ってきた知見を生かし、立地評価やローカルターゲットのニーズを的確に判断することにも重きを置いています。中長期的視点としては、収益の継続性やマーケットにおける今後の競争力などを重視します。具体的には物件の内部成長の可能性や、長期的な競争力、あるいは、それらを踏まえた客観的な評価などを判断材料とします。長期的な持続性を担保するため、ESG(経済・社会・企業統治)の観点も、今後の物件取得の際に重視していく方針です。