提供:村田製作所
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提供:村田製作所
100万人の子どもたちに学びに向かう力と夢を与える

地域と生徒に
合わせたコンテンツで
未来を担う人材育成に貢献

2020年、プログラミング教育が必修化されたことを受けて、注目を集めているSTEM教育。子どものうちからロボットやIT技術に触れ、自分自身で学ぶ力を養うことを目的にしたものだが、村田製作所では2006年から国内外の小・中学生を中心に出前授業という形でSTEM教育を展開してきた。この取り組みが地域や従業員にどのような効果をもたらしているのか、話を聞いた。

chapter01

15年間で約50万人が体験。
子どもが最高に楽しめる出前授業

STEM教育とはScience(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)の頭文字からなる教育分野の総称。その目的は子どものころから、これらの分野の知識に触れることで、新しい技術を創出する人材育成を行おうとするものだ。世界各国ではすでに積極的なSTEM教育への取り組みが進んでおり、日本でもIT人材不足の深刻化やプログラミング教育の必修化を受けて、やっと本格的に動き出しているが、世界各国に比べると、やや出遅れた感は否めない。

こうした状況下、2006年からいち早く『出前授業』というスタイルを取りつつ積極的にSTEM教育を行ってきたのが村田製作所である。広報部ブランドコミュニケーション課の久我哲也氏は、「当時のSTEM教育に対する理解や認知度はいまひとつ。そんな中でモノづくりを支える技術者の仕事や面白さを伝えることで理系を目指す人材を増やしたいという気持ちから、ムラタセイサク君の技術開発のストーリーをコンテンツに生かす形でスタートしました」と経緯を説明する。

宮崎雅代氏 久我哲也氏
村田製作所
広報部ブランドコミュニケーション課
宮崎雅代 久我哲也

出前授業は教育と合致した3つのテーマのコンテンツを用意している。その代表がムラタセイサク君を使った『キャリア教育』だ。不倒停止機能を備えた自転車型ロボットで、倒れずにその場で止まっている様子を見たことがある方も多いだろう。2006年の出前授業開始時から続くコンテンツで、開発過程を紹介する。2つ目が2012年スタートの『環境教育』。小学校4~6年生が受ける電気の授業に合わせ、手回し発電機により豆電球、LEDやモーターなどの電力消費量を実感しようというもの。そして3つ目がプログラミング授業導入に先駆けて、2019年に考案された『動け!! せんせいロボット』だ。この授業は、問題解決を通してプログラミング的思考を身に付けることを目的とする。

「出前授業の対象となるのは小学校高学年と中学生で、学校に出向いて授業の一環として行うものと科学館などの学習施設で行うイベントの2つがあります。現在、出前授業を行っているのは国内の24事業所で、年間100回程度。これまで授業には11万人、イベントを含めると48万人が参加しています」と同課の宮崎雅代氏。「講師はすべて村田製作所の従業員で構成され、また全員がボランティアとして参加しています」と続ける。

「所属部署や年齢にかかわらず、やりたい方に講師をお願いしています。エンジニアや開発、営業など得意分野や年齢もさまざまなので、講師の人柄も出前授業の特徴になっているのではないかと思います」(久我氏)

もう1つの特徴が、事業所のある地域の学校現場の要望に合わせて、コンテンツの活用方法を検討していること。これにより地域ごとの独自性が生まれているという。

3つのテーマで出前授業を実施

キャリア教育2005年に誕生した自転車型ロボット「ムラタセイサク君」。特徴はその場に倒れずに立ち続けられる“不倒停止機能”だ。この技術の背景にある電子部品やセンサ技術、開発過程などを紹介し、モノづくりへの興味を促す。
キャリア教育
環境教育電気エネルギーと環境との相関関係を考えるコンテンツとして2012年にスタート。小学校4~6年生の電気の授業内容に合わせ、手回し発電機によりコンデンサに蓄電したり、違った負荷につなぎ消費電力の差を体験したりする。
環境教育
プログラミング授業学校でのプログラミング授業に対応すべく、2019年にスタートした『動け!! せんせいロボット』。論理的思考を養う力の習得を主な目的とした。親しみやすい授業になるよう、ロボット役は人間が務め、タブレット上で動きの指示を出す。
プログラミング授業
chapter02

子どもたちの目の輝きと好奇心に
感動をもらい続けて

地域による独自性とはどんなものなのか。出前授業に参加している富山村田製作所と出雲村田製作所の担当者に話を聞いたところ、「参加して本当に良かった」と口をそろえる。子どもたちへの授業を通して、彼らは何を得たのか、出前授業を実施している2つの事業所に話を聞いた。

interview in 富山

中学生を対象にしたキャリア教育で
“モノづくり県・富山”を支える
富山村田製作所 管理部人事総務課
溝口碧子 清水正浩
溝口碧子氏 清水正浩氏

2016年から本格的に出前授業をスタートした富山村田製作所。その始まりから関わっているのが、管理部人事総務課の清水正浩氏である。「富山県は行政主導のもと小・中学生を対象としたモノづくりへの教育が盛んです。その中でわれわれが行っているのが富山県内の中学校の1・2年生を対象にした『キャリア教育』。将来の目標や進路を決め始めるこの年代に絞って、情報発信をしています」

一方、2018年から関わっているのが同課の溝口碧子氏だ。心掛けているのは学校の先生とのコミュニケーションだと話す。「現在、講師として15人の従業員が登録していますが、学校の先生方に『今、子どもたちはどんなことを聞きたいのか』をヒヤリングして、それに合わせた講義内容にしています。先生方も相当なエネルギーを費やして取り組んでいただいているので、できるかぎり要望に応えたいですし、私たちも中学生の心に残る授業をしたいと頑張っています」

約1500人の中学生とのふれあいの中で、もっとも心動かされる瞬間が「自分たちや自分たちの技術をキラキラした目で見てくれる、すごいと言ってくれること」なのだとか。溝口氏はある授業終わりに生徒から「ムラタセイサク君ってこれからどんな進化があるの?」と熱心に聞かれたそうだ。「私たちのこれからを楽しみにしてくれている子どもたちがいる。仕事をしていく上での励みになりますね」と溝口氏はやりがいを語る。

出前授業の実施へと準備を進めているのが『動け!! せんせいロボット』である。今度は小学生が中心となるコンテンツだ。「残念ながらコロナ禍で現在は実施していませんが、このコンテンツを学校へ持って行ったときの、子どもたちの表情や真剣なまなざしが今から楽しみです」(清水氏)

授業風景
学校からの声
学びを深くする出前授業の効果
「講師の方々の豊富なご経験を交えて、モノづくりの醍醐味や大切さを知り、生徒たちが学びを深める良い機会になりました。生徒たちも大いに感動したようで、『スマホやロボットを動かす電子部品を作っている村田製作所のみなさんはカッコいい!』『自分の将来の夢を見つめ直してみようと思った』という前向きな言葉も出ています」
富山県南砺市立利賀中学校 蓑口義裕校長

interview in 出雲

15年にわたるノウハウで、
出雲市の生徒に最適な授業を届ける
出雲村田製作所 管理部総務課
佐藤友紀 岩成耕二
佐藤友紀氏 岩成耕二氏

村田製作所の出前授業スタート時から参加している出雲村田製作所。出雲の特徴は、出雲科学館との綿密なコミュニケーションのもと、授業が行われていることにある。

2007年から参加している管理部総務課の岩成耕二氏は、「出雲市内のすべての中学校が科学館に集まって2007年から授業を行っています。前半は科学館の先生から最先端の科学技術の説明が行われ、後半はムラタセイサク君を使って機能を紹介しながら、各種部品の学習を行っています」と説明する。この授業は年間1500人ほどを対象に実施され、1日2回ほどの授業を2週間やり続けるという大がかりなもの。一般企業がこれほど長く、そして深く関わりを持ち続けるのは珍しい。

同課の佐藤友紀氏は、「2019年度までの12年間で2万人の生徒とふれあってきました。スタッフの延べ参加人数は530人。ほかにも、小学校で行う出前授業での延べ参加人数は650人です」とこともなげに言う。だがこれは、出雲村田製作所の従業員数の約1割強に当たり、いかに出雲市に貢献しているかが分かるだろう。

「片手間でできる内容ではないし、苦労ももちろんあります。でも、ムラタセイサク君がうまく動作しないときなど、子どもたちが一生懸命声援を送ってくれる。こういった子どもたちの純粋さや素直さに触れると感動しますね」と岩成氏。そしてこの出会いをきっかけに理系の大学に進学し、村田製作所に入社した人もいるそうだ。

「子どもの夢の実現に協力できた、関われたことは感動しかありません」(佐藤氏)

現在、科学館の先生、そして本社とも協力しながら、新たなコンテンツ作りが進んでいるという。「今後も教育現場とともに良き授業をしていきたい。そのための協力は惜しみません」(岩成氏)

授業風景
学校からの声
デジタルを使わずにデジタルを学ぶ
「コンピューターやプログラムと聞くと、すぐに電子的とかデジタルといった言葉が浮かびますし、プログラミング教育もデジタル機器を使わなければならないと考えがちです。しかし、授業を見て、必ずしもそうでないということに気づかされました。これからのプログラミング教育も固定観念に縛られず、子どもたちと発想豊かに楽しんでいきたいです」
島根県出雲市立神西小学校 内藤満久校長
※肩書は2019年出前授業実施時点のものです
chapter03

STEM教育のパイオニアとして、
子どもたちの学びをサポート

当初はCSR活動の一環としてスタートした出前授業だが、この授業によってもっとも変化したのは従業員の気持ちだったと話す宮崎氏。

「出前授業に参加した講師は、子どもたちから尊敬のまなざしで見てもらえます。この効果はすごいもので、通常の仕事も意欲的になり、愛社精神も湧いてくる。出前授業は地域への貢献に加えて、従業員にとっても、仕事を考えるいいきっかけになるようです。出前授業には多くの出会いと感動がある。これにはまって、辞められなくなっている人が続出しています(笑)」

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大に伴い、ウェブでの実施が求められるだろうと考えていたが、その予想は覆されたという。

「小・中学生の恒例行事の多くが中止になる中、子どもたちと社会をどうつなげていくか――。頭を悩ませていた先生方にとって、出前授業は最適なコンテンツだったようです。実際、一昨年よりも昨年の方が要望は多かったです」と久我氏。コロナ禍で苦労している現場や元気をなくしている子どもたちにとって気分転換になり、好評を博したそうだ。

そして子どもたちがいつでも科学の不思議や楽しさと出会える場所として、「Mulabo!(ムラーボ!)」を横浜市にある村田製作所みなとみらいイノベーションセンターに2020年12月に開設。

Mulabo!
Mulabo!

「出前授業を東日本へも展開する際、Mulabo!『THINKゾーン』を授業などを行うイベントスペースとして活用できます。普段はカフェやSTEM関連のライブラリーとして子どもたちにも人気です。できるだけ多くの子どもたちに科学・電気に触れてもらいたいと思います」(久我氏)

2006年の出前授業のスタートから15年間で約50万人の子どもたちが科学に触れてきたが、その本質は学びに向かう力を養い、夢を持ってもらうことにある。

「今後はもっと多くの子どもたちに科学に触れてもらうべく、出前授業ができる事業所を増やす予定です。そして5年後に累計100万人の子どもたちにSTEM教育を受けてもらうことを目指します」(宮崎氏)

STEM教育のパイオニアとして、今後も時代に合わせたコンテンツを用意する予定だという。これからも、子どもたちの“キラキラしたまなざし”を引き出すことは間違いないだろう。

※緊急事態宣言を受けてMulabo!は現在臨時休館しております。最新の開館状況につきましては、Mulabo!ウェブサイトをご確認ください。

muRata
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