J-REIT Infrastructure Fund Forum

世界的な景気減速懸念強まる中でも株や国債を上回るパフォーマンス発揮 世界的な景気減速懸念強まる中でも株や国債を上回るパフォーマンス発揮
Jリートは、景気の波に左右されにくい不動産を投資対象とするからこその収益の安定性と利回りの高さで、投資初心者からも支持を集める金融商品だ。株や国債を上回るパフォーマンスを堅持している点も魅力で、2022年6月末の平均利回りは3.70%と、東証プライム市場上場株式の平均利回り(2.44%)をアウトパフォームしている。最近では、米国長期金利引き上げに端を発する世界的な金融引き締めの加速などを受け、リート市場全体としてはやや軟調な値動きとなっているものの、足元の東証リート指数(配当なし)は1900~2000ポイント前後で推移しており、指数が1200ポイントを割り込んだ20年3月のコロナショックの影響からは脱することができている。6月29日に開催された「日経Jリート・インフラファンドWEBセミナー(主催:日本経済新聞社イベント・企画ユニット)」には、リート2法人が登壇。新型コロナウイルス禍の影響なども踏まえ、その投資方針や成長戦略などを投資家に説明した。
基調講演
東京証券取引所
比較的高い利回りと安定収益が魅力のJリート
手間とコストを抑えて不動産投資のメリット享受
東京証券取引所 上場推進部 鹿志村 将也 氏

東京証券取引所
上場推進部
鹿志村 将也

Jリートは
〝賃貸業に特化した不動産会社〟

2022年5月末時点で、東証Jリート市場には61銘柄が上場しており、時価総額は約16.1兆円です。2001年9月10日、米国同時多発テロの前日にオフィス系リート2銘柄の上場からスタートしたJリート市場は、リーマン・ショックや東日本大震災、コロナショックなどの様々な波乱を乗り越え、米国のUSリート市場に次ぐ規模にまで成長を遂げました。
 金融商品としてのJリートの特徴を一言で説明するなら、「賃貸業に特化した不動産会社」です。その仕組みは、投資法人が投資家から集めた資金や借入金で不動産を取得し、そこから得られる賃料や売却益を投資家に分配するというもの。不動産の管理や運営は、資産運用会社に委託されます。不動産ビジネスには、管理、運営のほか開発なども含まれますが、Jリートの投資法人はあくまでも賃貸業のみを行います。こうしたスキームは、「投資信託および投資法人に関する法律(投信法)」で定められています。
 最大の魅力は利回りの高さで、足元ではおおむね3~4%台で推移しています。Jリートの利回りの高さは、利益の9割以上を投資家に分配すると法人税が実質的に免除される「導管性要件」という制度によって担保されています。
 一方で、値動きする金融商品ですから、元本が保証されないなどのリスクもありますし、市場環境や金利動向などの影響を受けて、価格が上下する可能性もあります。また不動産特有のリスクとして、自然災害による価値棄損リスクなども考えられます。想定されるリスクに対し、各投資法人がどのように考え、どんな対策を講じているかは、目論見書などにも記載されていますから、投資判断の際にはよく確認のうえ、検討するようにしましょう。


GRESB認証取得などの
ESG対応進む

2020年3月のコロナショック時には、東証リート指数が前年末比で半分近くにまで急落しました。その後市況は緩やかに回復し、節目の2000ポイント(配当なし)まで持ち直しましたが、今年6月中旬には、米国の利下げや世界的景気減速懸念から、一時的に1900ポイントを割り込みました。現在は再び回復基調に乗っており、1900ポイント中盤程度で堅調に推移しています。
 東証リート指数とTOPIX(東証株価指数)の動きはおおむね連動するものの、場面によっては逆行することもありますから、株とJリートに投資することで、リスクヘッジ効果も期待できます。また、3~4%前後で推移するJリートの利回りは、国債利回りや東証プライム市場の平均利回りと比較しても、相対的に魅力的な水準です。足元では金利上昇傾向にあるものの、依然として低金利環境にあり、資金調達コストが低いことも考えると、現在は、Jリート投資のメリットが出やすい局面ともいえるでしょう。
 最近のトレンドとして注目したいのは、ESG(環境・社会・企業統治)への取り組みの強化です。昨年、東証Jリート市場に上場していた62銘柄のうち55銘柄がGRESB(不動産セクターのESGへの貢献を測る世界的ベンチマーク)認証取得に参加しました。時価総額ベースの参加率は98.6%と、大規模なリートはほぼ参加しています。併せて昨年、Jリートの投資法人が発行する法人債の70%がESG債として発行されるなど、資金調達時点から、環境や社会への貢献を意識する傾向が強まっています。
 ここまでの話をまとめると、Jリートは、賃料を原資とするからこその収益の安定性や、税引き前利益のほぼ全てを分配することによる利回りの高さなどが魅力の金融商品です。銘柄によっては一口数万円~数十万円程度から投資ができ、手が届きやすいところも魅力です。また、Jリートは複数不動産を保有するポートフォリオ運用をしていますから、リスク分散効果も期待できます。複数の実物不動産に投資する際に生じる手間やコストを考えると、リートはかなり手頃に不動産投資と同様のリスクリターンを得ることができる商品といえます。株と同様に全国の証券会社を通じて東証で売買でき、売りたい時に売れる流動性がある点もメリットです。
 個別銘柄への投資が難しいと感じる方は、ETF(上場投資信託)への投資を検討してみてもよいでしょう。東京証券取引所は、ホームページ上でJリートに関する様々な情報提供を行っていますから、ぜひ投資判断に役立ててください。

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三菱地所物流リート投資法人
好立地の良質な物流施設に厳選投資し、
7期連続の分配金成長を実現
三菱地所投資顧問株式会社 執行役員物流リート部長 髙梨 憲 氏

三菱地所投資顧問株式会社
執行役員物流リート部長
髙梨 憲

本投資法人は、首都圏を中心とする好立地の良質な物流施設を主な投資対象とする物流特化型リートです。
 2017年9月の上場時、保有物件は8物件、取得価格ベースの資産規模は約708億円でしたが、上場から5年近くが経った22年6月末現在の保有物件は24物件、資産規模は約2,162億円です。これまでに5度の公募増資を行って、着実に資産規模を拡大させてきました。
 成長の原動力は、三菱地所グループの総力を結集したサポートです。スポンサーの三菱地所は、わが国最大級の総合デベロッパーとして磨き上げてきた知見やリレーションを活用し、物件の開発や運営を支えます。資産運用会社の三菱地所投資顧問は、わが国の不動産証券化黎明期から磨き上げてきた不動産投資・運用の実績を生かし、収益性の高い外部開発物件の取得やファンド運用をサポートします。三菱地所の開発・運営力と、三菱地所投資顧問の投資・運用力のハイブリッド活用を通じた投資主価値の最大化が、本投資法人の強みです。
 スポンサーの開発力と資産運用会社の物件ソーシング力を活用し、物流適地かつ従業員の通勤利便性を兼ね備えた立地などの厳しい基準を満たすパイプライン物件も順次積み上げています。現在のパイプラインは16物件、総延べ床面積は約83㎡です。今後、それらを取得して外部成長を図り、資産規模3,000億円到達を目指す方針です。また、コロナ禍のEC需要拡大による物流ニーズの一層の高まりを追い風に、賃料改定による内部成長施策も積極的に実施しています。実績として、18年8月期から8期連続での増額を達成しており、22年8月期に契約満了を迎える6万平米でも、全区画において増額契約を締結済みです。
 直近22年2月期の一口当たり分配金は7,174円で着地し、7期連続の増配を達成しました。物流市況は極めて好調であり、引き続きの増配が期待できます。今後も、資産規模の成長に合わせて少しずつLTV(Loan To Value、リート保有物件の評価額に占める負債割合。三菱地所物流リート投資法人は上場来30%前後の低水準を堅持)を引き上げながら、安定的かつ継続的な分配金の成長を実現してまいります。

三菱地所物流リート投資法人について三菱地所物流リート投資法人について
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コンフォリア・レジデンシャル投資法人
東急不動産グループの強力なバックアップのもと
東京23区の優良賃貸住宅に重点投資する戦略実践
東急不動産リート・マネジメント株式会社 コンフォリア運用本部 運用戦略部長 河内 大輔 氏

東急不動産リート・マネジメント
株式会社 コンフォリア運用本部
運用戦略部長
河内 大輔

本投資法人は、東急不動産プロデュースの都市型賃貸住宅「コンフォリアシリーズ」への重点投資を通じ、収益の安定性と着実な成長を目指す住宅特化型リートです。
 2022年7月時点で147件の物件を保有しており、取得価格ベースの資産規模は約2,810億円です。東京23区の物件が全体の91.7%を占め、駅からの徒歩分数は平均5分と、需給バランスの良好な都心駅近の物件がポートフォリオの大部分を占めます。入居者は、大手企業に勤める20~30代の独身、または二人世帯が中心で、家賃はシングルタイプで10~12万円前後と、平均より若干高めの水準です。賃貸住宅のほかに、学生レジデンスやシニア住宅などの「運営型賃貸住宅」も保有しています。投資比率は、賃貸住宅が93.2%、運営型賃貸住宅が6.8%です。
 23区を中心とする都心部の優良賃貸住宅に厳選投資する戦略が奏功し、上場以来、平均稼働率は95%を上回る高水準を堅持しています。コロナ禍では一時下落しましたが、22年に入ってからは回復基調に乗り、足元では96%前後で推移しています。コロナ禍によるリモートワークの普及は、郊外への移住を検討する人を増やしたともいわれますが、「コンフォリア」の主なターゲットである東京都の若年層は、コロナ前後を通して転入超過が続いています。加えて、本投資法人が機動的に行っている募集条件の緩和や引き締めといったコントロールも効果を発揮し、稼働率を回復させられたと考えています。
 将来を見据え、外部成長戦略も積極的に実施していきます。分配金を差し引いた内部留保の残高と、現状50%前後のLTV(Loan To Value、リート保有物件の評価額に占める負債割合)を55%程度にまで引き上げた際の借入金を併せると、外部成長余力は最大で約384億円となります。これを活用して新規物件を計画的に取得し、中期目標の資産規模3,000億円到達を目指す方針です。また、入居者入れ替え時のバリューアップ工事による賃料増額といった内部成長戦略にも、積極的に取り組んでいます。
 引き続き、東急不動産ホールディングスグループのサポートを最大限活用しながら、東京23区の駅近物件を中心に良質なポートフォリオを構築し、分配金を向上させてまいります。

コンフォリア・レジデンシャル投資法人についてコンフォリア・レジデンシャル投資法人について
  • 三菱地所物流リート投資法人
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●本コンテンツは情報提供を目的としており、特定の金融商品の推奨や投資勧誘を意図するものではありません。購入や投資をされる場合は、ご自身の判断と責任で行ってください。
●講演資料はセミナー開催時点のものとなります。最新の情報は各投資法人のHPなどをご確認ください。