蓼沼憲
愛知県名古屋市で生まれ知多市で幼少期を過ごす。幼少期から野球に没頭し高校時代には野球部に所属。大学は経済学部に進学し、大学卒業後は金融機関に就職する。金融機関を退職したのちに、ケミックに入社し名古屋支店の営業職に配属をされる。ユーザーに喜ばれる製品提供を続け、名古屋、東京支店を管轄する営業部長となりその後取締役に就任。2015年には同社代表取締役となり、就任後は社員が働きやすい職場環境づくりに取り組む。
https://www.chemicool.co.jp/

INTERVIEW

経営理念の中で「100年企業」を掲げています。現在創業53年目で、さすがに100年目には私はもういないと思いますが、それぐらい長く安心して勤められる会社を作っていきたいということです。とはいえ新型コロナウイルス禍のように何が起こるか分からない世の中ですから、実際、会社がいつどうなるか予測がつかないのも事実です。従業員たちには、もし会社がなくなっても自分の力で生き抜く力を身に着けてほしいと思っています。よその会社にスカウトされるぐらいの人材に成長してほしいですね。大切な人材を引き抜かれたら大きな痛手ですが、その時は「それだけの人材をうちで育てたんだ」と誇りに思いたいです。

「このままでは支店を畳むしかない」の一言に火がついて

蓼沼憲

子供の頃から野球に明け暮れたり、ギターを弾いてみたり、好きなことに熱中して過ごしました。大学まで進みましたが、特にやりたいことがあったわけでもなく、遊んでばかりいました。サークルやコンパでは自然とみんなのまとめ役や盛り上げ役になることが多かったと思います。

時代はちょうどバブルに突入した頃で、就職先は金融関係が人気でした。私も金融関係に就職し、2年目から外回りを担当しました。当時は寝る間も惜しんで仕事をすることが美徳のような風潮もあり、仕事の時間が多くて、息づまり4年で辞めてしまいました。半年ほど何もせずに遊んでいましたが、そろそろ働かなければと求人広告を眺めて目にとどまったのがケミックの営業募集の記事です。アルバイト先の近くだったので、すぐに面接を受けに行きました。実はあまり会社や業界のことがわかっていなかったので、どうしても入社したいという意欲がなかったのですが、面接の時に社長と野球の話で盛り上がってしまい、採用があっさり決まりました。

自社の金属加工油剤や洗浄剤を売るのですが、実際は販売店に「売ってください」と頼んで回るだけで、今思えばずいぶん殿様商売でした。私も2,3年は適当にやっていましたが、当然ながら私たちの支店だけ売り上げが悪く、ついに「このままだと支店を畳むしかない」と社長に勧告されてしまいました。ようやく本気になり、どうにか結果を出そうと営業に没頭しました。まず、販売店に丸投げするのではなく、直接ユーザーに会いに行くようになりました。そうするとユーザーから「もっとこうしてほしい」とご要望をいただくことも多く、気付きがたくさんありました。それが新しい製品開発につながることもあり、生のユーザーの声を聞くことの大切さを痛感しました。

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10年以内に「働きがい改革」を

1年でどうにか結果を出したことで支店は存続し、営業部長になりました。社長に就任したのは47歳の時です。まずは会社全体の一体化が急務だと感じました。それまで、みんな与えられた仕事は一生懸命やるのですが自分たちの持ち場のことしか見えておらず、製造、開発、営業、それぞれの部署が自分たちのしたいことをして、他部署との連携が取れていない状況だったのです。他の部署にどんな人がいて今日は誰が出勤しているのかということすら把握できていなかったので、社員みんなで顔を合わせて話をする機会を増やしました。また、欠員が出れば埋めるだけの採用しかせず、社員の年齢層も高くなっていたので、新卒も含めた若者を積極的に採用し、社員教育制度も導入しました。会社の理念も掲げ「みんなでここへ向かいましょう」という方向性を明確にしました。これで社員たちの士気も高まるだろうと期待しましたが、思ったより時間が掛かっています。私がどれだけ思いを熱弁しても、全員が我が事として同じ熱量で聞いてくれるわけではありませんし、人の意識を変えるのは難しいことです。それでも、ほとんどの社員が生気のない顔であいさつもせずに出勤していたころと比べると、状況は確実に良くなってきていると感じます。

これから10年で、働き方改革にプラスして働きがい改革をやっていきたいと思います。まずは日曜の夜に「明日からまた仕事か」と憂うつにならないような会社を目指します。福利厚生や正当な評価制度を整えることは大前提ですが、社員みんなのしたいことを聞きながら、これからやるべきことをじっくり決めていきたいと思います。お金を稼ぎたいとか社長を目指したいとか新事業を立ちあげたいとか、みんないろんな目標や夢があると思います。それをかなえられる会社にして、社員たちが「ケミックに入って良かった」と思ってくれればうれしいです。

よく「好きなことを仕事に」と言いますが、私は好きでこの仕事を始めたわけではなく、営業に没頭するうちに仕事そのものが好きになりました。今、みなさんの中にも「この会社は合わないな」とか「仕事がつまらない」などと思っている人がいるかもしれませんが、答えをすぐに見つけようとしないことです。そういう人に限ってまだ何もしていないものです。まずは没頭してみてください。必死にやっていく中で必ず答えが見つかると思います。道は、気が付くとできているものです。頑張ってください。

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