大政和之
東京都立工業高等専門学校(現:東京都立産業技術高等専門学校)機械工学科卒業。新卒で大手空調自動制御設備メーカーの下請け企業に入社、主に都内の大型建造物での納入機器のメンテナンス、施工管理業務を約15年経験。その後自動制御による省エネルギー対策立案・効果試算・提案営業・効果検証などの業務を約7年経験後に独立。現在は、省エネルギーによる光熱費経費抑制コンサルティングを行う事業を行う。
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INTERVIEW

私は、企業を対象とした省エネコンサルティングを生業としています。コンセプトは省エネで光熱費削減と環境保護を共に実行すること。また同時に省エネに関する指導やフォローなども行っています。前職でも空調用自動制御機器のメンテナンスや省エネ対策に約23年間従事してきました。そこでやりがいを感じ、もっと深く携わりたい、技術大国の日本だからこそ生じる特有の課題を解決したいという思いがあり独立。私なりのアプローチで挑みたいと考えています。

大きな出費を伴う省エネは続かない

大政和之

企業の場合、省エネというと性能の良い機器に買い替えたり、太陽光や風力など再生可能エネルギーの発電設備を設置したり、初期投資に大きな出費が伴う印象を強く持っている経営者が多いかと思います。事実、日本のメーカーは次々と省エネ性能の良い機械を生み出してくれますが、当然、それらを販売しなくてはなりません。決して安くないので、省エネを始めた企業では設備投資の経費が削減コストの何倍もかかるという弊害が起こってきます。設備投資をものともしない企業は数少なく、一番多いのは資金の潤沢ではない中小企業なので、出費ばかりがかさむとやがて省エネ対策自体を中止せざるをえません。私は長年、このやり方が本当に地球環境や企業のためになっているのかと疑問を抱いていました。それに苦しい思いをしながら省エネをするのも違うと感じていて、何か別のアプローチも併せることが必要なのではないかと模索し始めました。

その結果、省エネの根幹に立ち返り、まずは今すぐできること、すなわち今ある設備のまま省エネを最大限すること、その意識を日本中に広めることが大切だと気付きました。それでこれまで培った知見を生かしたコンサルティングを始めるために独立しました。私が提案する手法は、第一ステップとして初期投資を全くすることなく純粋に光熱費のコスト削減の成果を出していきます。成果が出れば省エネに対して前向きになりますよね。第二ステップは、それを何年か継続した後、プールした費用を新機器導入にあて、更なる省エネを実現します。どの企業でも容易に省エネに取り組めますし、ステップアップして従来の日本の技術力も生かせるので、環境と企業側の両方に好都合だと考えられます。

具体的には、一般の方が入れないオフィスビルの裏側にある空調システムの機能について、またビルや工場など建物全体の省エネの効果試算といった専門的な見地から調査し、そこから誰でも行える省エネの方法を提案していきます。例えばよくあるのがオフィスやレストランなどのフロアの空調設備の過剰な温度設定の是正です。フロアの設定温度は、建物の設計時に収容人数の最大値で決定することが多く、人が少ない時間帯でもピーク時と同じ温度になっていることがあります。オフィスやレストランにいて、急に寒く感じることってありますよね? 原因はそれです。そうしたミスマッチを細かく適正化する必要があるのです。これまでの事例から省エネの成果としては、平均で年間約10%の削減が見込まれます。もちろん依頼を受けた企業の業種やオフィス規模、環境によって詳細は変わりますが、それでも金額にすると数百万円の削減を達成することも可能ですので、ぜひ取り組むべきだと思います。

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へそ曲がりな新世代が、環境保護の鍵になる

日本は高度経済成長以来、ものづくり大国の地位を保持してきました。省エネ技術の高さも世界トップクラスと言えます。一方、その技術力や物資の豊さに甘んじてか、節電やゴミの分別など、”今からすぐに誰でもできる”省エネ、エコ活動に対する意識が一人ひとりに浸透していないように見受けられます。SNSで広告を出してみても、残念ながら日本人よりも欧米の方々からの反響が多く、そういった国々の環境保護に対する裾野の広さを肌で感じます。ただ日本でも安倍政権から菅政権に交代した際、2050年までのカーボンニュートラルの実現を強く打ち出したこともあり、より環境保護に向けた活動は活発化されると予測されます。

つい最近ではゴミの分別がなされないのを逆手に取り、ラベルのないペットボトル飲料を販売したり、プラスチックから紙のストローを導入するカフェが増えたり、少しずつ変わってきている兆しもあります。そうした動きがあるとこちらも奮起させられますが、私としては、まず日本のエネルギー消費の約4割とされる東京や、その近郊にオフィスを持つ企業や建物の管理会社やオーナー等に一つひとつ地道に省エネ思考を根づかせていきたいと思っています。

環境問題は、特にこれからの日本を背負う若い世代の活躍が鍵になってくることは間違いありません。周りに同調してしまうのは日本人の悪いくせで、他人がゴミの分別をしないから自分もしないと安易に流されるのではなくて、どうしてそれが必要とされているのか、自分の頭でしっかりと考えて判断し、正しいと思う方へ行動してほしいですね。また環境問題だけではありません。仕事も政治も、より良い社会になるために考え、勇気を持って一歩踏み出してほしいです。そうなるには、つい物事を違った角度から見たくなる、そのくらいへそ曲がりな性格の方が良いかもしれませんね。

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