三井不動産

持続可能な社会を街づくりから
~三井不動産の挑戦~

#1

日本橋から豊かにすごせる街を
パートナーとともにつくる未来

 三井不動産が取り組む持続可能な街づくりのルーツは、東京のど真ん中、日本橋にある。この日本橋で、様々なパートナーとともに三井不動産が進める街づくりを紹介する。

撮影:渡辺琢哉写真事務所

 三井不動産グループの理念は、「&」マークに象徴される「共生・共存」、「多様な価値観の連繋」、そして「持続可能な社会の実現」だ。この理念のもとで取り組む街づくりこそ、社会課題の解決そのものだと考えている。具体的にはどのような姿勢で街づくりに向き合っているのか。4回にわたって伝える。

水の都日本橋としての景観、環境を取り戻すことに向けて、街を挙げて目指している 水の都日本橋としての景観、環境を取り戻すことに向けて、街を挙げて目指している。
(この絵はイメージであり、実際の再開発計画等と異なります)

400年前の江戸時代か
ら日本橋では
共助の精神で
街づくりが続けられてきた

 三重・松阪を発祥の地とする三井家が江戸に進出し、「三井越後屋呉服店」を開業したのが、現在の日本橋。この地は三井不動産をはじめ三井グループの原点となっている。五街道の起点である日本橋は当時から人や情報、物が全国から集まる交通の要衝であり、経済・文化の中心地だった。この街の特徴は多様なコミュニティが構築されていること。お互いの顔が見えるコミュニティで、互いを思いやる精神は今も残っている。

熈代勝覧(部分) ベルリン国立アジア美術館 Photo AMF / DNPartcom/ c bpk/ Museum fur AsiatischeKunst, SMB / Jurgen Liepe 熈代勝覧(部分) ベルリン国立アジア美術館 Photo AMF / DNPartcom/ c bpk/ Museum fur AsiatischeKunst, SMB / Jurgen Liepe

顔の見えるコミュニティ
にぎわい再興を目指して

 だが戦後になると、急速に変わる社会の流れに日本橋も巻き込まれた。橋の上には高速道路が通り、街の景観は一変。そんな中、かつてのにぎわいを取り戻したいとの願いを抱いた地元の人々を中心に1999年に「日本橋地域ルネッサンス100年計画委員会」が立ち上がった。三井不動産は地域の方々とともに、「残しながら、蘇らせながら、創っていく」という開発コンセプトのもと、街づくりを進めている。高速道路の撤去運動が実を結んでルートの地下化が決まったほか、日本橋観光案内所の設置、江戸時代の通りの名称復活など、日本橋の街づくりの様々な取り組みがこれまで進んできた。

顔の見えるコミュニティ にぎわい再興を目指して

 コロナ禍の2021年3月には歴史ある老舗から新進気鋭の新店まで、日本橋の24もの名店が参画し、コース料理型の日本橋らしいニューノーマルなお弁当フォーマット「日本橋宴づつみ」を予約販売した。2021年1月からはCOREDO日本橋、COREDO室町のランチボックスを集約配送する実証実験が行われている。これからも三井不動産は街に暮らす人、働く人、憩う人々とともに支えあいを続けていく。

コロナ支援の取り組みの一つ「日本橋宴づつみ」 コロナ支援の取り組みの一つ「日本橋宴づつみ」

未来にむけた新産業創造
新しいパートナーシップを
日本橋に

 日本橋の街づくりを通して、新しい産業がこの地で育つこともサポートしている。江戸時代より日本橋は薬種問屋で栄えており、その結果現在も製薬企業が集積している。そこで創薬をはじめ幅広いライフサイエンス産業のさらなる発展に向け、三井不動産は日本橋をライフサイエンス領域の知が集結しオープンイノベーションが起こる「ライフサイエンスの聖地」にしようと取り組んでいる。スタートアップやベンチャーキャピタル(VC)、アカデミアなど様々なプレーヤーをオフィスに誘致。さらに、彼らの活動を支援するためにカンファレンスルーム、シェアラボなどの拠点整備に加え、産学の有志と設立したLINK-J(一般社団法人ライフサイエンス・イノベーション・ネットワーク・ジャパン)によるコミュニティ構築を行っており、LINK-Jの会員数は5年で450にまでのぼる。日本橋を拠点に拡大していくスタートアップも着々と増えてきている。

 イノベーションを起こすため、多様なプレーヤーを繋げる仕掛け作りは、ライフサイエンス領域だけにはとどまらない。宇宙分野も新しい取り組みの1つ。宇宙ビジネス拠点X-NIHONBASHI/X-NIHONBASHI TOWERにはこの分野のスタートアップやJAXAなど宇宙領域のプレーヤーが集まる。そして、この場を通じて様々なプレーヤーが出会い、交わることで新たな共創ビジネスが生まれるような支援も行っていく。

LINK-Jの活動を通してライフサイエンス分野のコミュニティ構築を進めている LINK-Jの活動を通してライフサイエンス分野のコミュニティ構築を進めている

テクノロジーを活用して、
すべての人が楽しめる
インクルーシブな街へ

 暮らす人、働く人だけではなく、日本橋で憩う人もまた街の主役。多様な人々を受け入れ、皆が楽しめるような街づくりをするのが三井不動産の使命だ。そのための取り組みの1つが高精度音声ナビシステム「インクルーシブ・ナビ」。車いす利用者や視覚障がい者を含む来街者のそれぞれに適した誘導方法をスマホの音声ガイドで提供する。7月7日からはCOREDO室町テラスや地下道などエリアを拡大した。日本橋をテクノロジーの実証フィールドとして活用し、未来の都市のあり方も模索していく。

BLEビーコン

スマートフォン

IBM watson® ルート・地図

問い合わせ

返答・ナビゲーション

※清水建設株式会社と日本アイ・ビー・エム株式会社の共同開発による高精度音声ナビシステムを利用しています。

 難病や重度障害で外出困難な人が、自らの分身となるロボットを遠隔操作しサービススタッフとして働く実験カフェ「分身ロボットカフェDAWN ver.β」も三井不動産の日本橋のビルにある。雇用創出や社会進出の促進に向けた取り組みとして6月にオープンし、多くの人の関心を集めている。

分身ロボットがサービスにあたる「分身ロボットカフェDAWN ver.β」 分身ロボットがサービスにあたる「分身ロボットカフェDAWN ver.β」

 江戸の昔から多様な人が暮らし、働き、憩ってきた街、日本橋。多様な人々が豊かにすごせるこの街は、これまでもずっと持続可能な社会のあり方を体現してきた。街づくりこそがSDGsの達成だと考える三井不動産――この街・日本橋は原点であり、未来につながっている。

SUSTAINABLE DEVELOPMENT GOALS

三井不動産は持続可能な開発目標(SDGs)を
支援しています。

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