J-REIT Infrastructure Fund Forum

“価格変動の波”乗り越えてきた実績 長期保有のメリットもたらす金融商品の強み証明 “価格変動の波”乗り越えてきた実績 長期保有のメリットもたらす金融商品の強み証明
低金利環境下の資産形成手段として、根強い人気を誇るのがJリートだ。銘柄によっては一口数万円前後から投資ができ、実際の運用はプロに任せられるので、投資初心者も無理なく始められる。折しも今年はJリート市場開設20周年の節目の年。これまで、リーマン・ショックや東日本大震災などの危機的状況を乗り越えてきたJリート市場は、コロナ禍によってどのような影響を受けるか。20年の歴史を知ることで大きなヒントを得られるだろう。8月25日に開催された「日経Jリート・インフラファンドWEBセミナー(主催:日本経済新聞社イベント・企画ユニット)」では、Jリートを知悉した識者が、市場の20年のあゆみを踏まえ、今後の展望を解説。加えて、Jリート2法人が登壇し、投資戦略やコロナ禍の影響への対策などを投資家に説明した。
基調講演
アイビー総研株式会社
「Jリートに価格変動はつきもの
心構えが投資を成功に導く
――Jリート市場開設20年のこれまでとこれから
アイビー総研株式会社 代表取締役 関 大介 氏

アイビー総研株式会社
代表取締役
関 大介

分配金の安定性の高さが強み

Jリートの投資法人は、投資主から得た資金を活用して不動産を取得し、その賃料収入や売却益を投資主に分配します。あくまでも不動産賃貸専業の投資法人であり、分譲や管理・運営などは行いません。
 投資主に利益の9割超を配当すると法人税が実質免除となる仕組みがあるため、分配金の安定性が確保されていることや、実際の管理・運用は外部の運用会社に委託する点がJリートの特徴です。運用会社は資金提供や管理・運営ノウハウの提供など、様々な面で「スポンサー」企業のサポートを受けます。
 金融商品としての魅力は、なんといっても分配金の安定性です。ほかにも保有不動産のほとんどが国内物件であるために為替の影響をほぼ受けないことや、決算期の異なるリートに複数投資することで、毎月配当金を得られるようなポートフォリオを組めることなどもJリートの魅力です。上場している金融商品であるため、厳格な情報開示規定が設けられていることも、投資家にとっては大きな安心材料となっています。


現時点ではコロナ禍の影響は軽微にとどまる

Jリート市場がスタートしたのは2001年9月です。当初、上場していたのはオフィス系リート2銘柄のみでした。少しずつ銘柄数が増え、東証Jリート指数の公表が開始されたのが03年です。06年ごろにはファンドバブルを追い風にJリート市場も急成長。しかしその後、リーマン・ショックや東日本大震災などにより、市場は低迷期に突入しました。それでも、不動産需要の底型さや低金利政策などに後押しされ、市場は徐々に回復。13年には指数も1000ポイント台にまで回復し、本格的な回復基調に乗りました。19年夏には節目の2000ポイントに到達しています。20年以降はコロナ禍の影響も受けているものの、分配金は前年同期比で約3%の増配を達成(20年上期実績)。21年7月末の東証リート指数は2160ポイントと高値圏を堅持しています。
 総じて現在のところ、コロナ禍の影響は軽微にとどまっています。分配金水準や物件売却・取得環境も、最近数年間と比較して格段に悪化しているわけではありません。Jリート市場全体の新規物件取得額も例年並みの水準を堅持していますから、今後の市場規模拡大も期待できます。ただし、物流施設の取得が盛んな一方、ホテルや商業施設などの新規取得が大幅に減少するなど、物件用途によっては、コロナ禍の影響が強く表れています。


長期保有の恩恵生かすには価格急落局面でも慌てないこと

今後の市場環境を見通す際、短期的な値動きをみる指標として役に立つのが、米国10年国債の利回りです。現在は1%台で推移していますが、この先2%を超える局面が来れば、Jリート指数は2000ポイントの水準を維持できなくなるかもしれません。というのもこれまで、米国10年国債利回り2%を目安として、利回りが上がればリート指数が下がり、利回りが下がればリート指数が上がる傾向がみられたからです。
 長期的には、オフィス市況の動向に影響をもたらしうるリモートワークの浸透度をはじめ、DX(デジタルトランスフォーメーション)の進展や、国内機関投資家・個人投資家を含む投資家層の拡大、リート同士の合併実績の積み上げなどが、今後のJリート市場の行方を大きく左右しうると考えられます。
 投資主のみなさまに心にとどめておいてほしいのは、Jリートは魅力的な投資商品ですが、上場している以上、価格変動リスクは避けられないということです。実際、市場開設以来今日にいたるまで様々な危機に直面してきました。しかしそのたびに、必ず市況は持ち直してきました。リートが長期保有の恩恵を生みやすい投資商品であることは、市場の20年の歩みからも明らかですから、価格急落局面が来ても、慌てて売らないことが大切です。

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ラサールロジポート投資法人
成長著しい消費物流重視の戦略で
内部・外部成長機会を貪欲に捕捉
ラサールREITアドバイザーズ株式会社 財務部長 地紙 平 氏

ラサールREITアドバイザーズ
株式会社 財務部長
地紙 平

本投資法人のスポンサーは世界15カ国に拠点を構える資産運用会社、ラサール不動産投資顧問です。2003年に、当時まだ黎明期だった日本の物流不動産市場に参入して以来、先進的物流施設の開発・運用実績を積み重ねてきました。ちなみに本投資法人の名称にも含まれている「ロジポート」は、ラサールグループが開発・運営する物流施設のブランドネームです。
 本投資法人は2021年6月末現在、東京・大阪エリアに19物件を保有しており、資産規模総額は約3,500億円です。
 重点投資エリアは人口の集積する消費経済の中心地であり、長期的な物流ニーズが見込める東京・大阪エリアの物流適地に位置する、大規模・高機能な先進的物流施設です。私たちは消費地へのアクセスや、24時間操業・運営が可能な工業系用地であるかなどの基準に従い、東京・大阪エリアの中でも特に物流施設の運営に適している「物流適地」を吟味。併せて、保管や仕分け、流通加工、多品種高頻度の配送など、多様化する物流施設へのニーズに対応できるだけのスペースと機能を有した、大規模・高機能な先進的物流施設であることも重視して、質の高い資産ポートフォリオを構成しています。
 テナントは、コンビニ、ネット通販、ホームセンターなど、消費関連企業が中心であり、所有施設で取り扱う荷物の大半は、日用品や、家電、食料品など、消費物流関連です。これらはEコマース市場の拡大によって物流ニーズが急伸した品目でもありますから、中長期的な成長ポテンシャルが期待できます。実際、運用パフォーマンスも良好で、稼働率は直近二期連続で99%を堅持。好調な需給環境を生かし、前期は5.1%、前々期は7.2%の賃料増額改訂を達成し、内部成長機会も貪欲に追及しています。
 今後も、ラサールグループが開発する先進的物流施設・ロジポートを取得することで継続的な外部成長を図る方針であり、現在、7物件約1,500億円規模のパイプラインを有しています。また、物流施設のニーズ向上により、新規物件の取得競争が激化している現状を踏まえ、独自戦略として「バリューアッド投資」も実践。これは、我々の投資基準に適う優良な物集施設が安定稼働する前段階、あるいは高いパフォーマンスを発揮する物流施設の運営が見込める物流適地が更地の段階から出資し、テナント誘致による稼働率向上や建物の建設工事などを行い、付加価値をつけた後で物件を取得する戦略です。今までも本投資法人は2件のバリューアッド投資を完了しました。いずれも1年かけてテナントを誘致し、満室稼働を見込めるタイミングで物件を取得しました。
 今後も、東京・大阪エリアの物流適地に所在する、大規模・高機能な先進的物流施設に重点投資する成長戦略を通じ、投資主価値の持続的向上を実現してまいります。

ラサールロジポート投資法人についてラサールロジポート投資法人について
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福岡リート投資法人
高い成長可能性誇る福岡市を中心に
質の高いポートフォリオ構築
株式会社福岡リアルティ 代表取締役社長 古池 善司 氏

株式会社福岡リアルティ
代表取締役社長
古池 善司

本投資法人は福岡を中心に、九州・沖縄エリアの厳選物件に投資する地域特化型リートです。重点投資エリアである福岡市は人口増加率のみならず、若者人口の流入数も国内トップクラス。非常に大きな成長ポテンシャルを誇る都市です。
 スポンサーは、九州・福岡を代表する有力企業9社からなります。メインスポンサーは、福岡を代表する複合商業施設・キャナルシティ博多の運営も手掛けるデベロッパー、福岡地所です。
 本年2月末時点の保有物件は31物件、資産規模は2,019億円です。アセットタイプ別にみると、商業施設が58%、オフィスビルが27%を占め、残りを住居やホテルなどが占めています。稼働率は直近第33期(20年9月~21年2月期)実績で99.3%の高水準です。また上場来、分配金の安定的な成長も実現させてきました。商業施設の休業や、賃料支払い一時猶予などの対策を講じた32期(20年3~8月)はコロナ禍の影響も受けましたが、幸い現在は回復基調に乗っており、支払いを猶予していた賃料も全額回収。33期の一口当たり分配金は、前期比3.4%増の3,361円で着地しました。
 今後の成長戦略としては、オフィスと物流施設の投資比率を増やす方針を掲げています。近年の福岡の不動産市況は、オフィスと物流施設の高いニーズにけん引される形で好調なパフォーマンスを維持しており、特にオフィスは、大手IT企業が続々と拠福岡市中心部に拠点を構えるなど、コロナ禍においても市場環境は良好で賃料水準も上昇傾向にあります。こうした現状を踏まえ、本年6月には、婚礼・宴会などの機能を有するフルサービスホテルを売却し、新たに、オフィスビルの底地を取得しました。ホテルの売却先は国内観光客需要の取り込みに強い星野リゾート投資法人であり、星野グループが運営する高付加価値のホテルが福岡市に生まれることで、エリアの魅力がさらに高まると期待しています。
 現在、福岡市では年間8,500億円もの経済波及効果をもたらすといわれる再開発プロジェクト「天神ビッグバン」をはじめ、大規模再開発事業が複数進行中です。メインスポンサーの福岡地所もこれらの計画に積極的に参加しており、本投資法人にとってスポンサーパイプラインを生かした優良物件の取得による外部成長機会はさらに拡大しています。
 今後も地域特化型リートならではのきめ細やかな情報収集能力や、地元の不動産開発・運用を幅広く手掛けるスポンサーとのリレーションを活用し、高いパフォーマンスを発揮し続けます。

福岡リート投資法人について福岡リート投資法人について
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