J-REIT Infrastructure Fund Forum

金融の先行きが見通しにくい環境下で安定収益が期待できる投資商品の強み 金融の先行きが見通しにくい環境下で安定収益が期待できる投資商品の強み
長引く新型コロナウイルス禍や、緊迫するウクライナ情勢などにより、金融市場に緊張が走っている。老後を見据えた資産形成に取り組む個人投資家にとって、現在は安心して投資ができる環境とは言いがたいだろう。ただ、こうした環境だからこそ、Jリートやインフラファンドの収益の安定性と利回りの高さが一層目を引く。22年1月末時点のJリートの平均利回りは3.7%、インフラファンドの平均利回りは6.4%の高水準だ。コロナ禍により投資口価格の水準は低下しているが、いずれ来る本格回復の波を見据えれば、現在を投資の好機と捉えることもできるだろう。2月24日に開催された「日経Jリート・インフラファンドWEBセミナー(主催:日本経済新聞社イベント・企画ユニット)」には、リート1法人とインフラファンド1法人が登壇。その投資方針や成長戦略などを投資家に説明した。
基調講演
ニッセイ基礎研究所
底堅いパフォーマンスを堅持する
金融商品への期待感さらに高まる
ニッセイ基礎研究所 金融研究部 岩佐 浩人 氏

ニッセイ基礎研究所
金融研究部
岩佐 浩人

Jリートは、証券口座を通じて売買ができるなど、株式との共通点が多くあり、「見た目は株式、中身(投資対象)は不動産」ともいうべき特徴をもつ金融商品です。その仕組みは、投資法人が投資主から集めた資金などをもとに不動産を購入し、賃料や売却益を分配金として還元するというもの。2022年1月末時点で、東証Jリート市場には61銘柄が上場しており、時価総額は約61兆円に上ります。
 Jリートは毎年1~2兆円前後の資金を投じて物件を取得していますから、市場規模は今後も継続的に拡大する見通しです。コロナ禍も例年並みかそれ以上の額で物件を取得しており、21年は約1.6兆円の物件を取得しました。
 なお、リーマン・ショック後、不動産価格の下落がJリート市場に大打撃をもたらしましたが、現時点では、コロナショックによるリート保有不動産の大規模な価格下落はみられません。ホテルや商業施設などの価格は弱含んでいるものの、21年11月末時点でリートが保有する不動産の価格は同年6月から0.6%上昇しており、底堅く推移しています。
 Jリートの最大の魅力は、利回りの高さです。高利回りを支えているのは、利益の9割以上を分配金として還元すると、法人税が実質免除される「導管性要件」という制度です。22年1月末時点の平均利回りは3.7%と、株や国債などと比較しても高い水準を堅持。投資口価格の値上がり益を含む総合収益率は、過去5年保有で28%、10年保有で237%と、長期保有するほど多くの利益を得られる金融商品でもあます。
 コロナ禍の影響については、すでに分かっていることと、まだ分からないことを整理して考える必要があります。すでに分かっていることとして、例えば、ホテルや商業施設が苦戦する一方、物流施設や住宅の評価が高まるなど、不動産のアセットタイプごとの相対的価値の変化が挙げられます。一方で、今後の不動産賃貸市況の動向や、調整局面を迎えたオフィスビル市況がいつ底打ちするかなど、まだ分からないこともあります。これらを決定する要因は、感染動向や各国の金融政策など多岐にわたる上、米国の政策金利引き上げやウクライナ情勢などの国際動向も影響するでしょう。当面、市場を巡る複雑かつ多様な動向に、慎重に目を配る必要があります。
 Jリートとよく似た仕組みの金融商品に、インフラファンドがあります。インフラファンドは、投資主から集めた資金などで取得したインフラ資産(再生可能エネルギー発電施設など)の運用益や売却益を、投資主に分配する金融商品です。利益の9割以上を分配すると法人税が実質免除される制度(導管性要件)もJリートと共通しており、利回りは魅力的な水準で推移しています。21年1月末時点の平均利回りは6.4%です。
 市場開設は16年6月と、比較的新しい金融商品ですが、20年4月には「東証インフラファンド指数」の公表が始まるなど、市場整備が着々と進んでいます。22年2月末時点で、東証インフラファンド市場には7銘柄が上場。その全てが太陽光発電施設に投資しており、2050年脱炭素実現に向けて再生可能エネルギーの普及が進む中、金融商品としてのパフォーマンス向上にも一層の期待が寄せられています。
 導管性要件の期限(20年)などの懸念材料はあるものの、社会的意義を有する金融商品であることは間違いないので、市場規模のさらなる拡大や流動性向上などに向けて、政策当局の積極的な関与を期待したいところです。

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積水ハウス・リート投資法人
オフィスビル・住居を中心に
環境性能にも優れた質物件に厳選投資
積水ハウス・アセットマネジメント株式会社 代表取締役社長 阿部 亨 氏

積水ハウス・アセットマネジメント株式会社 代表取締役社長阿部 亨

積水ハウスグループの多様なサポートを強みとする本投資法人は、オフィスビル・住居を中核資産とする総合型リートです。2022年2月現在、119物件を保有しており、取得価格ベースの資産規模は約5,638億円に上ります。
 ポートフォリオは、オフィスビルと住居に45%ずつ投資し、残り10%をホテルや商業施設に投資するという方針に沿って構築しています。現在、保有119物件のうち、オフィスビルは7物件で、資産規模ベースの投資比率は全体の47.3%に相当します。住居は111物件で、投資比率は45.7%。ほかにホテル2物件を保有しています(22年2月1日現在)。
 積水ハウスグループのサポートを活用し、環境性能にも優れた高品質な物件に厳選投資することで、ポートフォリオの質も確保しています。上場来、パフォーマンスも着実に成長しており、18年には1,550円前後だった一口当たり分配金水準も、この4年ほどの間に1,600円前後に到達しました。コロナ禍の影響が出る来期から当面の間は、分配金を1,700円前後に維持できるよう努めます。現状、来期(2022年4月期)の一口当たり分配金は1,698円、来々期(2022年10月期)は1,688円を予想しており、内部留保の活用により収益悪化による分配金への影響を最小限に抑える方針です。
 ポートフォリオの質の高さは稼働率にも反映され、コロナ禍の影響があっても、全体の稼働率は97%前後を堅持しています。
 本投資法人が現在直面している課題の一つは、オフィスの空室の埋め戻しです。テレワークの普及などにより、この2年程の間に都心オフィスの空室率が上昇しました。ただ、21年の夏以降、徐々に都心オフィス需要が回復し、ひとまず厳しい局面は脱しました。
 ホテル業績の回復による歩合賃料の収受も課題です。これについても、昨年秋の緊急事態宣言の解除以降、需要の回復による収益改善が進んでいるところであり、一時期よりは見通しが明るくなっています。
 本投資法人は、良質なポートフォリオの構築による投資主価値の最大化に加え、ESG(環境、社会、ガバナンス)にも配慮した資産運用を実践しています。ESGレポートも発行し、脱炭素への貢献に向けた目標も策定しています。目標の一つは、2030年度までに18年比で二酸化炭素(CO2)排出量を50%削減すること。もう一つは、ポートフォリオのグリーン認証取得物件比率70%を30年度までに達成することです。
 今後も、物件の環境性能にも目を配りながら、ポートフォリオの質を一層磨き上げてまいります。

積水ハウス・リート投資法人について積水ハウス・リート投資法人について
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ジャパン・インフラファンド投資法人
丸紅とみずほグループのサポートを活用し
安定性と収益性高いポートフォリオ構築
ジャパン・インフラファンド・アドバイザーズ株式会社 代表取締役社長 川上 宏 氏

ジャパン・インフラファンド・アドバイザーズ株式会社
代表取締役社長
川上 宏

本投資法人は、2020年2月に上場したインフラファンドです。主な投資対象は、太陽光発電設備を中心とする再生可能エネルギー発電設備で、22年2月現在、36の太陽光発電設備を保有しています。取得価格ベースの資産規模は約317億円、合計パネル出力数は約90メガワットです。
 強みは、物件取得や管理、運営、ファイナンスに至るまで、再生可能エネルギー発電事業に関する豊富な知見とノウハウを持つスポンサーのサポートを受けられることです。
 メインスポンサーの丸紅は、太陽光だけでなく、風力や水力、バイオマスを含む多様な再生可能エネルギー発電事業を国内外で展開しています。日本初の大型洋上風力発電事業の商用化プロジェクトなど、再生可能エネルギーのさらなる普及や発展に向けて、新たな事業にも果敢に挑戦しています。また、みずほグループは再生可能エネルギー発電事業に対するファイナンスの豊富な実績や、関連企業・組織とのコネクションを有しています。
 スポンサーサポートを活用し、ポートフォリオの安定性と収益性を両立させていることも本投資法人の強みです。上場当初の保有資産は15物件、資産規模は約100億円でしたが、この3年弱で36物件、約317億円にまで増加。上場来、順調に資産規模の拡大を図ると共に、北海道から九州まで、ポートフォリオの地域分散も向上させてきました。長期目標である資産規模1,000億円到達を目指し、今後も外部成長戦略をどん欲に実践してまいります。
 脱炭素への機運が高まる中、良質なグリーンファイナンスへの投資機会の提供も、投資法人の重要な役割と目されるようになりました。本投資法人は、上場時の資金調達において、R&I(格付投資情報センター)のグリーンボンドアセスメントで最上位となるGA1を獲得。その後の公募増資に際して策定したグリーンエクイティ・フレームワークに対しても、R&Iより「グリーンボンド原則」などの趣旨に準じるものであるとのセカンドオピニオンを取得しており、環境にやさしい資産運用をする投資法人として、第三者機関から評価されています。
 今後も、再生可能エネルギー発電設備への投資により、持続可能な社会の構築と投資主価値の最大化を両立させ、広く社会に貢献できる投資法人であり続けます。

ジャパン・インフラファンド投資法人についてジャパン・インフラファンド投資法人について
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●本コンテンツは情報提供を目的としており、特定の金融商品の推奨や投資勧誘を意図するものではありません。購入や投資をされる場合は、ご自身の判断と責任で行ってください。
●講演資料はセミナー開催時点のものとなります。最新の情報は各投資法人のHPなどをご確認ください。