望月暁
米国ハーバード大学医学校、英国ニューキャッスル大学医学校への留学を経て、2003年山口大学医学部医学科卒業。東京大学医学部附属病院内科、国立がんセンター中央病院内視鏡部、東葛辻仲病院内視鏡部長などを経て17年、品川胃腸肛門内視鏡クリニック開設。19年、医療法人社団暁翔会 理事長就任。
https://www.gutclinic.jp/

INTERVIEW

努力は報われる――。私はいつもそう信じています。学生の間は自分のスキルを高める努力をし、社会に出たら人や社会に貢献するために自分のベストを尽くすことが大切です。誰かの役に立つ仕事というのは心からやりがいを感じられます。
どんな仕事にもお客様と仕事仲間の存在があります。お客様にはより良いサービスを提供し、職場にはより士気の高いチームを作り、双方からいただく感謝の言葉を自分の原動力にしていきたいですね。

内視鏡検査で辛い思いをしたからこそ

望月暁

子供のころから深く考える性格で、理数系の科目が得意でした。高校時代に叔父から「医師を目指すといい」と勧められたのがきっかけで山崎章郎先生の「病院で死ぬということ」という本を読み、感銘を受けて医学の道に進もうと決めました。
医学部に進学してすぐの頃、十二指腸潰瘍を患いました。内視鏡検査を初めて受けたのですが、麻酔もなく非常に苦しい思いをしました。数年後の再検査では麻酔を注入してもらったのですが、今度は麻酔が原因のめまいや吐き気でぐったりしました。どちらも辛くて、もう二度と受けたくないと思いました。
自分と同じように消化器疾患を患った人を救いたいと思い、いくつもの科の中から内科を選びました。研修医の時も、内視鏡検査がつらくて涙したり「もう中止してくれ」と訴えたりする患者様を何人も見ました。気持ちは痛いほどわかるので、心苦しかったです。どうにか不安や苦痛のない内視鏡検査はできないものだろうかといつも考えていました。
研修中、胃カメラを開発した実績を持つ東京大学附属病院の研究室に配属され、世界最先端の内視鏡検査や治療に携わる機会に恵まれました。一般的に「内視鏡検査は苦しくて当たり前」と考えるドクターは多いのですが、ここでは内視鏡の操作技術と麻酔量で苦痛をある程度コントロールできることを学びました。患者様を苦しめることなくスムーズに検査をこなす上司を見て驚いたのと同時に、私もこんな内視鏡医になりたいと思いました。消化器内科のほか、救急やがんセンターで経験を積むと、内視鏡検査の指導のために国内外の病院を飛び回る生活をしばらく続けました。しかし、4人目の子供が生まれたのを機に仕事と家庭との両立を考え、17年にクリニックを開業しました。

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一人ひとりのニーズに応えるオーダーメイド内視鏡検査

開院後は、「おもてなし医療」をコンセプトに、安心安全で上質な診療を追求してきました。特に注力しているのは「オーダーメイド内視鏡検査」です。内視鏡検査は単に痛みがなければいいというわけではありません。患者様の話を聞くと、麻酔で熟睡してしまい何も記憶がないことがこわいと訴える方、多少痛くてもいいからじっくり検査してほしいという方など、ご要望は人それぞれです。患者様にできるだけ安心して検査を受けていただくためにも、一人ひとりのニーズにきめ細かく応えていきたいと思います。
勤務医時代は検査後に患者様の声を聞く機会がなかなかありませんでした。一度、私が内視鏡検査を担当した患者様と院内で偶然すれ違った時に、付き添いの方に「辛かった」とこぼしているのが聞こえてしまったことがあります。検査はスムーズに終えたつもりでした。ドクターと患者様の感覚にはズレがあるのだと痛感しました。今は、すべての患者様に検査後のアンケートをお願いし、満足度を点数化してその日のうちに担当医に目を通してもらっています。自分が検査を行った患者様の生の声を生かすことが自己研さんにつながるはずです。まだ経験の浅いドクターは時に辛らつな声をいただくこともありますが、患者様の声をしっかり受け止めたドクターこそ成長します。そして、どんなに疲れていても、感謝の言葉をいただけば活力が沸いてきてまた頑張れますし、次のステップにどんどん進むことができます。
現状のおもてなし医療もまだ完成形と言えるか分かりません。患者様のフィードバックを生かしながら常に内容をアップデートして、診療体制の質を上げていきたいと思います。

私たちが提供するオーダーメイド内視鏡検査を求めて、全国から、時には海外からも患者様がお見えになります。現在、年間約7000件の内視鏡検査を行っています。私だけでは対応できる患者様の数が限られているので、オーダーメイド内視鏡検査に対応できる医療チームの体制を整え、規模と質の両面を強化していきたいですね。今後は分院展開も視野に、より多くの患者様におもてなし医療を提供していきます。

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