池田雄一
1967年生まれ、北海道出身。個人設計事務所、大手ハウスメーカー勤務を経て、2003年にロゴスホーム創業。20年、同社にて北海道の戸建注文住宅建築確認件数No.1を達成。21年、ロゴスホールディングスを設立。事業会社にロゴスホーム、豊栄建設、GALLERY HOUSE。「家づくりを通して幸せな家族を増やしていく」という思いのもと、「地域固有のブランド・ノウハウを生かす、日本一のアライアンス企業」を目指して活動中。
https://logos-holdings.jp/

INTERVIEW

建築業界に入る前は、いろんな仕事をやってみたくて、薬局の事務員やアパレル店員、飲食店スタッフ、バーテンダーなど20以上の仕事を転々としたものです。 最終的に選んだ建築の仕事が自分に合っているかどうかは、卒直に言うと今でも分かりません。ただ、好きだからここまで続けることができたのは確かです。若者の皆さんにもぜひ、好きであり続けられる仕事を見つけてほしいと思います。

一人で黙々と過ごすことが好きだった

池田雄一

父が建築業を営んでいたからなのか、小さな頃から家の図面を描くことが好きでした。よく自分の住みたい家を思い浮かべてはチラシの裏に図面を引きました。大勢で遊ぶよりも、一人で本を読んだり遠出をしたりするのが好きでした。自転車で1カ月かけて北海道一周の旅に出たこともあります。見知らぬ景色を見る度に、世の中には自分の知らないことがたくさんあるのだとわくわくしました。

高校卒業後、いろんな職場を転々とした末に一級建築士の資格を取り、小さな設計事務所に就職してビルやマンションの設計にかかわりました。一人で黙々と作業をすることが好きな私にとって快適な仕事環境でした。数年で大手ハウスメーカーに転職しました。前職とは違い、いろんな職種の人とチームを組んで一つの家を作るのですが、意外にも楽しく新鮮な経験でした。誰かが失敗をすればチーム全員で責任を負わなければならないことを理不尽だと感じることもありましたが、それ以上に、チームで協力して助け合うことに喜びを感じるようになりました。

30代に差し掛かると同世代の友人たちが結婚し、マイホームを建て始めました。私もたびたび「家を建てたい」と相談を受けることがあったのですが、「任せて」とは言えませんでした。自分が売っている家の性能や価格に自信が持てなかったのです。大切な友人や身内に自信を持って勧めることができる家づくりをしたい――そんな思いから35歳で独立しました。大手ハウスメーカーのように全国どこでも画一的な家を建てるのではなく、地域の気候や風土、文化に合わせた家づくりを大切にしようと考えました。北海道の会社ですから、マイナス20度の厳しい寒さと30度を超える酷暑の両方に耐えうる高性能な家を、地元企業に勤める人が無理なく購入できる価格で提供することにこだわりました。

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全国の地域ビルダーと手を組み成長目指す

独立してすぐ友人が立て続けに家づくりを依頼してくれて、そこから輪が広がったことで最初の数年は順風満帆でした。メーカーで決められたものではなく、自分たちが本当にいいと思うものを作れることに充足感がありました。数年経った頃、大きなアクシデントに見舞われました。施工済みの床暖房に不具合があることが分かったのです。その数は数十件に及びました。すぐにすべての床材を剥がして中身を入れ替える作業に取り掛かりました。工事中の家はまだいいのですが、大変なのは引き渡しが済んだお客様です。張り替えの間、荷物を持って仮住まいに移っていただかなくてはいけませんでした。この一件で会社に大きな損害が出たことは言うまでもありませんが、それよりもただお客様に申し訳ない気持ちでした。

住宅のクオリティは業界全体で年々向上し、どのメーカーが建てても性能や設備にさほど差はありません。その中でお客様に選んでいただくためには「人」の部分が肝心です。お客様に信頼していただけるような人材を育てるために、新卒を採用し社員教育に力を入れるようになりました。最初は「営業成績を伸ばしたい」「技術を磨きたい」といった個人の目標で動いていた社員たちも「地域のお客様に良い家づくりを」という思いで動いてくれるようになりましたし、社員同士で意見を出し合い、後輩を育てようという雰囲気が醸成されているのを感じます。私は彼ら一人ひとりの力を生かし、チームとして成長させられるような経営者でありたいと思います。

ウッドショックや新型コロナウイルス禍の影響で建材が不足し、住宅価格も高騰しています。特に私たちのような地域ビルダーは規模が小さなところが多く、この荒波を単独で乗り越えることは困難です。そこで、全国各地でそれぞれの地域に根差した優良ビルダーに声を掛け、アライアンスを組んで一緒に困難を乗り越えていけるような企業連合体を立ち上げました。DX(デジタルトランスフォーメーション)化やSDG’Sの取り組みなどのノウハウを共有し、生産性を上げて質の良い住宅を適正な価格で提供できるようになればと考えています。そして、家づくりを通じて世の中に幸せな家族を増やし、ステークホルダーの皆様への還元も大切にしながらも地域の住文化を守っていく為、2030年には各エリアの地域ビルダー10社程度でアライアンスを組んでグループで5000棟を目指しています。現時点では3社合わせて1000棟程の住宅を提供しています。その為にも、全国に地域ビルダーの輪を広げ、共に成長を目指していきたいですね。

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