提供:キンドリルジャパン株式会社

前田 啓介

先進技術の融合で、3.5%のムーブメントを起こす

Keisuke Maeda
キンドリルジャパン株式会社
テクノロジーイノベーション本部 リサーチ 技術理事

デジタルとフィジカルの融合で
世界を変えたい

私は先進技術によりDigitalとPhysical世界を融合させ、世界を変えたいと考えています。

私は癌(がん)で亡くなった父の遺言で建築設計の道に入りました。アトリエ事務所からはじまり、その後ITと連動した建築デザインの最新技術に取り組みたいと考え、日本アイビーエム株式会社を経てキンドリルジャパン株式会社で勤務しています。

現在日本は急速な少子高齢化が進んでいます。国交省の「国土のグランドデザイン2050」によれば、「2050年の人口は約9700万人(中略)、約6割の地域で人口が半減以下に、うち1/3の地域は人が住まなくなる」と予想しています。※1私は国家として成立し得ない未来を「技術」で救いたいと日々考えています。例えば高度なCACE※2技術によるMaaS※3により日本各地を結びます。ヒトの運転能力では実現できない超高速のMaaSにより、居住者激減地域と東京等首都圏を30分程度で移動できるようになれば本当の意味でのコンパクトシティが実現します。いわば現代の日本列島改造です。

実現のために、後進の育成も大切にしています。私は2013年より母校の日本大学生産工学部建築工学科で建築設計、環境デザインや生産管理(ファシリティマネージメント論)と共に経営管理を教えています。私の経営管理講座は「建築技術者が建築や都市をはじめとする我々を取り巻く環境問題を『経営的視座』で解く」ことをテーマにしています。

仲間を募り、
社会成長の礎作りを

これからの社会は従前のイデオロギーから離れ、『人新世の「資本論」※4』での「Commonコモン」の考え方や、「SDGs思考」でのプラスサム資本主義※5のような「大きな価値の転換」が必須です。内閣府で定義するSociety5.0※6は実現までの道筋が読みとりにくいですが、「サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、(中略)人間中心の社会(Society)」というテーゼは強く同意できます。そのために先進テクノロジーを活用すべきであり、この「仮想と現実空間の高度な融合」がまさに私が目指すVisionです。

私が考える「あるべき社会成長」の実現のためには大きな力はいりません。私はハーバード大学のErica Chenoweth(チェノウェス)さんが言う「3.5%の人が非暴力的方法で、本気で、立ち上がると社会が大きく変わる※7」ことを信じています。まずは私が立ち上がり、仲間を募って、社会成長の礎となるシステムを進化させていきたいと考えています。

  1. ※1国土のグランドデザイン2050
  2. ※2「Connected(コネクテッド)」「Autonomous(自動運転)」「Shared & Services(シェアリングとサービス)」「Electric(電動化)」の頭文字をとったもの
  3. ※3Mobility as a Service、従来の交通手段・サービスに自動運転やAIなどの先進技術を適用させた次世代交通サービス
  4. ※4人新世の「資本論」斎藤幸平著 集英社新書 、P141他
  5. ※5SDGs思考 社会共創編 価値転換のその先へプラスサム資本主義を目指す世界 田瀬和夫/SDGパートナーズ著、P128他
  6. ※6Society 5.0とは
  7. ※7The '3.5% rule': How a small minority can change the world - BBC Future