「ゼミの武蔵」が

世界水準で展開する

グローバル教育

武蔵大学ロゴ

「ゼミの武蔵」で知られる武蔵大学が今春、国際教養学部を開設。ロンドン大学の学位に挑戦するプログラムを日本で初めて実施するなど、これまで力を入れてきたグローバル教育のさらなる強化に期待が高まります。グローバル教育を世界水準で展開する理由などを高橋徳行学長に聞きました。また「世界で活躍するグローバルリーダーを育てる」をテーマに経済学部、人文学部、社会学部、国際教養学部の各教授にも話を聞いています。

学長 高橋徳行

学長インタビュー

多様な専門知を束ねるグローバルリーダーを育成

学園創立100周年を迎えた2022年、国際教養学部の開設で4学部体制となった武蔵大学。設立当初から国際志向が高く、特に近年はグローバル教育を強化するプログラムやコースを積極的に展開してきました。次の100年に向けて、真に世界で活躍できるグローバルリーダーの育成に力を入れるべく、力強いビジョンを新たに掲げたところです。「グローバル化によって文化や技術、伝統が国や地域を超えて融合し、化学反応を起こして新しい価値観や考え方が生まれます。このような化学反応を主体的に作り出す人、もしくは新しい価値観や考え方のもとで自ら行動できる人物を育てたいと考えています」。
武蔵大学に通いながら、ロンドン大学の経済経営学士号取得を目指す「パラレル・ディグリー・プログラム(PDP)」が経済学部で始まったのは15年。ロンドン大学の学位が取得できる国際プログラムは日本初の導入で、経済学部長だった当時は「果たしてどれだけの学生が受講を希望し、また最後までやり抜けるのか心配だった」と言います。しかし1期生は2人、2期生は5人、3期生は10人がロンドン大学の学位を取得し、順調に成果を上げてきました。「意欲があれば達成できるプログラムだと確証が持てた」として、PDPを新設の国際教養学部・経済経営学(EM)専攻に移行。より多くの学生が挑戦できる体制になりました。
同様に、国際教養学部のグローバルスタディーズ(GS)専攻も、17年から人文学部で実施されてきた「グローバルスタディーズコース(英語プログラム)」の実績を踏まえ、より発展的な内容で新たなスタートを切ったものです。
両専攻ともグローバルに活躍する人材を育てるため、世界水準のカリキュラムが設定されています。海外の水準に合わせるとかなり厳しい内容になりますが「目標があれば人は変わります。全ての学生の潜在的な能力、可能性を目一杯引き出すために高い目標を設定しました」として、学生一人ひとりの成長に期待を込めます。
また、社会学部でもグローバル・データサイエンスコースを17年に設置。データと英語を身につけ、世界が求める即戦力となる人材育成を目指しています。すでに2期生を輩出しましたが、データを扱える人材を求める需要が年々高まっているようです。
武蔵大学のグローバル教育の取り組みはさらに続きます。グローバルリーダーの育成には「リベラルアーツ&サイエンス教育」が欠かせないとして、22年度から副専攻制度を導入するなど学びの幅が広がる工夫をしています。「それぞれの専門に長けた多様な人たちが集まって課題に取り組むとき、リーダーには多様な専門知を束ねる能力が求められます。その力を身につけるにはリベラルアーツ&サイエンスの学びが必要不可欠です」。
学長 高橋徳行
自主学習施設「ラーニングコモンズ」は、学生が学部を超えて自由に交流しディスカッションできる場として、22年4月にオープン。「交流により、良い刺激や新しい価値観が生まれることを期待しています」。
複雑化する社会の中で、グローバル教育の意義はさらに重みを増しています。「グローバル社会で生きていくためには他者理解が欠かせません。そのために世界との〝横〟のつながりと、これまでの歴史を振り返る〝縦〟の時間軸、両方の視点から社会課題に向き合える人を育てていきたいと思っています」。

不確実な時代にどう行動していくべきか

グローバル教育と共にこれからの社会を生き抜くために必要だと言われているのが、高橋学長の専門でもあるアントレプレナーシップ(起業家活動)です。「アントレプレナーシップは起業するための教育ではなく、全ての人にとって必要な、社会の中でどのように行動していくべきかを学ぶものです。リスクを避けながらも前に進んでいく力や外部環境に働きかけながら新しい関係性を構築する力は、将来が不確実な現代社会においてこそ求められる力です」。
他にも1年次から少人数で行われるゼミや対話型の授業をはじめ、多彩な学習機会を用意している武蔵大学。「小規模だからこそ、教員と学生の距離が近い、温かみのある大学です。また、学びの機会やチャンスも豊富にあります。自然豊かな環境も含め、五感で武蔵大学の魅力を感じ取っていただきたい。アドミッションセンターもより快適な環境で相談ができるようになりました」として、「ぜひ、一度本学に足を運んでください」と呼びかけていました。
PIC UP!
2022年4月開設国際教養学部
経済経営学専攻<EM専攻>
世界レベルの経済・経営学を学び、ロンドン大学の学位取得を目指す
パラレル・ディグリー・プログラム(PDP)の履修により、日本にいながら、世界水準の経済・経営学の知見を身につけます。また、高い英語力と教養、そしてデータ分析に必要な統計・計量経済学の手法までも兼ね備えた、グローバル人材を育成します。
  • 経済経営学講義風景
  • 経済経営学講義風景
  • 経済経営学講義風景
グローバルスタディーズ専攻<GS専攻>
英語と異文化体験を通してグローバル社会を生きる力を育てる
高度な英語力を養うとともに、国際関係、コミュニケーション、文化の側面から世界を多角的に考える知力を身につけます。さらに、留学や異文化体験を通して、地球規模の課題に国際的に協働し取り組む力を育成します。
  • グローバルスタディーズ講義風景
  • グローバルスタディーズ講義風景>
  • グローバルスタディーズ講義風景>

世界で活躍できるグローバルリーダーを育てる

経済学部

経済学科
経営学科
金融学科
経済学部
経営学科

山﨑秀雄 教授

海外就業体験と課題解決型授業を1年次から履修し今後の学びにつなげる

「海外インターンシップ」と「グローバル企業研究」を新設。グローバルな経済や企業の現場に早期に触れ、さらなる学びや挑戦を促す
今年度から経済学部にグローバル科目を2つ新設しました。このうち「海外インターンシップ」では、成長著しいアジアの国で2週間程度の就業体験を行い、実践を通して経済・経営・金融を学びます。今年度はコロナのためオンラインで実施しますが、カンボジアを舞台に、現地の方々の困りごとをヒアリングし、クラウドファンディングで資金を集めて課題解決に挑みます。15人の受講枠に入学間もない1年生が多数、応募してくれました。今後の海外フィールド実習や留学につながる経験になることを期待しています。
もう一つの「グローバル企業研究」は、企業から提示される課題の解決策をチームで提案し、企業の評価を受けるPBL(課題解決)型の授業です。今年度は伝統的な技術を持つ日本企業の海外展開をめぐる課題に取り組みます。早期にビジネスの現場に触れることで、在学中に学ぶべき専門知識がより明確になると思われます。
両科目の受講で、学生は語学力を含め、グローバルな知識や実践的な能力の重要性に気づき、その気づきが自身のキャリア形成に必要なさらなる学びや挑戦を促すでしょう。ここに1年次から受講する大きな意義があると考えています。
経済学部の詳しい情報はこちら

人文学部

英語英米文化学科
ヨーロッパ文化学科
日本・東アジア文化学科
人文学部
英語英米文化学科

新井景子 教授

文化と言語から各地域の理解を深め複眼的な視野で世界に羽ばたく

「言葉の力」と「世界を見る眼」を磨く2つのグローバルプログラムを新設。複雑化する社会で、答えのない問いに向き合う
人文学部は文学や歴史、言語、社会、思想、芸術など多角的なアプローチで英語圏、欧州、日本・東アジアの各地域について理解を深める学部です。今年度春からは新しいプログラムとして、外国語の総合運用能力を高める「グローバル・チャレンジ(GC)」と、人文学的なアプローチや分析方法を学ぶ「グローバル・ヒューマニティーズ(GH)」を開設しました。
GCの目的は、留学するために必要なレベルの言語運用能力を身につけることです。所属学科の地域の言語プログラムだけでなく、他の地域の言語プログラムも選択できます。留学へのチャレンジをサポートするとともに、人文学の基本となる「言葉の力」を高めてもらうのが狙いです。
一方のGHでは、俯瞰して「世界を見る眼」を養えるよう、学科の垣根を越えて人文学とは何かについて理解を深めます。
人文学部では、他者とディスカッションしながら異なるものの見方を学び、広い視野で課題解決の方法を探ります。現実の社会には答えのない問題が多々あります。そのとき、人文学部で得られた経験が、グローバルで複雑化する現代社会において大きな力になるものと信じています。
人文学部の詳しい情報はこちら

社会学部

社会学科
メディア社会学科
社会学部
メディア社会学科

アンジェロ ・ イシ 教授

新時代の共通言語「英語」と「データ」グローバルな二刀流で社会課題に向き合う

社会学的な広い視野で学ぶデータサイエンスと、英語を含めた外国語によるコミュニケーションスキル。2つの力を掛け合わせて、世界のどこでも働ける人材になる
2017年に「英語」と「データ」という2つの共通言語を駆使して社会学を学ぶグローバル・データサイエンスコース(GDS)を開設しました。なぜ、「英語」と「データ」が共通言語なのかを説明しましょう。
グローバルな視点を持って社会学を学ぶには英語力は必須です。ただし、単に英語を話せればいいというわけではありません。求められるのは、異なる文化を持つ人たちとコミュニケーションを図り、異文化理解力、多文化共生力を育む英語力なのです。社会学で使える英語を含めた外国語力を身につけるため、留学をはじめ学部独自のプログラムを用意しています。
次は「データ」について。データ分析に必要な統計学や分析手法を学ぶことによって、データに裏付けられた課題に対する提案ができるのです。ビジネスパーソンを招いた授業などを用意し、より実践的な社会分析スキルを習得できます。
グローバル理解に大切なのは、他国の政治、経済、文化、歴史など総合的に関心を寄せる社会学的想像力です。GDSでは、社会学を学ぶ上で欠かせない外国語力とデータ分析力が身につく。まさに二刀流なのです。
社会学部の詳しい情報はこちら

国際教養学部

  • 国際教養学科 <経済経営学専攻・グローバルスタディーズ専攻>
国際教養学部
国際教養学科

東郷賢 教授

世界水準の学びにこだわり世界で戦える人材を育てる

「経済経営学専攻」と「グローバルスタディーズ専攻」の2専攻制で2022年春開設。世界水準にこだわり、真のグローバル人材を育てる
国際教養学部は「世界水準で学び抜く覚悟はあるか。」と強いメッセージを打ち出し、今年4月に新設しました。世界的に見ると日本の大学生は学習時間が非常に短いという調査結果があります。今後さらにグローバル化が進むと、海外の大学で鍛え抜かれたライバルたちと勝負しなければなりません。そのような厳しい社会に備えて高い英語力と専門性、そして教養を身につけた学生を育てるのが使命と考えています。
経済経営学(EM)専攻はパラレル・ディグリー・プログラム(PDP)を通じ、武蔵大学とロンドン大学、両方の学士号取得を目指します。また統計・計量経済学の専門性を高めてデータ分析の手法を身につけるのも特徴です。
一方、グローバルスタディーズ(GS)専攻は8割の教員が外国出身です。多様なバックグラウンドを持ち、世界を知る教員と探求的な学習に取り組めば、海外留学さながらの経験を積めるでしょう。
いずれの専攻も、他学部で実績のあるプログラムを取り出した形で開設しました。意欲と目的意識を持ち、毎日しっかり勉強できる人であれば4年後、世界で戦える実力が必ず備わるものと期待しています。
国際教養部の詳しい情報はこちら