幾波慶一
小西六写真工業株式会社(現コニカミノルタ)入社後、会社初の27歳の一般職で初めて開発チーフとなり世界初の完全再生紙対応の自動両面複写機を企画発案から量産まで開発を行う。多くの複写機、プリンタの開発チーフを歴任後、キヤノン株式会社へ転職。キヤノン初のプログラムマネジャーとして世界初の本格的な卓上型カラーレーザープリンタを独自の企画から開発、量産までを率いる。それら開発の中で、国内外、社内外の多くの人や組織、企業をコーチングにより成果をあげる。2019年、社会への恩返しとして、より多くの人・組織と企業の成長に貢献するため起業する。一部上場企業を含む幹部や経営者から一般の方までを対象に、ビジネス&イノベーションコーチングを実施し、大きな成果をあげている。また、「大人の仕事塾」を主宰し子供から大企業の管理職までをコーチングしている。
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INTERVIEW

一生懸命に働く若い方々に伝えたいことは「自己犠牲などするな」です。働く人たちは自分のためだけに働けばいいんです。他の人はどうでもいいというのではなく周りの人のためにも、あなたが仕事で成果を出せる基本だからです。組織の中での「成果」「貢献」「成長」を貪欲に追及すれば、必ずや思考回路が変わり行動が変わり、働く楽しみや幸福につながり、ひいては会社や社会への貢献におのずとつながっていきます。本当の成果を出していない大人が、他者の失敗を責めます。ダメな大人がマウンティングして、他人の成長を邪魔します。それに決して屈することはありません。まずは、自分が自分の一番の味方(応援団)になって、成果を目指してほしい。その成果は、必ず誰かのためになるのだから。

上層部全員が「絶対不可能」だと反対した

幾波慶一

思い返せば幾つもの恵まれた機会があった中、忘れられないのは柔道部キャプテンであった中学生のころの記憶です。市の大会の決勝で鎖骨を骨折した私が、その日も練習を見学していたところ、「(全国優勝という)目的に対して、今の自分の役割を考えろ。思考停止するな。覚悟を決めて最善を尽くせ」と顧問に激しく叱咤されたのです。見学も単に“やっている”ではなく、目的達成とそのための行動の意味、そして常に自分の役割を意識し行動する。後に私の仕事のあり方を方向づける経験であったと思い起こします。

その後、同志社大学工学部機械工学科を卒業し小西六写真工業株式会社(現:コニカミノルタ株式会社)に入社。自らの設計技術を磨きながら、開発統括責任者として新規複写機の企画・開発を成功に導いてきました。開発・技術・設計と製造・品質・コストにスケジュールといった社内管理に加え、取引先との協業も経験する。多岐にわたるエキスパート達と目的を共にし、進捗をコントロールしながら、「結果・成果」へとつなげる。そうやって世界初のトナーサイクルでの「完全再生紙対応自動両面複写機」を発表。「世界初」だったということは、その当時不可能と考えられていたことだったと言い換えてもいいかもしれません。ですが、絶対に無理だと言われれば、なぜかやる気が高揚してしまう、正解のないものに挑む使命を感じる、そんな私の気質が開発チーフとしての「絶対に成果を出す覚悟」と相まって、チーム一体となった運営をかなえたのだと振り返ります。

このような経験は、後にキヤノン株式会社 レザープリンタ開発部門でも生かされました。上層部全員が「絶対不可能」だと反対した卓上型で「世界初の本格的インライン型カラーレザービームプリンター」をプログラムマネジャーとして発案し、基本性能を従来機の4倍にしたうえで低価格かつコンパクトに実現しました。その他にも数々の開発に挑み、幾多のプロダクトを世に送り出しながら、この未知の技術分野に協力いただける国内外多くの取引先にも組織運営や利益などの面で貢献できたと自負しています。社内の各部門だけでなくOEM先や海外の取引先企業をも率いながら一つひとつのプロジェクトを成し遂げる、そんなある種の困難さを伴う業務を遂行可能にしてきた軌跡に、私独自のコーチング理論があります。

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もともと成果に辿(たど)り着く力を内在している

2019年に設立した当社は便宜上“コンサルティング”と銘打ってはいますが、私としてはビジネス&イノベーション コーチングの認識です。つまり、ロジカルだけでは片付かない実践的課題に取り組み、必ず「成果」へと導くコーチングを役割とした準委任業務を主体とする事業です。多くの場合、ご依頼される企業様はもともと成果にたどり着く力を内在していらっしゃいます。成果を出せない本質的な課題を顕在化させ、戦略と各人の役割を腹落ちしていただくことで、正しい方向に自走できる組織運営と仕組みを作り上げる、それが当社の使命なのです。ほとんどのお客様が、これまでのコンサルティングで成果が出せていない企業ですが、目的達成につながる適切な戦略・戦術をデータ分析から行い、関係する全ての人の役割を明確にすることで、その全ての企業様は、半年〜1年で「失敗コスト半減」や「利益率2倍」などの大きな成果を出しています。

仕事を推し進める過程には山ほどの課題があり、突発的事案も多発します。解決方法は際限なく、これらを想定してなお、行動によって必ず成果を出していかなければなりません。端的に言い表しますと“行動”だけが成果へとつながるすべなのです。その“行動”を反射的に起させるもの、それが『思考回路』です。考え、動き、その結果を検証し、また考え、成功への確度を上げてゆく。このサイクルが成果の方向に常に前進している常態を作り上げることが重要なのです。そう考える私が必ず皆様に伺う問いが「これまでの仕事の中でいちばんうれしかったことは何ですか?」です。驚くことに、役職も男女も年齢も国内外すら問わず、皆様の答えはほぼ同じ。それは、成果を出した時・誰かに貢献できた時・自身の成長を自覚した時、と、「成果」「貢献」「成長」の3種に限定されます。だったら、成果・貢献・成長に向けて、自分自身が幸福であるように仕事をすればいいじゃないか、それがひいては会社のため、そして社会のためになってゆくのだから。仕事の本質的なあり方とは、社会のため、会社のため、自分のため、これらが一致しているときだけをいうのです。そう伝えた時に聴講されている方々の表情が一瞬で変わります。成果に対する自身の役割を楽しめば、チームとして結果が出る。そんな組織運営をかなえるため、仕事を楽しむことを実践できるステージへと意識を変えていただく。もちろん、論理やテクニカルも大切ですが、まずはこの意識変容を促すことが当社のビジネス&イノベーション コーチングの命題なのです。

私の働きかけの対象は組織運営だけにとどまりません。「今の状況を何とかしたい」とお考えの全ての個人様への応援も実施しています。仕事において理想とのギャップにお悩みの社会人の方はもちろん、社会人準備中の学生さんや算数や数学につまずいているお子さんには無料で支援。家庭に事情のあるお子さん、学校に居場所のないお子さんにも当社でできる形での支援を継続しています。先述の通り、多くの方々はもともと成果にたどり着く力を内在していると私は考えています。また、私自身が10代の頃に大病を患った経験から生命には期限があることも知っています。頑張っているのに成果が出ない、困難な状況から抜け出すすべが分からない、そんな方々がよりよく生きていけるための応援が私の「役割」、そう確信しています。なぜなら、全ての人が幸せになるために生きていると信じているからです。

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