ビジネス編
提供:KDDI

そのとき、人はこう動いた。人流データでみる街 Vol.3 ~ビジネス応用編~
ビジネス応用編

~変化の激しい“人流トレンド”をいち早くキャッチして活かす~
アフターコロナビジネスのマーケティング戦略とは

新型コロナウイルス禍で街の人流は大きく変わりました。人の行動範囲がどう変化したのか?消費行動の最新の傾向は?こうしたトレンドを正確につかむことが、アフターコロナのビジネスには欠かせません。各地域のエリアマーケティングにも活用されているのが、携帯電話端末の高精度なGPS位置情報データを用いた「KDDI Location Analyzer(以下、KLA)」です。

《第1弾》はコロナ禍の【首都圏】の人流。《第2弾》は【近畿】のGOTOキャンペーンの効果を紹介しましたが、今回《第3弾》は、【ビジネス・応用編】として皆さまのビジネスにお役立ていただきたく、飲食業と自治体の活用事例をご紹介します。

民間事例

SECTION.01 民間事例

出店判断に人流データ活用を~トリドールホールディングス~

写真:矢野氏

トリドールホールディングス
国内事業本部 開発戦略室 課長

矢野 孝良

‟見おろすように人流を把握できる“から
出店地点のポテンシャルも素早く把握できる

――KLAはどのように活用していますか。

矢野氏 トリドールは丸亀製麺をはじめとする飲食店を国内外で展開しています。KLAは、丸亀製麺の出店の可否を判断する際に活用しています。大都市エリアの商業ビル内に出店する際には、商業ビルとその周辺を訪れている人流のボリュームを調べます。また、ショッピングセンターへの出店を決める際は、施設への来訪者のボリュームをみます。

 また、上記で調査したデータをKLAからダウンロードし、売り上げ予測モデルの構築にも活用しています。

――なぜKLAを導入しましたか。

矢野氏 直近の人流をピンポイントで素早く把握できることは大きな魅力です。情報を数値としてダウンロードできるので、季節や時間帯、性別などの詳細な商圏分析にも利用しています。画面も使いやすいですね。地図上の道路に人流情報をそのまま重ねて見おろすように確認できるので、出店する地点のポテンシャルを素早く把握できるのが、KLAの特長だと思います。

――アフターコロナの時代、データ活用の重要性をどう捉えていますか

矢野氏 出店戦略をたてるうえで、駅周辺や大型商業施設のポテンシャルを把握するには、最新のデータをもとに素早く判断する必要があります。特に、コロナ禍で働き方が多様化するなか、「平日昼間はオフィス街で仕事」「夜は家にいる」というような生活パターンは崩れつつあり、できるだけ新しいデータで最新の人流のトレンドを知ることが必要です。従来は公的なデータを使って昼間の人口の動向を把握してきましたが、調査頻度が低くデータは新しくありません。人流のトレンドの変化が激しい時代だからこそ、KLAを活用していく必要があると考えています。

出店戦略向けオススメ機能

複数地点の人流をまとめて比較

 出店戦略をたてるうえで役立つのが、KLAの拡張集計機能。時間帯や年齢層、男女などが同じ条件で、複数の地点の人流データをまとめて抽出できる。例えば、同じ路線にある30駅の中からターゲットとなる客層が多いところはどこか? といった判断に役立つデータが、すぐに取り出せる。施設来訪者数や周辺の滞在人口の人流分析も、複数地点のデータを簡単な操作で一括集計できるので、出店判断などの意思決定がスピーディーに行える。

図1

  • ※一括集計の利用はオプションで
    追加料金が必要です

【セル内の色】
 赤=混雑
 緑=閑散

>無料トライアルバナー

KDDI Location Analyzer logo-kddi-la-light icon

資料ダウンロードバナー

【活用事例】資料ダウンロードはこちら logo-kddi-la-light icon

自治体事例

SECTION.02 自治体事例

人流分析で守りと攻めの観光復興へ ~藤沢市~

写真:藤沢市

写真:木村氏

藤沢市経済部観光課課長

木村 嘉文

客観的なデータで観光の実像を把握

――KLAを導入した経緯を教えてください。

木村氏 2020年からのコロナ禍で藤沢市の観光も大きな打撃を受けました。人が多く集まるゴールデンウイークは人流が激減し、毎年秋の風物詩である「ふじさわ江の島花火大会」は2019年から3年連続で中止となりました。さらに、コロナ禍では人流に関する報道も多く、どこに真実があるのだろうという迷いも生まれました。本当にマイクロツーリズムの傾向が強まったのか? 緊急事態宣言中に東京からの来訪が多いと批判が出たが本当か? 高齢者の動きは本当に鈍化しているのか? こうした観光の人流トレンドを、新しく客観的なデータで状況を把握する必要があると考え、2020年10月に正式導入しました。

――KLAをどのように活用していますか。データ分析からわかったことはありますか。

木村氏 曜日や時間帯、年代別に来訪者の特性を調べています。どこから来ているかを示す「来訪者居住地分析」も活用します。KLAは、ジオフェンス(ツール上の特定の場所周辺に自分で境界線を設ける)で区切った場所をピンポイントで指定し、粒度の細かい精緻なデータを確認できるので、特定の観光地や観光施設の人流を分析しています。また、KLAはサブスクリプション(使い放題)の契約なので、ほかの観光地との比較も気軽にできるのも魅力です。

 データ取得から分析まで自分で行いますが、KLAの画面は感覚的に作業ができるので、助かります。

 データをみていて、わかってきたこともあります。例えば、コロナ禍で高齢者の来訪が減っていると考えていましたが、藤沢市を代表する観光地である江の島においては、実際には平日の午前中は高齢者が来訪していることがわかりました。また、東京からの来訪比率の傾向は以前とあまり変わらなかったことも明らかになり、昨年のゴールデンウイーク直後には、これらの明確なエビデンスを示してプレスリリースするなど、観光地のイメージを損なうことのないよう「守り」の局面で活用しました。今後は観光協会と協力して、こうした分析結果を観光政策にも生かしていきたいと考えています。

――今後の政策立案にも活用の幅が広がりそうですね。

木村氏 例えば、藤沢市は花火大会が一大イベントですが、花火大会は天候の影響も大きく受けるため、様々なリスクを抱えながら実施するイベントです。本当に花火大会に注力すべきか、もっとほかの風物詩として定着した「湘南の宝石」(11月から2月にかけて江の島で実施するイルミネーション)など長期間で実施するイベントの方が結果的には経済効果が高いのではないかなど、観光政策の今後の方向性を検討するうえでも、KLAでのデータの分析が「攻め」の局面で役に立ちそうです。

 また、当初は観光課で利用を始めましたが、今では街づくりや都市計画の部署でも活用するようになりました。データに基づく政策立案を今後も推進していきたいと考えています。

観光分析向けオススメ機能

観光客の周遊先を分析

 来街者がどこと、どこに立ち寄るか。これを把握できるのが、KLAの「3地点来訪者居住地分析」。任意の観光スポットを3つ選び、そのうちの2か所や、または3か所すべてを訪れた観光客の人数がわかる。観光客の動きを把握するのに便利な機能だ。例えばエリアAとエリアBを併用する人が多いことがわかると、エリアAとBのタイアップイベントや広告ポスターの設置などを検討するができる。さらにエリアだけでなく、より細かい施設ごとの併用者を割り出すことも可能だ。KLAなら簡単操作でデータを出せるので、より効果的な観光振興策をスピーディーに検討することができる。

3地点来訪者居住地分析

図:3地点来訪者居住地分析

  • ※2021年4月29日から5月5日に藤沢市および近郊である「江の島」「腰越」「片瀬西浜」の各エリアに来訪した人数と、2地点または3地点すべてを来訪した人数
無料トライアルバナー

KDDI Location Analyzer logo-kddi-la-light icon

資料ダウンロードバナー

【活用事例】資料ダウンロードはこちら logo-kddi-la-light icon

シェア ツイート