原田健太郎
1957年生まれ。長野県出身。大学在学中は工学部に在籍。卒業後に東芝に入社。映像機器の開発設計や営業マーケティングなど幅広い領域で活躍し、95年に父が創業したテクロックに入社。2000年に一度退職し、東芝の関連会社を経てオリンパスに入社。ある方のお声掛けも有り、2015年に15年ぶりにテクロックに復帰し、同年代表取締役社長に就任。
https://teclock.co.jp/

INTERVIEW

当社は精密測定機器と言われるハードウエアの企画・開発・製造・販売を主要事業としています。そのベースの上に2017年にスマートメジャー(SmartMeasure ®)というIoTソリューションを開発し、新規事業として推進してきています。私にとっての道しるべは、「思いは必ず実現できる」ということ。常に自らの着地点を設定し、ゴールへ行き着くまでの間に試行錯誤していくイメージを持って挑戦し続ければ、必ず道は拓(ひら)けていくと信じています。今後もそのイメージを具現化していくために、社員一人ひとりの得意不得意を見極めながら挑戦を続けていきたい。スマートメジャー事業をさらにグローバル化していき、より多くのお客様の課題解決につなげて社会を幸せにしていくことが、我々にとっての一つの着地点ですから。

様々な経験から培った、イメージする力

原田健太郎

もともと宇宙を構想したりイメージすることが好きだった私ですが、高校生の頃にアインシュタインの特殊相対性理論の本を読み、その中にあったE=MC²という有名な式が私の人生の大きな転機となりました。一見、ただのアルファベットの羅列に見える式には深い意味が隠されていて、大きな衝撃を覚えたことを思い出します。その式との出会いが、理系の道へ進むきっかけにもなりました。その後、大学では工学部に進学し、卒業後に東芝へ入社を決めました。入社以来、海外経験を数多くさせていただき、様々な知見を学びました。1995年には父が創業したテクロックへ入社し、それまでに培った経験をフルに活用していこうと仕事に従事していきました。私の人生の本番が始まったなという感覚でした。
しかし、創業者である父との意見が食い違うこともあり、空回りしていく時期が続きました。今振り返ると、イメージや実践の仕方に大きな隔たりがあったのかもしれません。
そのため5年ほどでテクロックを一度離れ、オリンパスへ入社。SaaS型のコンテンツ配信ビジネスというものを企画し、立ち上げに参画するなど、新規事業の発想を一瞬で決めていくようなスピード感のある職場環境の中で研さんを積んでいきました。新規事業の構想は熟考した末に図面を書いて決まるものではなく、全体の構想がふっと舞い降りたように瞬間的に決まっていくもの。そうした経験は今の事業立ち上げにも大いに役立っています。その後、紆余曲折を経て、自分自身の15年間の留守中にテクロック社を実質的に支えていた義理の兄からの社長就任の打診もあり、15年ぶりに当社へ戻ることを決意したのです。そして社長室の席に座った瞬間に、今後のテクロックの将来を担う画期的な新規事業である『スマートメジャー事業』の構想を思いつきました。「この15年間はこのためにあったのだ」と強く感じた瞬間でもあります。

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現在・過去・未来を一元管理するソリューション

スマートメジャーは車やスマートフォンの生産ラインなど、主にモノづくり企業の製造現場で、スペック通りにできているのかをチェックする検査結果や測定データをデジタル化し、クラウド上に上げるハードウェアソリューションになります。
これまで製造メーカーなどでは、測定した情報をメモに取り、それを人の手でデータ入力していくことが一般的でした。貴重なデータを残さず分析もしない事が通例だったために、繰り返し製品の不良を出してしまったり、分析を怠る事によって不良に気づかず作り続けてしまうといった課題も散見されてきました。まさにスマートメジャーは、そうした非効率な作業を効率的かつ正確に残すことで、多くのお客様から支持を集めてきたのです。
また同製品は様々な拠点から全ての情報を一元的にクラウドへ上げて分析・解析し、その結果を好きな時にパソコンやスマホ、タブレット上で閲覧する事が可能となります。
距離も関係無く世界中でデータを確認する事ができますし、過去にさかのぼって必要なデータのみを閲覧し確認する事もできる。時には過去の蓄積されたビッグデータを分析し、今後の傾向を予測する事も可能です。未来で不測の事態を招かないための対策としても活用できますので、現在・過去・未来を一元管理するソリューションが、この製品の特長でもあります。
現在の顧客は製造業が全体の9割を占めていますが、物体の硬さを測定する機械もあるので食品業界や宝石業界といった特殊な業界からも好評です。
まだまだ非効率な作業工程が当たり前になってしまっている企業も多いですから、人材確保も難しくなってきている時代の中で、スマートメジャーでの作業効率化を図り、単純作業から解放していくことも実現できると考えています。
今後は製造業に限らず、ヘルスケアや医療・美容・アパレル・飲食業・サービス業といった分野の活用にもサービスを拡充していきたいと思いますし、よりグローバルな展開を目指していきたい。そうしたイメージ(目標)さえしっかり持てていれば、結果的には必ずゴールへ到達できると信じています。これからも目標達成した時のイメージを強く持ち、一歩一歩まい進していきたいですね。

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