J-REIT Infrastructure Fund Forum

収益の安定性と見通しの明瞭性に優れたJリート コロナ禍において改めて評価高まる 収益の安定性と見通しの明瞭性に優れたJリート コロナ禍において改めて評価高まる
コロナ禍による将来への不安の高まりなどを理由に、投資を始める人が増えている。投資初心者におすすめなのが、比較的少ない金額から投資でき、手間もかからないJリートだ。Jリートの投資対象は不動産だが、東京証券取引所で売買され、投資主は決算期ごとに配当金を受け取れるなど、株との共通点が多く、「見た目は株式、中身は不動産」と呼ばれることもある。投資初心者にとっては、不動産投資ならではの収益の安定性の高さや、日銀による買い支えがあることも大きな安心材料となる。現状、コロナ禍の影響から回復しきれていないセクターもあるものの、市場全体でみるとコロナ禍においても株より高いパフォーマンスを堅持してきた。2020年10月末時点東証リート指数は3512ポイント(配当込み)と、依然としてTOPIXを上回っている。また平均利回りは4%前後で推移しており、金融商品として魅力的な水準だ。11月25日に開催された「日経JリートWEBセミナー(主催:日本経済新聞社イベント・企画ユニット)」には、Jリートの2法人が登壇。投資の基本戦略や強み、コロナ禍の業績への影響やその対策などについて説明した。本セミナーは新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、一般の来場を中止し、セミナーの模様をインターネットで中継した。
基調講演
ニッセイ基礎研究所
コロナ禍によりセクター間の相対的価値変動するも
長期保有するほど利益が高まるリートの特性変わらず
ニッセイ基礎研究所 金融研究部 岩佐 浩人 氏

ニッセイ基礎研究所
金融研究部
岩佐 浩人

Jリートは不動産を投資対象とする金融商品で、その特徴は大きく3つあります。1つ目は、開発や仲介などは一切行わず、賃貸事業に特化している点です。2つ目が、法人税は実質かからず、利益のほぼ全てを分配金に回せますから、利回りが高くなりやすいという特長があります。3つ目は、取締役と監査役だけの簡素な組織である点です。実際の不動産の運用は、外部の運用会社に委託します。企業の成長を担保するヒト(従業員)・モノ(不動産)・カネは、スポンサーによって提供されます。
 Jリートには様々な魅力がありますが、特筆すべきは分配金利回りの高さです。2020年10月末時点の平均利回りは4.41%で、東証一部上場株式の平均利回り2.34%に2倍近い差をつけています。
 ここ数年来、東京都心のオフィス市況にけん引される形で東証リート指数も好調に推移してきました。しかし新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を受け、今年3月に指数が急落。その後、金融市場の復活に合わせて徐々に上昇しているものの、いまだ本格的な回復には至っていません。
 今年上半期頃までのコロナ禍の影響を反映したリートの業績修正は、8月でひとまず一巡しました。分配金への影響をみると、賃料減免などを理由に予想一口あたり分配金を下方修正したリートは20銘柄です(2020年8月21日時点)。一方、下方修正をしなかったリートは42銘柄で、上場銘柄全体の66%を占めます。また、リートの保有不動産価格の推移をみると、現在のところホテルリート以外には大きな影響は出ていません。物件含み益も市場全体で約3.9兆円の水準を堅持しています。これは、Jリートの年間分配金の7倍に相当する金額ですから、今後の分配金減少リスク軽減に活用されることが期待できます。
 3月から11月までのリート市況を俯瞰(ふかん)すると、緊急事態宣言発令などに伴いホテルや商業施設がダメージを受けた一方、物流施設が好調な動きをみせるなど、セクター間で相対価値が変動していることがわかります。しかし、感染状況の推移や治療薬・ワクチン開発の時期、さらには新しい生活様式が不動産市況にもたらす影響の予測は難しく、今後の見通しについては分からない部分も多く残されています。
 先行き不透明な状況がしばらく続くかもしれませんが、長期保有することでより大きな利益を得られるという、リートが本来持つ特性がなくなったわけではありません。総合収益率(配当金などのインカム収益と、売却益などのキャピタル収益を足し、時価なども考慮して算定する利益率)の実績をみると、過去5年で10%、10年で181%、15年で110%と、長期保有するほど、投資主はより大きな利益を得ることができています。また、株などの金融商品と比較した際の業績の安定性や見通しの明瞭性など、リートが本来持つ特長にも変わりはありません。Jリートの資産運用会社やスポンサーによるコミットメントが、リート市況の本格回復に向けて、大きな役割を果たすはずです。カギを握るのは東京のオフィスビル市況の値動きでしょう。
 市場の動きを注意深く見守りつつ、個人投資主のみなさまそれぞれの投資戦略に沿った資産運用を実践してください。

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三菱地所物流リート投資法人
三菱地所グループのサポートをフル活用し
コロナ禍においても分配金成長達成
三菱地所投資顧問 専務取締役 物流リート担当 坂川 正樹 氏

三菱地所投資顧問 専務取締役
物流リート担当
坂川 正樹

本投資法人は、国内不動産事業のフロントランナーである三菱地所グループの高い信用力を背景に、健全性を重視した資産運用を行う物流特化型リートです。スポンサーは、「丸の内の大家さん」の愛称でも知られる日本最大級の総合デベロッパー、三菱地所です。資産運用は、日本の不動産証券化黎明期の2001年に設立され、不動産投資・運用の豊富な実績を有する三菱地所投資顧問が担います。
 不動産賃料は景気の波に左右されにくいことから、不動産投資は安定性の高い資産運用手段として知られます。とりわけ物流不動産は、この数年来上昇を続けるEC需要にけん引される形で需要が拡大しており、不動産セクターの中でも極めて高い成長ポテンシャルを有しています。コロナ禍による巣ごもり消費の拡大や非接触型の新しい消費行動の普及も、物流不動産市況の追い風となりました。
 今年3月、リート指数の急落を受け、物流リート市況にも多少の影響が出ましたが、ほかのセクターと比較すると影響は限定的で、立ち直りも非常に速かったです。足もとの値動きをみると、物流リートのパフォーマンスは、2020年年初を上回る水準にまで回復しています。
 本投資法人は三菱地所グループのサポートを強みに、好調の続く物流リート市況のなかでも一歩抜きんでたパフォーマンスを達成し続けており、コロナ禍においても稼働率99.9%の高水準を堅持しました。また、2020年8月期(2020年3~8月)の一口あたり分配金実績は、前期比プラス96円の6003円で着地しています。
 2020年9月1日現在、本投資法人は19物件を保有。稼働率99.9%、平均築年数7.6年、賃貸借契約率100%と、ポートフォリオは安定性と収益性に秀でています。
 現在の取得価格ベースの資産規模は1421億円ですが、今後の長期目標として資産規模3000億円達成を掲げています。まずは資産規模2000億円に到達すべく、三菱地所と三菱地所投資顧問が開発・ソーシングした、収益性の高い良質な物流施設を順次取得する予定です。現在、パイプライン物件として13物件、資産規模総額1300億円のストックがあります。優良物件の戦略的取得による外部成長戦略のほか、賃料増額改訂などの内部成長戦略も積極的に実施します。
 引き続き、日本を代表するデベロッパーと不動産アセットマネージャーのハイブリッド・モデルの強みを最大限活用し、貪欲に成長機会を追求してまいります。

三菱地所物流リート投資法人について三菱地所物流リート投資法人について
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福岡リート投資法人
高い成長ポテンシャル有する福岡・九州地域で
地元財界のサポート得ながら優良不動産に厳選投資
福岡リアルティ 代表取締役社長 松雪 恵津男 氏

福岡リアルティ
代表取締役社長
松雪 恵津男

本投資法人は、福岡・九州地域の優良な不動産に厳選投資する地域特化型リートです。「地元の優良な不動産を運用対象として世界中の投資家に紹介し、地元に資金を呼び込もう」という意志のもと、2005年6月に日本発の地域特化型リートとして上場しました。西日本最大級の総合デベロッパーである福岡地所をはじめ、九州財界を代表する有力企業10社がスポンサーに名を連ねています。
 福岡・九州地域は、国内でも随一の成長ポテンシャルを有するエリアです。とりわけ福岡市は、8年連続で一万人以上の転入超過を記録しており、2020年5月に人口が160万人を超えました。また福岡市は若者が多い都市でもあり、全人口に占める若者(10代、20代)の割合は22.05%(2015年国勢調査)で政令指定都市中ナンバーワン。若者人口の多さはそのまま、都市の将来の活気に反映されるでしょう。
 2020年8月末現在、本投資法人は31物件を保有しています。取得価格ベースの資産規模は約2019億円、投資対象エリアは福岡都市圏が76.6%、そのほか九州地域が23.4%を占めます。アセットタイプ別にみると、商業施設が58%、オフィスビルが27.7%、住居やホテルなど、そのほかアセットタイプが14.3%です。
 現在、コロナ禍の影響で臨時休業などを実施した商業施設の一部で、賃料減免、支払い猶予などの対応をとっています。一時は厳しい局面にも立たされましたが、食料品や日用品などを取り扱うテナントを多く抱える地域密着型商業施設の売り上げは堅調に推移しており、足元では前年同期比80~90%の水準にまで業績が回復しています。地域密着型商業施設に比べると、都市型商業施設は多少業績回復のスピードがやや遅れていますが、テナント入れ替えやアクアパノラマなどの集客施策の実施など、成長軌道回帰に向けた施策を多面的かつ戦略的に実施しています。
 今後の成長戦略の柱を担うアセットタイプとして、期待できるのがオフィスです。福岡市のオフィスの平均募集賃料は40カ月連続で上昇しており、オフィス市況は非常に好調です。今後、多少増額幅が小さくなるかもしれませんが、増額基調はしばらく続くとみられます。
 さらに、地下鉄七隈線延伸工事や天神エリア再開発など、福岡市では現在、いくつかの再開発プロジェクトが進行中であり、さらなるにぎわい創出やエリア活性化が期待できます。引き続き、高い成長ポテンシャルを有する福岡・九州エリアにおいて、地元財界のサポートも最大限活用しながら、投資主価値の最大化に全力を注ぎます。

福岡リート投資法人について福岡リート投資法人について
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●本コンテンツは情報提供を目的としており、特定の金融商品の推奨や投資勧誘を意図するものではありません。購入や投資をされる場合は、ご自身の判断と責任で行ってください。
●講演資料はセミナー開催時点のものとなります。最新の情報は各投資法人のHPなどをご確認ください。