J-REIT Infrastructure Fund Forum

コロナ禍での物価上昇局面迎え 収益安定性の高い金融商品へ期待高まる コロナ禍での物価上昇局面迎え 収益安定性の高い金融商品へ期待高まる
新型コロナウイルス禍がもたらした世界の供給網への影響や資源価格の高騰などにより、日本にも物価上昇の波が訪れている。長く続いたデフレからインフレへの移行が、日本経済にどう影響するかはいまだ不透明だ。資産防衛策を検討する個人投資家は、当面は緊張感をもって市況を観察せねばならないだろう。現在は、先行き不透明感が漂う状況だからこそ、資産運用の安定性が重視される局面でもある。安定性の高い資産の一つが不動産で、不動産賃料は景気に左右されにくい特徴を持つ。しかし実物不動産への投資には、相応の手間やコストがかかる。そこで頼りになるのがJリートだ。銘柄によっては一口数万円台から投資でき、運用も資産運用会社に委託できる。ほかの金融商品と比較して、利回り水準が高いところも魅力だ。2022年2月末時点の平均利回りは3.88%と、東証1部上場株式や国債の利回りを上回っている。3月23日に開催された「日経Jリート・インフラファンドWEBセミナー(主催:日本経済新聞社イベント・企画ユニット)」には、リート2法人が登壇。その投資方針や成長戦略などを投資家に説明した。
基調講演
アイビー総研株式会社
インフレ下でも賃料上昇を期待できるか否かが
インフレ対抗のためのJリート投資の判断基準に
アイビー総研株式会社 代表取締役 関 大介 氏

アイビー総研株式会社
代表取締役
関 大介

Jリートは、投資法人が所有する不動産の賃料収入などをベースに、投資主に分配金を支払う金融商品です。
 不動産賃料は景気の影響を受けにくいため、収益は概ね安定的に推移します。なおかつJリートには、利益の9割超を分配すると法人税が実質免除される制度があり、分配金水準も高めです。またJリートは一般的な不動産会社と異なり、運用を外部の資産運用会社に委託しており、Jリート投資の世界では資産運用会社の株主をスポンサーと呼びます。
 心にとどめておきたいのは、合併や買収などによるスポンサー変更も起こりえるということです。スポンサー変更の際には、投資方針や物件取得パイプラインなどへの影響を確認しましょう。
 金融商品としての特長としては、利回りの高さのほか、国内不動産への投資が中心なので、パフォーマンスが為替の影響を受けにくいことなどがあります。多くの投資法人が年2回の決算期を設けており、決算時期も分散されていますから、決算期の異なるリートに複数投資することで、毎月のように分配金を受け取ることも可能です。上場金融商品であるゆえ厳格な情報開示義務が課せられていることも、投資主にとっては安心材料となります。
 市場動向によっては、価格が急落することもあります。2020年3月のコロナショック時には、東証リート指数(配当込み)が、前年末比で50%近く急落しました。その後、指数は持ち直し、21年3月には節目の2000ポイント台まで回復。足元では、1900ポイント前後で推移しています。Jリートは投資市場のネガティブな影響を受けやすい側面もありますが、急落時に慌てて売らないことが大切です。コロナショックを受けて分配金にも若干マイナスの影響が出ていますが、コロナ禍が始まった20年初頭から現在に至るまで、前年同期比の分配金は増配基調をキープし、金融商品としての底堅さを発揮しています。
 コロナ禍でもJリートの価格が回復した理由は、外国人投資家からの大幅な買い入れです。Jリートはこれまで、世界的な低金利環境の中で、比較的高利回りの金融商品として評価されてきました。とりわけ価格に影響しやすいのが米国10年国債の利回りで、米国10年国債の利回りが2%を超えるとJリート指数が下落し、利回りが2%より下がればリート指数が上昇するという現象がみられます。現在、米国長期金利は上昇基調にありますから、当面は外国人投資家の動向を注意して見守る必要があるでしょう。
 昨今、世界的なインフレ懸念の高まりを受け、インフレ対抗資産への投資を検討する投資家も増えています。インフレ対応のためにJリートへの投資を検討する際に重視すべきは、インフレ環境下で不動産価格や賃料の上昇が期待できるかどうかです。
 オフィスビルは景気が拡大し、企業収益も拡大した場合には賃料負担力増加が期待できるでしょう。都市型商業施設では、消費者の所得が増加すればテナント売り上げが増加しますから、歩合賃料や賃料単価の大幅上昇が期待できます。物流施設なら、長期の賃貸契約を締結しているテナントが少なければ、インフレ下で機動的に賃料を上昇させることが期待できます。ホテル系リートは苦戦を強いられていますが、感染状況が落ち着き、インバウンドも回復すれば、宿泊需要拡大による賃料上昇を期待できるでしょう。
 なお、インフレに耐えうる銘柄を見定めるためには、金融機関などからの借り入れの期間や金利(固定・変動)などを確認し、保守的な財務運営を行っているか見定めることも大切です。
 2001年の市場創設以来、Jリート市場はインフレを経験したことがなく、今後の見通しには不明瞭な点も多々あります。不動産価格上昇による売却益の増加が分配金を押し上げたとしても、それを市場がどう評価するかは未知数です。売却益を重視する場合には、不動産会社の株式への投資も有力な選択肢となってくるでしょう。これらの点にも注意しながら、インフレに対抗する資産運営のためのJリート投資について、検討していただければと思います。

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アクティビア・プロパティーズ投資法人
プライム立地の物件に厳選投資する戦略で
安定性と収益性に優れたポートフォリオ構築
東急不動産リート・マネジメント株式会社 アクティビア運用本部 運用戦略部長 村山 和幸 氏

東急不動産リート・マネジメント
株式会社 アクティビア運用本部
運用戦略部長
村山 和幸

本投資法人は、高い競争力を誇るプライム立地の物件に厳選投資する総合型リートです。重点投資対象は山手線南側のオフィスエリアを中心に立地する「東京オフィス」と、わが国有数の繁華街に位置する「都市型商業施設」です。こうした収益性の高い物件と、長期固定賃料契約を中心とする保守的な契約を締結することで、安定性と成長性を兼ね備えたポートフォリオを構築しています。
 2012年の上場以来、東急不動産グループからのスポンサーサポートを背景に、投資法人として着実な成長を遂げてきました。メインスポンサーの東急不動産は、「100年に一度」とも称される渋谷の大規模再開発にも携わっていますから、本投資法人の将来の成長可能性は一層大きく広がっています。
 コロナ禍では苦しい局面も経験しましたが、プライム立地の物件に投資する戦略により、21年11月期末時点の稼働率は97.5%の水準を堅持しています。
 オフィスでは、渋谷や恵比寿など「広域渋谷圏」の需要は堅調な半面、汐留や新橋などの山手線の東側エリアではやや需要が鈍化しています。今後、需要が弱いエリアの物件売却も視野に、ポートフォリオの質の向上を図る方針です。
 商業施設では99%のテナントと固定賃料契約を締結し、収益の安定性を確保しています。最近では、感染状況が落ち着くに従って賃料減額要請件数も減少してきました。賃料減額に応じる場合には、テナントと丁寧なコミュニケーションをとった上で減額期間終了後の賃料増額などの代替条件を提示し、今後のリスク削減や収益性向上につなげています。
 今後、市況の本格回復期までに分配金の成長基盤を一層強固にすべく、賃料増額などの内部成長機会を的確に捉えて、収益改善を図っていまいります。また、資産入れ変えによるポートフォリオの質の向上にも継続的に取り組みます。直近21年11月期には物件入れ替えの成果もあり、一口当たり分配金は9,360円と、期初予想を上回る水準で着地しました。当面、売却益を計画的に計上することで一口当たり分配金9,200円の水準を堅持します。
 長期有利子負債比率100%、固定金利比率96.6%(21年11月末時点)と、分配金の安定成長にも貢献する保守的な財務運営も本投資法人の強みですから、今後も継続します。しばらくは楽観できない状況が続くと予想されますが、アフターコロナのさらなる成長も見据え、投資主価値の最大化に一層力を注いでまいります。

アクティビア・プロパティーズ投資法人についてアクティビア・プロパティーズ投資法人について
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CREロジスティクスファンド投資法人
国内物流不動産事業で50年の実績有する
スポンサーのサポート活用し着実な成長実現
CREリートアドバイザーズ株式会社 代表取締役社長 伊藤 毅 氏

CREリートアドバイザーズ
株式会社
代表取締役社長
伊藤 毅

本投資法人は、日本の物流不動産市場で50年以上の実績を有するCREグループをスポンサーとする物流施設特化型リートです。良質な物流施設の供給・開発や運営への貢献を通じた投資主価値の最大化を目指し、2018年12月に上場しました。
 CREグループは、国内有数の物流施設中心型プロパティ・マネジメント会社であり、物流不動産専業デベロッパーです。物流不動産の開発から管理・運営までを手掛ける中で築いた独自のノウハウと、物流事業者のみならず、製造業や小売業など、広範な業種との間に構築したテナントネットワークが強みです。
 本投資法人は、CREグループ開発の物流施設「ロジスクエア」を重点投資対象としています。ロジスクエアは、インターチェンジへの距離はもちろん、労働力確保もしやすいよう公共交通機関からのアクセスも良い立地に位置しています。天井高や柱スパン(柱と柱の間の距離)など、様々なテナントニーズに応えられる基本仕様を確保しているのはもちろん、エントランスや共用部の意匠や快適性にも配慮し、従業員の働きやすさにも心を砕いています。
 22年3月末時点の保有施設20物件は、全てロジスクエアブランドの物流施設です。これまでに5回の公募増資を行い、そこで得た資金を基に物件を取得して、上場来、着実な外部成長を遂げてきました。上場時、約477億円だった取得価格ベースの資産規模は、現在では約1,346億円に到達しています(22年3月末時点)。本投資法人は、CREグループの開発物件の優先交渉権を有しており、将来の外部成長戦略も明確です。22年3月末時点のパイプラインは11物件、延べ床面積の合計は約49,739㎡に上ります。
 近年では、社会的要請に応える投資法人であるべく、ESG(環境・社会・企業統治)経営にも注力しています。21年には、GRESB(不動産関連企業・組織のESG配慮を測る国際的ベンチマーク)に初参加し、3スターの評価を獲得。また健全なガバナンスの実践のため、スポンサーの代表と資産運用会社の役員が一定数の投資口を保有し、資産運用に常に投資主の目線が反映される体制も整えています。
 今後も投資主利益のみならず、社会の一員としての責任を自覚し、安定的かつ継続的な成長を実現してまいります。

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●本コンテンツは情報提供を目的としており、特定の金融商品の推奨や投資勧誘を意図するものではありません。購入や投資をされる場合は、ご自身の判断と責任で行ってください。
●講演資料はセミナー開催時点のものとなります。最新の情報は各投資法人のHPなどをご確認ください。