J-REIT Infrastructure Fund Forum

平均利回り3~4%の水準を堅持し 安定した分配金を期待できる金融商品の存在感発揮 平均利回り3~4%の水準を堅持し 安定した分配金を期待できる金融商品の存在感発揮
老後を見据えた資産形成手段として、投資初心者にも人気の金融商品がJリートだ。人気の理由には、景気の波に影響されにくい不動産賃料を分配金原資とする安心感や、実際の運用を不動産のプロである資産運用会社に委託できる手軽さなどがある。最近では、都心オフィスの空室率の上昇傾向が一部エリアで鈍化するなど、新型コロナウイルス禍の影響にも一服感が見受けられる。2022年3月末の平均利回りは3.64%と、概ね2%前後で推移する東証プライム上場株式の利回りと差をつけ、3~4%の水準を堅持している点も魅力だ。4月27日に開催された「日経Jリート・インフラファンドWEBセミナー(主催:日本経済新聞社イベント・企画ユニット)」には、リート1法人とインフラファンド1法人が登壇。その投資方針や成長戦略などを投資家に説明した。
基調講演
ファイナンシャル・プランナー(日本FP協会認定 CFP®認定者)
価格変動に耐える銘柄の吟味には
分配金の内容や成長戦略の見極めが重要
ファイナンシャル・プランナー(日本FP協会認定 CFP®認定者)北野 琴奈 氏

ファイナンシャル・プランナー (日本FP協会認定 CFP®認定者)北野 琴奈

円安による割安感が
海外からの再評価につながる

月に数万円でも積み立て運用を継続すると、資産を効率的に増やすことができます。例えば、月に3万円を20年間積み立てると貯蓄額は720万円となりますが、利回り3%の投資商品で20年間運用すると、得られる金額は983万円に増えます。こうした長期的な資産運用手段の一つとして、ポートフォリオにJリートを組み込むことを検討してみてもよいと思います。
 Jリートに関して、コロナ禍前後のパフォーマンスの変遷を気にされる方も多いはずです。まずは、この2年ほどの東証リート指数の推移と、その原因を振り返ってみましょう。
 コロナ禍前、東証Jリート市場は旺盛な都心オフィス需要にけん引される形で順調に成長していました。2020年2月には、東証リート指数(配当込み)が4681ポイントで最高値(当時)を記録。しかし3月になると、感染状況の深刻化による社会経済の停滞を受けて、前年末比約46%減まで指数が急落します。その後の景気回復に合わせてリート市場もゆるやかに回復するものの、米国の金利上昇が鮮明に打ち出された21年下期あたりから海外投資家からの売りが相次ぎ、パフォーマンスがやや軟調に。22年に入ってからは、海外投資家が市場に戻ってきているのですが、投資信託や銀行によるJリートの売却をカバーしきれず、指数は再び下落しました。それでも2月頃からは、円安による割安感が相対的にJリートの評価を高めたからか、海外投資家による資金流入がさらに活発化し、市況も回復基調に。22年3月末時点の東証リート指数(配当込み)は4536ポイントです。
 今後の市況を予想する上では、世界的な金利上昇の動向や、その持続性の見極めが重要となってきます。また、世界の金融商品と比較したJリートの相対的評価に大きく影響する要因として、円安や円高といった為替の動きを抑えておくことも必要でしょう。ほかに、海外投資家や銀行、証券会社など、Jリート市場を構成する投資部門の動向などにも注意する必要があります。


大切なのは投資口価格の上下に
耐え得る銘柄を見極めること

Jリートの基本的な仕組みは、投資主などから集めた資金をもとに投資法人が不動産を購入し、その賃料や売却益などを分配金として還元するというものです。不動産賃料を分配金原資とすることによる安定性のほか、利益の9割超を分配すると法人税が実質免除される制度があるため、分配金利回りが高くなりやすいことなどが特長です。
 投資商品である以上、投資口価格の上下は必ずあります。大切なのは、価格の上下に耐えられる銘柄を見極めることです。価格を下支えするのは分配金ですから、分配金の維持、あるいは上昇を見込める銘柄を見極めて投資しましょう。重要な着眼点は、賃料水準や物件競争力、運用会社の管理ノウハウの多寡、スポンサーの性質などです。加えて、分配金の推移をみることも大切です。分配金の価格だけでなく、分配金原資のうち賃料収入と売却益の占める割合のバランスなど、その内容もチェックしましょう。
 コロナ禍などの厳しい市場環境下で賃料収入が低下すると、物件を売却して分配金水準を維持する投資法人もでてきます。そのこと自体の是非は、一概に判断できるものではありません。投資家としては、売却益を分配金原資とすることに対する投資法人の考え方や、売却がその場しのぎの一手ではなく、将来まで見越した戦略があるかどうかを、しっかり確かめることが大切です。
 投資銘柄を見極める際には、様々な資料に目を通しましょう。不動産証券化協会のホームページや、不動産投信情報ポータル、Jリートに関するデータを提供する「J-REIT DATA」のサイトなどが参考になります。各投資法人のホームページや決算報告書なども、投資判断に役立つ情報源となるでしょう。
 Jリートと同様に、個人投資家のポートフォリオに組み込む金融商品として一考の余地があるのが、インフラファンドです。インフラファンドは、投資法人が保有するインフラ施設の運用益や売却益を、分配金として還元する金融商品です。22年4月15日時点で、東証インフラファンド市場には7銘柄が上場しており、その全てが再生可能エネルギー発電施設に投資しています。平均利回りは、概ね6%前後です。FIT制度(固定価格買い取り制度=再エネ発電施設で発電した電力を、一定期間、国が定めた価格で電力会社が買い取る制度)や、今年度から導入されているFIP制度(再エネ発電事業者が売電する際、国から一定のプレミアムを交付される制度)への考え方や対応の仕方などが、各銘柄の性格や将来性を見極める一助となるでしょう。

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タカラレーベン・インフラ投資法人
上場投資法人として一歩先を行くESG対応で
グリーンファイナンスへの投資機会拡充に貢献
タカラアセットマネジメント株式会社 代表取締役社長 髙橋 衛 氏

タカラアセットマネジメント
株式会社 代表取締役社長
髙橋 衛

「自然エネルギーの活用を通じた価値の創造」を基本理念とし、再生可能エネルギー発電施設に投資する本投資法人は、2016年6月、東証インフラファンド市場に第一号ファンドとして上場しました。スポンサーはマンションを中心に多様な不動産の開発・運営を手掛ける総合デベロッパー、タカラレーベンです。
 2022年4月時点の保有施設は42物件、合計パネル出力数は約171.5メガワットです。取得価格ベースの資産規模は約678億円と、上場5年半で約9.2倍に増加しました。一口当たり分配金は全ての決算期で期初予想を上回る金額で着地するなど、上場来、着実な成長を遂げてきたことが大きな強みです。
 利益超過分配金(いわゆる資本の払い戻し)に頼りすぎない、利益分配を重視する分配方針も特長で、4月1日時点の分配金利回り(22年5月期の予想分配金を4月1日の終値で割って算出)約6.18%のうち、純利益に基づく利益分配金が5.48%を占めています。また、発電量に関わらず収受可能な「最低保証賃料」と、実際の発電量に連動する「実績連動賃料」を両立させることで、安定性とアップサイドの追求を兼ね備えた賃料形態を採用していることも特長です。保有物件は、東京電力、中部電力、関西電力管内など、電力需要の高いエリアを中心に各地に位置しており、ポートフォリオの地域分散も効いています。
 ESG(環境・社会・企業統治)対応にも力を注いでおり、昨年行った公募増資の際は、環境負荷低減のため、個人投資家も対象とする、目論見書の印刷をしないペーパーレスのグローバルオファリングを、わが国で初めて実施しました。また21年度には、GRESB(不動産セクターのESG配慮をはかる国際的ベンチマーク)で最高位の5star評価を得ると共に、アジア地域のセクターリーダーにも選出されています。加えて、JCR(日本格付研究所)からデット(貸付)とエクイティ(資金調達)両方で「Green1(F)」のグリーンファイナンス・フレームワーク評価を獲得するなど、脱炭素に向けて大きく舵を切る世界的潮流を踏まえ、グリーンファイナンスへの投資機会拡充に寄与すべく、一歩踏み込んだ取り組みを実践しています。
 今後も、利益分配金を重視する分配方針や、安定した配当実績、充実したESG対応などの強みを生かした資産運用で投資主価値の最大化を実現し、広く社会に貢献してまいります。

タカラレーベン・インフラ投資法人についてタカラレーベン・インフラ投資法人について
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SOSiLA物流リート投資法人
住友商事グループのサポートフル活用し
先進的物流施設「SoSiLA」シリーズに重点投資
住商リアルティ・マネジメント株式会社 常務取締役 上場リート事業部長/SOSiLA物流リート投資法人 執行役員 松本 展彦 氏

住商リアルティ・マネジメント
株式会社
常務取締役 上場リート事業部長/
SOSiLA物流リート投資法人
執行役員
松本 展彦

本投資法人は、住友商事が開発する先進的物流施設「SoSiLA」シリーズへの重点投資を通じた、投資主価値の最大化を目指しています。
 スポンサーの住友商事は、総合商社として幅広いノウハウとネットワークを有するのみならず、不動産事業を祖業とするバックボーンを生かし、約100年間にわたり、総合デベロッパーとして多種多様な不動産事業を展開しています。近年では、e-コマースの普及などに伴う物流への期待の高まりを背景に、先進的物流不動産の開発にも注力。2015年からは、多頻度化・多様化する物流に対応可能な先進的物流施設の供給を目指し、「人と社会をつなぐ物流施設」をコンセプトとする「SoSiLA」シリーズを開発・運営しています。
 本投資法人の重点投資対象でもある「SoSiLA」シリーズの優位性は大きく3つあります。1つ目は立地の良さで、テナントの輸送費削減と労働力確保に貢献すべく、人口密度の高い都市部に近接した立地を厳選しています。2つ目は、ハードのクオリティーの高さです。「SoSiLA」シリーズは、床面積1万平米以上など、物流施設に求められる標準スペックを備えているのは当然として、多様な設備導入を可能にするフレキシブルさも兼ね備えています。3つ目がソフトサービスの充実で、倉庫内管理の効率化や業務のオートメーション化に資するソリューション提供などを通じ、テナントの業務効率化にも貢献しています。
 2022年4月時点の保有施設は13物件で、取得価格ベースの資産規模は約1,210億円です。不動産事業を知り尽くしたスポンサーに物件リーシングやテナントマネジメントを委託することで長期安定的な賃貸借契約を締結できており、保有物件の平均賃貸借残存期間7.1年、平均築年数4.5年、物件稼働率100%と、ポートフォリオの質は極めて良好です。
 今後も「SoSiLA」シリーズを中心に、優良な物件を継続的に取得して外部成長を図り、分配金の継続的な成長を実現します。近い将来の具体的な目標として、上場から5年目を迎える2024年12月をめどに資産規模2,000億円に到達に到達すべく、投資主価値の最大化に向け、一層力を注いでまいります。

SOSiLA物流リート投資法人についてSOSiLA物流リート投資法人について
  • タカラレーベン・インフラ投資法人
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●本コンテンツは情報提供を目的としており、特定の金融商品の推奨や投資勧誘を意図するものではありません。購入や投資をされる場合は、ご自身の判断と責任で行ってください。
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