J-REIT Infrastructure Fund Forum

不動産とインフラ施設に共通する「底堅さ」コロナ禍で改めて市場の評価得る 不動産とインフラ施設に共通する「底堅さ」コロナ禍で改めて市場の評価得る
世界的な低金利政策の長期化に加え、新型コロナウイルス感染症の感染予防ワクチンの接種開始による景気回復期待の高まりなどを背景に、投資には良好な環境が続いている。老後を見据えた資産形成を意識する個人投資家にとって、強い味方となり得るのがJリートだ。その一番の魅力は、実物不動産への投資よりも圧倒的に少ないコストで、高い収益を期待できる点。2021年1月末時点の平均利回りは3.89%と、東証1部上場株式の平均利回り2.06%に2倍近い差をつけた。加えて近年では、低コスト・高利回りの金融商品としてインフラファンドの存在感も高まっている。今年1月末時点の平均利回りは6.2%で、ほかの金融商品と比較してもきわめて魅力的な水準だ。2月24日に開催された「日経Jリート・インフラファンドWEBセミナー(主催:日本経済新聞社イベント・企画ユニット)」には、Jリートとインフラファンドの3法人が登壇。投資戦略やコロナ禍の影響への対策などを投資家に説明した。
基調講演
東京証券取引所
Jリートとインフラファンドが
低金利環境下の資産形成の強い味方に
東京証券取引所 上場推進部 調査役 鹿志村 将也 氏

東京証券取引所
上場推進部 調査役
鹿志村 将也

分配金の安定性と利回りの高さで
優位性発揮するJリート

2001年にオフィス特化型リート2社の上場により創設された東証Jリート市場は今年、20年目の節目を迎えます。市場規模は年々堅調に成長し、2021年1月末時点の上場は62社、時価総額は約14.9兆円と、現在では東証一部に次ぐ規模を誇ります。
 Jリートは、端的にいえば「不動産賃貸業に特化した不動産会社」です。仕組みはいたってシンプルで、投資家から集めた資金や銀行からの借り入れなどによって不動産を取得し、そこから得られる賃料収入や売却益を投資家に分配するというもの。実際の運用は、資産運用会社に委託します。
 その魅力は大きく3つあり、1つ目は、分配金の安定性と利回りの高さです。Jリートは、不動産賃料を原資とする金融商品だからこそ、安定した分配金を得られます。また、一定要件のもと法人税が免除される制度により、利益のほぼ100%を分配金にまわせますから、高い利回りも期待できます。2つ目の魅力は、比較的、手の届く金額で投資ができる点です。銘柄によっては一口数万円前後からの投資が可能ですから、数千万円規模の資金が必要な実物不動産への投資に比べてコストがかかりません。3つ目の魅力は、株式と同様に全国の証券会社を通して気軽に売買できる点です。
 近年、東証REIT指数や日経ESG-REIT指数などに連動するETF(上場投資信託)の上場も活発化しており、Jリート投資の選択肢の幅が広がっています。また、経済活動がESG(環境・社会・ガバナンス)にもたらす影響を重視する時代の流れを反映して、GRESB(不動産会社・運用会社のサステナビリティー配慮を測る世界的ベンチマーク)の認証を取得する投資法人が増加するなど、多くのJリートがESG課題解決に取り組んでいます。


指数の算出・公表開始で
さらに活気づくインフラファンド

東証インフラファンド市場は、2016年に開設された比較的新しい市場です。基本的な仕組みは、投資家などから得た資金を基に再生可能エネルギー発電設備などのインフラ資産を取得し、そこから得られる賃料を投資家に分配するというものです。
 2021年1月末時点、7銘柄が上場しており、現状では全てが太陽光発電設備に投資する投資法人です。足元の時価総額は約1300~1400億円程度で推移。成長途上の市場として、年々堅実に規模を拡大させています。昨年4月には市場全体の動向を示す指標として、「東証インフラファンド指数」の算出・公表を開始しました。今後はこの指数に連動するETFの上場も活発化するでしょう。インフラファンド市場では、規模拡大と同時に投資判断にあたっての情報収集手段や、投資の選択肢の幅も年々広がっています。
 インフラファンドの魅力は、社会に欠かすことのできないインフラを投資対象とするという特性上、賃料収入が景気に左右されにくく、安定した分配金を期待できる点にあります。またJリートと同様、一定条件のもと、法人税が免除される仕組みがあるため、利益のほぼ百パーセントを分配でき、高利回りが期待できます。2021年1月末時点の平均利回りは6.2%の高水準でした。ただしインフラファンドの場合、法人税免除の適用は上場から20年間までという縛りがあります。
 一口十万円前後からと、手の届きやすい金額での投資が可能であり、株と同様に証券会社を通じた売買ができる点も、Jリートと共通するメリットです。高利回りの金融商品であるJリートとインフラファンドの魅力は、低金利環境下において、相対的に向上しています。しかし、投資にはリスクがつきものですから、実際の投資にあたっては、魅力だけでなくリスクにも目を配ることをおすすめします。
 例えばJリートの場合、あくまでも大局としてですが、巣ごもり需要の増加で物流施設が堅調な値動きを見せる一方、一部のオフィスや商業施設ではやや軟調な値動きも見受けられます。今後、業績の本格回復の途上では、各投資法人の手腕が問われるでしょう。またインフラファンドに関しては、分配金の安定性を支えているFIT制度(固定価格買取制度=再生可能エネルギーで発電した電気を、電気事業者が国が定めた価格で20年間買い取る制度)の見直しが進められるなど、先行きが不透明な部分もあります。
 各投資法人の目論見書などに目を通し、こうしたリスクも踏まえた上で、個人投資家のみなさまそれぞれの投資戦略に沿った資産形成を実行してください。

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大江戸温泉リート投資法人
近隣固定客に愛される温泉旅館運営で
アフターコロナの早期業績回復に自信
大江戸温泉アセットマネジメント 財務部長 本多 智裕 氏

大江戸温泉アセットマネジメント
財務部長
本多 智裕

本投資法人は、コト消費を生み出す余暇活用型施設を投資対象としています。コア投資対象は温泉・温浴関連施設であり、安定的な成長を実現するためにスポンサーの大江戸温泉物語グループが有する知見やノウハウを最大限に活用しています。
 その特徴は、良質な温泉設備や趣向を凝らしたバイキング形式の食事、充実した館内エンターテインメントといった高品質のサービスです。また、部屋係の廃止などによる施設運営の効率化など、グループ独自のチェーンオペレーション「大江戸モデル」を採用し、ベスト価格の両立で、幅広い顧客層から支持を得ています。
 コロナ禍に際しては、顧客に一段高い安心・安全を提供するため、「大江戸安心・安全プロジェクトチーム」を発足し、政府や関連業界が公表する感染予防ガイドラインへの準拠は当然として、感染症専門医をアドバイザーに迎え、感染予防対策を日々検討・更新しています。
 昨年を振り返りますと、4月の緊急事態宣言発出に伴い、多くの施設を休業しましたが、宣言解除後はGoToトラベルキャンペーンの後押しもあり、徐々に業績は回復。11月ごろには、稼働率、売り上げともに平時に近い水準にまで回復しました。足元では感染再拡大による影響で一部施設を休業していますが、昨年の推移をみると、宣言解除後には業績のスピード回復が期待できるものと見込んでいます。
 収益への影響は、第9期(2020年11月期)の変動賃料はゼロで着地しましたが、本投資法人の特徴である固定賃料の構成比の高さにより、現状テナント様からの固定賃料の引き下げ要請もないことから、賃料収入の基盤は揺らではおりません。
 また第9期には、保有施設の一部を太陽光発電事業用地として売却してLTV(借入金比率)の引き下げや一口当たりNAV(鑑定評価額)の引き上げを実現。今後を見据えて財務基盤の万全の対応をしていきます。
 当面は、安定的な資産運営を重視する必要がありますが、本投資法人はアフターコロナを見据え、さらなる成長を遂げるべく、優良物件の売却情報にも常にアンテナを張り巡らせています。スポンサーパイプラインを着々と積み上げているほか、毎期、スポンサー関連物件以外にも100件程度の物件売却情報を入手。優良物件を吟味し、取得時期も慎重に検討しながら、外部成長機会の追求に力を注いでいます。
 また、アフターコロナにおける旅行客の流れは、まずは近隣固定客、次いで国内旅行客、最後にインバウンドの順に回復するといわれます。「大江戸モデル」は、近隣固定客や国内旅行者がメインターゲットであり、外国人観光客の割合は1%程度ため回復期の需要をいち早く取り込むことが期待できます。
 このほかにも本投資法人ならではの特長として、投資口数に応じて宿泊利用券を送付する魅力的な投資主優待制度があります。資産形成手段の一環としての投資を、ぜひご検討ください。

大江戸温泉リート投資法人について大江戸温泉リート投資法人について
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エネクス・インフラ投資法人
スポンサーグループの知見強みに
収益性高い発電施設を戦略的に取得
エネクス・インフラ投資法人 執行役員 兼 エネクス・アセットマネジメント 代表取締役 松塚 啓一 氏

エネクス・インフラ投資法人
執行役員 兼 エネクス・アセット
マネジメント 代表取締役
松塚 啓一

2015年に創設されたインフラファンド市場は、ESG投資への関心の高まりなどに後押しされて年々順調に成長し、昨年には資産規模2000億円超を達成しました。規模自体はまだ小規模なものの、今後の成長が大いに期待される市場の一つです。またコロナ禍に際しては、FIT制度などに基づく分配金の安定性や底堅さがあらためて確認され、金融商品としての評価をますます高めています。
 本投資法人は、将来の高い成長ポテンシャルを有するインフラファンド市場に、2019年に上場しました。スポンサーは伊藤忠商事グループのエネルギー商社、伊藤忠エネクスをメインとする4社です。4社はそれぞれ、再生可能エネルギー事業の運営や財務戦略などの卓越したノウハウや、良質なパイプラインを所有しています。特にメインスポンサーである伊藤忠エネクスは、電源開発から需給管理・販売までを一体化したビジネスモデルを構築しており、FIT制度終了の期限(売電開始から20年間)が過ぎても、電力の有力な買い取り先となるでしょう。
 現在、全国各地に7物件を保有しており、資産規模は587億円、合計パネル出力は138.2メガワットです。ポートフォリオの特徴として、関東と中部地方の施設が全体の95%以上(取得価格ベース)を占めることが挙げられます。首都・東京を擁する関東と、我が国有数のものづくり拠点である中部地方は、電力需要が旺盛で、電力需給調整のための出力制御による売電価格低下のリスクも低く、発電施設の運営には有利な立地です。
 成長戦略としては、スポンサーパイプライン物件の取得による資産規模の向上を重視しています。昨年12月にもパイプライン物件の中から、大規模な太陽光発電設備を取得しました。価格は400億円超、パネル出力98メガワットと、国内屈指の規模を誇るメガソーラーです。この物件の取得によって投資口の流動性が増し、投資家のみなさまが、本投資法人に投資する機会を一層拡充することができました。
 現在の保有施設は全て太陽光発電施設ですが、今後は、風力・水力発電施設の取得も視野に入れています。電源構成の多様化は、リスク分散や発電量の安定化、ひいてはポートフォリオの質の向上にも大きく貢献するでしょう。
 昨年末の大規模物件取得の効果もあり、第4期(2021年11月期)の営業収益は4693百万円、当期純利益は919百万円と、いずれも前期比大幅増で着地する見通しです。一口当たり分配金は、前期と同じく6000円となる予想ですが、内訳をみると、利益超過分を含まない分配金、つまり利益分配金の金額は前期比で12.5%増加(292円)する見通しで、分配金の健全性・安定性は着実に高まっています。
 今後も将来に向け、多角的なアプローチから成長戦略を実行していきます。パイプライン物件の着実な組み入れのほか、スポンサー以外の第三者機関からの物件取得機会も貪欲に追及。また、グリーンボンドやグリーンエクイティの発行など、調達手段の多角化も図ります。併せて、スポンサーグループとともに再生可能エネルギーの評価を高める取り組みも積極的に推進してまいります。

エネクス・インフラ投資法人についてエネクス・インフラ投資法人について
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タカラレーベン・インフラ投資法人
利益分配を重視する戦略と
ESGへの積極的な取り組みで優位性発揮
タカラアセットマネジメント 代表取締役社長 髙橋 衛 氏

タカラアセットマネジメント
代表取締役社長
髙橋 衛

タカラレーベン・インフラ投資法人は、2016年6月、東証インフラファンド市場に第一号ファンドとして上場しました。主な投資対象は再生可能エネルギー発電設備です。自然エネルギーの活用を通じた価値の創造を基本理念に掲げ、地域社会における雇用創出や社会経済の発展、地球温暖化対策、エネルギー自給率向上への貢献を通じ、投資主価値の最大化を図ることを投資方針としています。
 上場以来の4年半で培った経験や知見を通じ、インフラファンド投資法人として、独自の強みを確立し、磨き上げてきました。
 まず1つ目は、着実な物件取得による持続可能な成長戦略です。上場時の保有資産の価格は78.3億円でしたが、20年12月には約6.5倍の514.7億円にまで成長しました。今後も、発電量ベースで年間20~40メガワットを目安に、継続的に新規物件取得を行う方針です。
 2つ目は、利益分配を重視した還元方針です。21年2月15日の終値ベースで算出した本投資法人の分配金利回りは5.75%。その内訳には、利益分配を重視する本投資法人の戦略が反映され、5.17%を利益分配金が占め、残りの0.58%を利益超過分配金(減価償却費などを原資とする、本来の利益を超える分配金)が占めます。また、分配金の原資となる賃料体系は、発電量に関わらず収受できる最低保証賃料と、実際の売電金額に応じて変動する実績連動賃料の二本柱で構築し、分配金の安定性と成長性を両立させています。
 3つ目は、全国へ分散されたポートフォリオです。2020年12月現在、全国各地に38発電所を保有。合計パネル出力数は131メガワットです。ポートフォリオの分散を図るとともに、電力販売需要の高いエリアにバランスよく投資する戦略をとっております。
 4つ目は、JCRからの格付け取得です。従来、A-、見通しはポジティブだった格付けが、昨年9月にキャッシュフローの安定性の高まりなどを理由に格上げされ、A、見通しは安定的となりました。
 加えて、本投資法人は子育て支援事業などを行う団体への寄付やポートフォリオの存する地域における地域貢献活動など、ESG課題の達成に向けた幅広い取り組みを積極的に行っており、SDGs17の目標に対し、9つの目標に貢献しております。この取り組みを加速させるため、昨年、借入金による資金調達(デット)と、投資口などの発行による資金調達(エクイティ)の両方を対象とする、グリーンファイナンス・フレームワークを策定しました。このフレームワークは、グリーンボンド原則などの各種ガイドラインに適合しているかを評価する「JCRグリーンファイナンス・フレームワーク」で最高ランクの「Green1(F)」の格付けを取得しています。特にエクイティにおけるグリーン評価の取得は、上場投資法人としては初めての事例となりました。
 安定的な分配金の配当を可能にする賃貸借スキームにより配当実績を積み上げてきたことや、純利益に基づく利益分配金による配当金の最大化を重視する運用戦略、積極的なESG施策の推進などが総合的に評価され、多数の金融機関から大口投資があることも、本投資法人の特徴といえます。貸付対象としてだけでなく、エクイティ投資の対象として評価を得ていることは、大きな強みです。
 足元では、2050年までに温暖化ガスの排出量実質ゼロを目指す国の方針が打ち出され、再生可能エネルギーへの期待はますます高まっています。引き続き、積極的に資産規模の拡大を図り、投資主価値の最大化を実現すべく、歩みを進めてまいります。

タカラレーベン・インフラ投資法人についてタカラレーベン・インフラ投資法人について
  • 大江戸温泉リート投資法人
  • エネクス・インフラ投資法人
  • タカラレーベン・インフラ投資法人
●本コンテンツは情報提供を目的としており、特定の金融商品の推奨や投資勧誘を意図するものではありません。購入や投資をされる場合は、ご自身の判断と責任で行ってください。
●講演資料はセミナー開催時点のものとなります。最新の情報は各投資法人のHPなどをご確認ください。