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岩岡 寛人

「社会に開かれた教育」の実装に向けて

Hiroto Iwaoka
鎌倉市教育長

子どもたちが飛び込む
未来を見据えて

AI・ロボティクス・ビッグデータ等が加速度的に社会を変化させていくVUCA(変動性、不確実性、複雑性、曖昧性)の時代。今小学校や中学校であずかっている子どもたちは、こうした社会で大人になっていきます。「未来の社会を形づくる人を育てる」場である学校教育においては、子どもたちが飛び込む未来の社会を見据えた教育上の要請が次々と流れ込んできますが、社会の変化のスピードが速くなっていくにつれ、ますます多くの挑戦や変化が学校に求められています。プログラミング・SDGs・DX・プロジェクト型学習など、挙げればキリがありません。

こうした様々な「未来の社会を見据えた教育」について、学校で全て内製化するのは不可能であり、持続可能ではありません。鎌倉市では、未来の社会を見据えた教育を大学・NPO・ベンチャー企業など魅力的な人材・組織と協働しながら実現していくための仕組み「鎌倉スクールコラボファンド」を立ち上げました。ふるさと納税の仕組みを活用したガバメント・クラウドファンディングを通じて2年間で1200万円の資金調達に成功し、「子ども一人一人がSDGsに関する自分の課題を探究するプロジェクト型学習」や「プログラミングを教えたことがない先生でも実践的なプログラミングの授業ができる環境構築」などの魅力的なプロジェクトを実現してきています。

公正で豊かな
社会のための教育を

技術の進展によって、ルーチンワークが機械的インテリジェンスに奪われていく時代に突入する中、経営者は多くの人を雇わなくても事業を構築できるようになってきています。このような時代の中では、暗記する・ルールに従うなどの「標準化の時代」に対応したスキルセットだけを持つ子どもたちは、将来十分な仕事にありつけない可能性もあるという危機感を感じています。

社会的格差を増大させず、公正で豊かな社会を作っていくためにも、公立小中学校こそSDGsなどの社会課題探求やDXなど、未来の社会で子どもたちが生き抜くために必要な力を育む教育を実現していかなくてはいけないという思いを持っています。

この「スクールコラボファンド」の仕組みは、教育を社会に開くための現実的な解の一つと考えています。鎌倉市だけではなく、他の市町村でも取り組むことができるよう、ナレッジの共有化や積極的な発信をしていきたいと思っています。