佐々木雄太
千葉県生まれ。調理師の専門学校を卒業後、料理人として働く。23歳の時に新たな挑戦として解体業界に飛び込み、技術とノウハウを得る。30歳で独立し、2015年に株式会社DSKを設立。大手企業の2次請け企業として、公共施設やビルなどの大型建築物に対するはつり工事のほか、重機を使った解体工事などを手がけている。
http://www.kaitaidsk.com/about/

INTERVIEW

みなさんは解体業にどんなイメージを持っていますか。たとえばあなたの身内や大切な人が「解体現場で働きたい」と言い出したら、どう思うでしょう。「ガラが悪そう」「きつい」「危ない」そんなネガティブなイメージが浮かんだ方も多いのではないでしょうか。私は、この業界へのそういった偏見を変えていきたいと思っています。解体する人がいなければ、新しい建物を建てることもできません。世の中になくてはならない大切な職業ですから、職人やその家族が誇りに思えるような仕事にしていきたいですね。

調理師から解体業者へ

佐々木雄太

23歳まで調理師の仕事をしていましたが、違う仕事にも挑戦したいと思い、解体業の現場に飛び込みました。実は高校生のころに少しだけ建設現場でアルバイトをしていたので、初めてではありません。私が魅力を感じたのは、解体の中でも「はつり」という作業です。重機を使わずに人力でコンクリートを壊す手法で、道の狭い住宅地や狭小住宅のような重機が入れない場所で活躍します。必ず需要がありますし、力勝負なので「男の仕事」の印象が強く、純粋にカッコいいなと憧れました。マニュアルはなく、いかに考え抜いて安全な作業ができるか、職人の能力が試されます。そんな奥深さに今も魅力を感じていますし、まだまだ勉強中です。

最初はいろいろな会社を転々としながら下積みをしていましたが、技術と経験が身に付くにつれて慕ってくれる仲間が増えていきました。ある職場にいた時、上司との意見が合わず独立を考えるようになりました。若い職人たちが良い環境で仕事に集中できることが一番だと考えたのです。周囲の仲間や家族の後押しもあって、はつりに特化した解体工事会社を30歳の時に立ち上げました。一緒に起業した仲間5人、彼らの生活をこれから支えていくことを考えるとプレッシャーはありましたね。

最初の2、3年は思うようにいかないことも多く、仲間内でのけんかも絶えず大変でした。とにかく話し合いを大切にしました。特に営業が現場の状況を知るのは大切なことなので、営業と職人との情報共有はしっかり行うようにしていました。時間を有効に使えるよう、一日の段取りも徹底しました。時間に遅れないのはもちろんのこと、現場を終えた後のミーティングや次の日の準備を怠らないよう、スタッフ全員に段取りを叩き込みました。おかげで今は一人ひとりが高い意識で取り組んでくれています。

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目標は関東NO.1のはつり業者

現場では安全を確保するために細心の注意を払わなくてはならないので、職人はとても神経を使いますし、時に怒号が飛び交うこともあります。そのような場面を見た人が「工事現場の職人は荒っぽい」「こわい」というイメージを持つのかもしれませんが、彼らは決して人間性が粗暴なわけではありません。普段は礼儀正しく真面目な職人ばかりです。うちでは、社会人としてのモラルやマナー、言葉使い、礼儀に関してかなり厳しく指導しています。職人として技術が優れていることももちろん大事ですが、礼儀やマナーが身についていればお客様に指名をいただきやすくなりますし、この業界のイメージ向上にもつながると考えています。

現在、社員は60人近くまで増えました。起業当初のメンバーも全員残ってくれています。10代から70代まで幅広い年齢層のスタッフが在籍していますが、年功序列ではなく、役員は私も含め30代が多く、若手をどんどん育てて押し上げていく社風ができ上がっています。年長者は長年培った技術や経験を若者に惜しみなく伝えてくれていますし、年齢層が幅広いことが強みになっているのを感じています。派閥もいさかいもなく、みんなが仲良く過ごしているのを見ると、良い会社になったなとうれしく思いますね。決して人気のある業界ではありませんが、こんな会社があることを多くの人に知ってほしいです。

「継続は力なり」という言葉が好きです。この会社ではつりを極めて、関東で一番のはつり業者を目指したいですね。若者のみなさんには、失敗を恐れず、常にポジティブでいてほしいですね。失敗を引きずってくよくよする時間がもったいないです。後ろを向いていても何も変わりません。私もよく先輩に言われていたことですが、一歩でいい、1センチでいいので、とにかく今より前に進むことが大切です。壁にぶち当たることもあるかもしれませんが、いつも前向きな姿勢でいれば必ず道が開けますし、周囲の人も応援してくれます。頑張りましょう。

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