J-REIT Infrastructure Fund Forum

利回りの高さと安定性に支えられAfterコロナでさらなる成長が予見される 利回りの高さと安定性に支えられAfterコロナでさらなる成長が予見される
ワクチン接種の進行や感染者数の減少などにより、長かったパンデミックの出口が見えはじめた。今後、金融市場も徐々に回復の波に乗るだろう。低金利環境下にあって、比較的高い利回りの分配金収入を得られるJリートやインフラファンドの魅力は、新型コロナウイルス禍という世界的危機を経験してなお色あせない。先行き不透明感が払しょくしきれない局面だからこそ、不動産や再生可能エネルギー発電施設などを投資対象とする金融商品の安定性はひときわ目を引くともいえる。特にインフラファンドは、再生可能エネルギーへの社会の期待の高まりを背景に、今後一層の成長が期待される金融商品だ。10月26日に開催された「日経Jリート・インフラファンドWEBセミナー(主催:日本経済新聞社イベント・企画ユニット)」には、インフラファンド2法人が登壇。各々の投資戦略に加え、再生可能エネルギー発電施設への投資の魅力や社会的意義などを投資家に説明した。
基調講演
ニッセイ基礎研究所
コロナ禍による影響の出口が見みえはじめ
Jリート市場の本格回復への期待高まる
ニッセイ基礎研究所 金融研究部 岩佐 浩人 氏

ニッセイ基礎研究所
金融研究部
岩佐 浩人

Jリートは投資家などから募った資金を基に不動産を購入し、その運用益や売却益を配当する金融商品です。
 魅力は分配金利回りの高さで、21年9月末時点の平均利回りは3.5%です。Jリートには、利益のほとんどを分配すると法人税がかからないという制度があるため、比較的高い利回りを堅持できているのです。過去実績によれば10年保有の収益率は224%、20年保有では416%と、長期で保有するほどメリットを享受できる点も特長です。
 コロナ禍を踏まえたJリート市場の動向と見通しについては、分かっていることと分からないこととを整理しながら検討する必要があります。例えば現状、物流施設や住宅などが好調な一方、ホテルや商業施設は苦戦を強いられるなど、アセットタイプごとに不動産の相対価値が上下する傾向がみられますが、今後、絶対価値がどのように決まるかは不透明です。こうした要因は、短期的には感染状況や治療薬・ワクチンの動向に、長期的にはニューノーマルがもたらす行動変容などに影響されるでしょう。
 昨年3月、Jリート指数が急落した際には先行き不透明感が市場を覆う局面もありました。しかし今年に入ってから指数は徐々に持ち直し、節目の2000ポイント台も回復しています。幸いだったのはリーマン・ショック時とは異なり、コロナショックでは不動産価格の下落はみられなかったことです。騰落率をみても21年6月期は前年同期比で0.5%増加と横ばいからやや上向きの水準です。今後、外出自粛の緩和に伴い、ホテルやオフィスの収益が本格回復の波にのれば、今後5年ほどで分配金は12%上昇すると予想できます。Jリート市場においても、コロナ禍による影響の出口がそろそろ見え始めたというところです。
 世界的な低金利政策が続く中、「キャッシュフローの安定性の高い金融商品」として海外の投資家からもJリートが支持され、分配金水準が押し上げられています。特にアメリカ長期金利が外国人投資家の投資心理に与える影響は大きいので、今後、どのタイミングで金利が上昇に転じるかに注意する必要があるでしょう。
 利回りの高さと安定性が魅力の金融商品としてはインフラファンドも見逃せません。15年に市場が開設されたインフラファンドは、投資家から集めた資金を基にインフラ施設などを購入し、その運用益や売却益を配当するなど、Jリートとよく似た仕組みを持つ金融商品です。21年9月末時点の分配金利回りは5.9%の高水準。現在、上場7銘柄すべてが太陽光発電施設に投資をするファンドです
 昨年4月には東証インフラファンド指数の公表も始まりました。21年1~9月期の配当込み指数の上昇率は6.6%と、良いペースで成長していることが分かります。相場の世界ではよく「国策に『売り』なし」といわれます。これは、国の政策で恩恵を受ける金融商品は買いだという意味です。脱炭素の世界的潮流が加速する中、日本にも先進国の一因として責任ある行動が求められています。再生可能エネルギー発電施設の社会的意義が高まるほど、投資対象としてのインフラファンドの魅力も向上することは間違いないでしょう。
 Jリート、インフラファンド共に、リスクとメリットを十分吟味した上で、老後を見据えた資産形成の一手段としての投資を検討していただければと思います。

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タカラレーベン・インフラ投資法人
投資主価値最大化に欠かせない要因として
サステナビリティー課題解決に積極的に取り組む
タカラアセットマネジメント 代表取締役社長 髙橋 衛 氏

タカラアセットマネジメント
代表取締役社長
髙橋 衛

2016年6月にインフラファンド市場に第1号ファンドとして上場した本投資法人は、今日までの資産運用の中で、独自の強みやノウハウを磨き上げてきました。
 一つ目の強みは、スポンサーのタカラレーベングループのサポートを生かした、資産価値の高い発電施設の継続的な取得です。上場から5年半で資産規模は約6.7倍の507億円にまで成長しました。
 利益分配を重視した還元方針も本投資法人の特長です。資本の払い戻しである利益超過分配ではなく、利益から分配金を多く作っていくかにこだわって運用しており、一口当たり分配金に占める利益分配金の割合は21年5月期実績で87.5%。上場インフラファンドの平均値は63%(直近実績に基づく)ですから、大きな差があります。分配金の安定性の確保のみならず、アップサイドの機会も着実に捕捉するため、賃料体系も一工夫しています。客観的予測から導き出した想定発電量に基づく発電量に関係なく受領可能な「最低保証賃料」と、実際の発電量が予測を上回った場合に収受できる「実績連動賃料」の二本柱の賃料体系を採用しています。
 21年10月末現在で38の太陽光発電施設を保有。資産規模は約507億円、合計パネル出力数は約131メガワットです。エリア別には、電力需要の高い関東・中部・関西エリアで全体の72%を占め、あとの30%弱を全国各地でバランスよく保有する、分散の利いたポートフォリオを構築しています。
 ESG(環境・社会・企業統治)の推進やSDGs(持続可能な開発目標)への貢献が投資主価値の最大化にも資するという考えから、発電施設の立地地域での寄付や協賛活動など、サステナビリティーを重視した活動も幅広く展開しています。世界的に用いられているESGのパフォーマンスを図る評価であるGRESB評価についても、直近の2021年度の評価においては最高位の5スター、2019年に続きアジア地域におけるセクターリーダーにも選出されています。また、20年12月の公募増資に際しては、「グリーンファイナンスフレームワーク」を策定。このフレームワークは、デット(借入金など)とエクイティ(投資口など)双方を対象とするもので、特にエクイティにおけるグリーン認証取得は上場投資法人では初の事例となりました。こうした先進性が評価され、当該フレームワークは日本格付け研究所(JCR)より最高ランクである「Green1(F)」の格付けを付与されています。
 今後も、自然エネルギーの活用を通じた価値の創造と投資主価値の最大化という基本理念の実現に向け、サステナブルな社会の実現に貢献すべく、ESG経営にも引き続き積極的に取り組んでいくと共に、投資商品としての魅力がさらに増すように資産規模の拡大を引き続き図り、利益分配金による配当の最大化を目指していきます。

タカラレーベン・インフラ投資法人についてタカラレーベン・インフラ投資法人について
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エネクス・インフラ投資法人
電力需要の高い関東・中部エリア中心に
安定性高いポートフォリオを構築
エネクス・インフラ投資法人 執行役員 兼 エネクス・アセットマネジメント 代表取締役 松塚 啓一 氏

エネクス・インフラ投資法人
執行役員 兼 エネクス・アセット
マネジメント 代表取締役社長
松塚 啓一

本投資法人は、21年10月現在、関東・中部を中心に8物件を保有しています。取得価格ベースの資産規模は592億円、合計パネル出力数は138メガワットです。
 メインスポンサーは、電力事業の卓越したノウハウを有する伊藤忠エネクスです。加えて、三井住友信託銀行、マーキュリアインベストメント、マイオーラ・アセットマネジメントの3社もスポンサーに名を連ねています。4社それぞれの経験や実績に裏付けられた知見の共有のほか、着実な外部成長に資するパイプライン・サポートの提供など、スポンサー各社による手厚いサポートは本投資法人の強みであり、また将来の成長ポテンシャルを支える原動力でもあります。
 そもそも太陽光発電施設は、ほかの再生可能エネルギー発電に比較して運営や管理の手間がかからず、コストも低いといった特長を有しており、ボラティリティ(価格変動率)の低い、優良な投資対象だといえます。売電はFIT制度(固定価格買取制度、再生可能エネルギーで発電された電力を、電力会社が20年間の期限つきで固定価格で買い取る制度)に基づいて行っていますから、収益の安定性も保証されています。加えて、本投資法人の主要投資エリアである関東・中部エリアは、電力需要が旺盛であるだけでなく、電力の需給バランス調整などのための出力制御要請リスクも低い地域であり、発電量は年間通して安定的です。それにより、パフォーマンスも安定的に推移しています。
 継続的な外部成長の実現のため、新規物件の取得にも積極的に取り組んでいます。現在、取得を視野に検討を進めているパイプライン物件は、太陽光発電施設7物件、風力発電施設2物件、水力発電施設3物件の12物件。風水力発電施設は夜間や冬季など、太陽光発電のパフォーマンスが下がる時にも発電できるメリットがあり、ポートフォリオに組み込むことで、発電量や売電収入の一層の安定が期待できます。
 インフラファンドは、パフォーマンスの安定性が高いだけでなく、脱炭素への貢献など、社会的意義も大きい金融商品です。本投資法人の成長を通じて実現したいビジョンの一つは、投資主の皆様がインフラファンドに投資する機会を拡充することです。
 今後、スポンサーグループと連携し、CO2(温暖化ガス)フリー電源の活用促進など、再生可能エネルギーの社会的評価を高める活動にも積極的に取り組み、再生可能エネルギーの普及・拡大にも貢献してまいります。

エネクス・インフラ投資法人についてエネクス・インフラ投資法人について
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●本コンテンツは情報提供を目的としており、特定の金融商品の推奨や投資勧誘を意図するものではありません。購入や投資をされる場合は、ご自身の判断と責任で行ってください。
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