J-REIT Infrastructure Fund Forum

利回りが高く、安定的な収益が期待できるJリート コロナ禍でも株より高いパフォーマンス堅持 利回りが高く、安定的な収益が期待できるJリート コロナ禍でも株より高いパフォーマンス堅持
Jリートは利回りが高く、運用の手間も少なくすみ、長期にわたって安定的な収益を期待できる金融商品だ。投資対象が不動産であり、利回りが景気に左右されるリスクも少ないため、個人投資家からの人気も高い。8月26日に開催された「日経JリートWEBセミナー(主催:日本経済新聞社イベント・企画ユニット)」には、物流施設に重点投資するリートのほか、商業施設やホテルなどの様々なアセットタイプに投資する総合型リートなど、独自の戦略のもと、投資主価値の最大化に注力するJリートの3法人が登壇。コロナ禍による影響や対応策などに加え、緊急事態制限解除以降、少しずつ状況が改善に向かいつつあることも踏まえながら、今後の見通しについても説明し、多くの個人投資家が熱心に耳を傾けた。本セミナーは新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、一般の来場を中止し、セミナーの模様をインターネットで中継した。
基調講演
ニッセイ基礎研究所
デジタル化の加速、人の移動制約などが
今後のJリート市場に変化をもたらす
ニッセイ基礎研究所 金融研究部 岩佐 浩人 氏

ニッセイ基礎研究所
金融研究部
岩佐 浩人

Jリートは東京証券取引所で取り引きされる金融商品です。投資対象は不動産ですが、投資口価格がリアルタイムで変動し、投資主は決算期ごとに配当金をもらえるなど、株との共通点が多く、「見た目は株式、中身は不動産」ともいうべき性質をもっています。
 Jリートの特徴を3つに分けると、次のようになります。1つ目は、不動産賃貸業のみを行うこと。2つ目は、税制上、ほぼ法人税がかからない設計になっているため、利益のほとんどを配当金にまわせること。3つ目は、実際の運用は資産運用会社に委託し、リートは執行役員と監査役だけの簡素な組織であることです。組織の成長の源泉であるヒト(従業員)・モノ(不動産)・カネ(資金)は、スポンサー企業によって提供されます。
 Jリートの魅力は様々ありますが、まず第一に挙げたいのが利回りの高さです。2020年5月末時点の平均利回りは4.4%。国内株式の平均利回り1.9%を倍以上、上回る高水準です。また、総合収益率(配当金などのインカム収益と、売却益などのキャピタル収益を足し、時価なども考慮して算定する利益率)をみると、過去5年で10%、過去10年で181%、過去15年で110%と、長期保有することで、より大きな利益を得られる金融商品であることが分かります。
 今年の春頃まで、都心部を中心とするオフィス需要の高まりなどにけん引される形でJリート市況も好調が続いていました。しかし、コロナウイルス感染症の感染拡大により、3月中旬に東証リート指数が急落。その後、金融市場の回復に合わせてリート指数も上昇に転じたものの、いまだ本格的な回復にはいたってはいません。アフターコロナの世界においてはデジタル化の加速、人の移動制約、賃貸市場の地殻変動の可能性(「割高な都心部、割安な郊外」といった、従来の市場の前提が変化するなど)の3つが、不動産市場に影響を与えうるでしょう。
 ほかの金融商品に比べて利回りが高く、長期保有によってより多くの利益が得られるといったリートが本来もつ特長は変わりませんが、しばらくは先行きの見通せない状況が続くと思われます。市場の動向やリスクに注視しながら分散投資を心がけ、投資家のみなさま一人ひとりの戦略に沿った資産運用を行ってください。

1
アクティビア・プロパティーズ投資法人
資産価値の高い物件に厳選投資し
中長期的な投資主価値の最大化を実現
東急不動産リート・マネジメント アクティビア運用本部 運用戦略部 部長 村山 和幸 氏

東急不動産リート・マネジメント
アクティビア運用本部
運用戦略部 部長
村山 和幸

「アクティビア」とは、Activate(活気を与える)とia(場所を意味する接尾語)からなる造語であり、本投資法人は広く社会に活気を与える商業施設やオフィスビルなどに重点投資する複合型リートです。
 強みの1つは総合不動産デベロッパーである東急不動産を中心とする、東急不動産グループのバリューチェーンを活用できることです。
 2つめの強みは、立地とクオリティーに優れたポートフォリオです。保有物件44物件(2020年8月26日現在)のうち、約7割が東京23区に立地。都心5区だけでも全体の約6割超を占めます。また物件のタイプ別にみると、全体の約8割を「都市型商業施設」と「東京オフィス」が占めています。
 本投資法人が定義する「都市型商業施設」とは、表参道や原宿、銀座など、繁華性とブランド力が高い商業エリアに立地する、希少性の高い商業施設のことです。また、「東京オフィス」とは東京23区のうち、特にオフィスが集積するエリアの駅至近に立地するオフィスビルを指します。とりわけ最近では、賃料成長の顕著な広域渋谷圏と品川・五反田エリアへの投資に注力しています。
 投資家のみなさまは、コロナ禍の影響を心配されていることと思います。この数カ月、私どものテナントでも一部にコロナウイルス感染拡大の影響があり、必要に応じて賃料減免などを実施しました。私たちはアフターコロナを見据えた、中長期的な投資主価値の最大化を図るためには、現状、テナントの事業継続支援を優先することが欠かせないステップであると認識しています。
 難しい状況ではありますが、明るい兆しが全くないわけではありません。足元の状況をみると緊急事態宣言解除以降、徐々にテナントの売り上げも回復しつつあります。また、テナント入れ替えや賃料改定などによる内部・外部成長戦略は、危機に左右されることなく着実に実行し続けています。
 当面、不安定な状況が続くかもしれませんが、資産価値の高い不動産を吟味し、厳選投資することにより中長期的な投資主価値の最大化を図るという、投資法人としてのビジョンは変わりません。今後も盤石のスポンサーサポートと良質なポートフォリオを武器に歩みを進めてまいります。

アクティビア・プロパティーズ投資法人についてアクティビア・プロパティーズ投資法人について
2
SOSiLA物流リート投資法人
住友商事が開発する
最新鋭の物流施設「SOSiLA」に重点投資
住商リアルティ・マネジメント 取締役 上場リート事業部長/SOSiLA物流リート投資法人 執行役員 矢野 正明 氏

住商リアルティ・マネジメント
取締役 上場リート事業部長/
SOSiLA物流リート投資法人
執行役員
矢野 正明

本投資法人は、2019年に創業100年を迎えた総合商社、住友商事をスポンサーとするリートです。2019年12月に上場した最も新しい上場リートでもあります(8月26日時点)。
 成長戦略の柱となるのが、不動産事業に関する世界有数のノウハウと幅広いリレーションを持つ住友商事によるスポンサーサポートです。住友商事は不動産事業を祖業とする企業であり、世界66カ国、136の拠点をもつグローバルカンパニーに成長した現在も、不動産事業をコア事業と位置づけ、様々な事業を展開しています。
 本投資法人が重点投資対象とする最新鋭の物流施設「SOSiLA」も、住友商事が2015年に誕生させたブランドです。コンセプトは「人と社会をつなぐ物流施設」。Eコマース(電子商取引)市場が拡大するなか、物流事業者は輸送費の削減や多頻度化する配送への対応、労働力確保など、多くの課題を抱えています。SOSiLAは、そうした課題を解決するために開発されました。
 その特長は大きく3つあります。まず立地です。SOSiLAは関東、関西を中心とする大規模消費地や、生産拠点へのアクセスのよいエリアに立地します。消費地近接型の物流施設であることは、配送効率化だけでなく労働力の確保にも貢献します。2つめはハードのクオリティーへのこだわりです。物流施設に求められる標準スペックを備えるのは当然として、テナントのニーズに応じて様々な設備の導入ができるようフレキシブルな仕様にしています。3つめはテナントへの業務効率化提案など、ソフト面のサポートの充実です。ただ物件を貸すのではなく、業務効率化に資するソリューション提案などを通じ、テナントとの信頼関係を深めることは長期にわたり、安定的な契約を締結することにもつながります。
 SOSiLAは、立地・ハード・ソフト三位一体で新時代の物流ニーズに応える、一歩先行く物流施設です。かねてからEコマースの増加を背景に物流への需要が高まっていたことに加え、ここ数カ月はコロナ禍による巣ごもり需要の高まりも相まって、稼働率は順調に推移しています。今後もSOSiLAシリーズへの重点投資を通じ、投資主価値の向上に努めてまいります。

SOSiLA物流リート投資法人についてSOSiLA物流リート投資法人について
3
ユナイテッド・アーバン投資法人
分散の効いたポートフォリオと
強固な財務基盤で優位性発揮
ジャパン・リート・アドバイザーズ チーフ・フィナンシャル・オフィサー 佐々木 威英 氏

ジャパリーアドバイザーズ
チーフィナンシャオフィサー
佐々木 威英

2003年12月、Jリート市場に10番目に上場した本投資法人は、上場62銘柄のなかでは、いわば〝老舗〟の立ち位置です。国内不動産事業に注力する総合商社、丸紅のスポンサーサポートを活用しながら、用途やエリアを限定せず、多種多様な不動産に投資してリスク分散を図り、安定的かつ継続的な収益をあげることを基本戦略としています。
 物件のタイプ別にポートフォリオの構成比率をみると、商業施設とオフィスがそれぞれ約30%、ホテルが24%、住居が7%、残りをそのほかのアセットタイプが占めています。エリア別には首都圏地域が約6割、大阪や名古屋などの地方都市が約4割を占める構成です。また、最も取得価格の大きい物件でも資産規模(6638億円)に占める割合は約4%程度。エリア・物件タイプ・取得価格と、どの指標でみても偏りがなく、非常に分散の効いたポートフォリオを構築できています。
 この数カ月は、コロナ禍の影響を踏まえ、一部テナントで賃料減免などの対策をとりました。直近の決算期である2020年5月期にも、コロナ禍による賃料減免の影響が一部で出ましたが、投資家のみなさまには事前にお約束していた通り、一口当たり3470円の分配金をお支払いしました。減収分をテナントの賃料改定や新規物件取得などによる増収でカバーし、それでも不足する分は内部留保で補いました。今回のような危機に直面しても、対応できるだけの健全な財務基盤があることは本投資法人の強みといえます。
 不安定な状況が続いていますが、全てのテナントが一律に苦しい局面にあるわけではなく、例えばビジネスホテルの稼働は50〜60%程度回復しています。
 目下、次の決算期である2020年11月期に、投資主のみなさまにお支払いする分配金への影響を極力小さく抑えるべく、賃料改定や物件入れ替えなどによる内部・外部成長の機会を確実に補足できるよう、いつも以上に努力を重ねているところです。危機に際しても、投資主価値の最大化という目的がぶれることはありません。安定した財務基盤や、Jリートの投資法人として17年近くの歴史の中で培ってきたノウハウなど、もてる資源を最大限に活用して危機に立ち向かい、投資家のみなさまに選ばれる投資法人であり続けます。

ユナイテッド・アーバン投資法人についてユナイテッド・アーバン投資法人について
  • アクティビア・プロパティーズ投資法人
  • SOSiLA物流リート投資法人
  • ユナイテッド・アーバン投資法人
●本コンテンツは情報提供を目的としており、特定の金融商品の推奨や投資勧誘を意図するものではありません。購入や投資をされる場合は、ご自身の判断と責任で行ってください。
●講演資料はセミナー開催時点のものとなります。最新の情報は各投資法人のHPなどをご確認ください。