高浜有志
1973年東京都生まれ。大学卒業後、金融機関勤務を経て、税理士業界へ転職。長崎の税理士業界で16年の実務経験。2015年に税理士法人から独立し、経営支援センターを設立、代表取締役に就任。内閣府事業プロフェッショナル人材事業、長崎県プロフェッショナル人材戦略拠点参与。独立行政法人中小企業基盤整備機構、中小企業大学校・直方校講師、中小企業支援アドバイザー、事業承継、引継ぎ支援アドバイザーなど、多方面で活動中。
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INTERVIEW

事業承継のコンサルタントは、決して華やかな仕事ではありません。表に立つのではなく、円滑に事が進むように裏方に徹しなければいけません。目立たないけれど、振り向けばいつも後ろに控えている。経営者の方にとってそんな心強い存在でありたいと思っています。日本中の企業がそれぞれの場所で元気に経済活動をすることで、日本全体の国力が上がっていくはずです。裏方でありながらも、その一端を担っているという気概は持っていたいですね。

事業継承支援に専念するために税理士事務所から独立

高浜有志

大学卒業後、金融機関に就職しました。様々な企業と取引する中で、決算書の作成に携わるプロフェッショナルである税理士の仕事に興味を持ちました。その後税理士事務所に転職しました。事業承継についてのご相談が年々増えていて、地場の中小企業の存続を支援できることにやりがいを感じましたが、時期によってメインの業務である税務申告に忙殺され、なかなか事業承継にまで手が回らないのが実情でした。

税理士事務所に16年在籍した末、事業継承に悩む方の受け皿を作りたいと考え、独立しました。自分の裁量で仕事ができることに喜びはありましたが、同時に大きな責任を背負ったことへのプレッシャーもありました。それでも、事業承継支援の仕事とじっくり向き合うことができたことは良かったと思います。また、私の親が1948年生まれの第一次ベビーブーム世代なのですが、この世代には起業した方が大勢います。現在、事業承継のご相談に来られる方もちょうど私の親と同年代ぐらいの方が多く、私自身もその子供の世代として、思い入れと使命感を持って仕事に取り組んでいます。

事業承継はそれぞれの企業の事情に合わせてオーダーメイドで進めるので、「これが正解」というやり方はありません。大切なのは、経営者の方がどんな思いで経営し、次へバトンを渡そうとしているのか、話をじっくり聞くことです。事業に携わる従業員や家族の意見を集約し、方向性を定めて確実に実行していきます。短期間で結果が出ることではありませんが、お客様と同じ温度感で寄り添いながら気長に、時に泥臭く進めていきます。望んでいた結果になってお客様ご本人や周囲の方が喜んでくださることが何よりうれしいですね。

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ライバルが増えても、マーケットとして成熟すればいい

長い時間をかけてある企業の事業承継にかかわった時のことです。途中で経営者の方が亡くなったのですが、そのご家族に「ここまで事業承継に向けて準備をしてきたおかげで、事業のことで『明日からどうしよう』と慌てることもなく、静かな気持ちで喪に服すことができます」と感謝の言葉をいただいたのです。この仕事をしていて良かったと心から思った瞬間でした。事業承継支援の仕事は首都圏や大きな都市にしかないと思われがちですが、地方にも事業承継の悩みを抱える方はたくさんいますから、むしろ参入のチャンスです。どの地域にも様々な企業や事業所があり、それぞれ存在理由があったはずです。その事業を継続することが地域のためになるならば、コンサルタントとして全力で支援したいですね。

私と同じように地方で活動するコンサルタントがもっと増えればいいと思っています。私は長崎を拠点にしていますが、一人でカバーできる件数は限られているので、同業者は歓迎したいです。こちらの売り上げに影響があるかもしれませんが、競争相手が増えることでマーケットとして成熟していけばいいと思います。地方の中小企業が元気でなければ、日本全体を活性化することはできません。地方の中小企業は、地域に雇用の場と人が生活し続けられる環境をもたらします。事業承継は、まさに、地域経済の要です。事業承継支援を通じて、地域から元気にしていきたいですね。

自分の好きなこと、得意なことを仕事にできているのは幸せなことだと感じています。現状に甘んじることなく、自己研さんを続けていきたいと思います。昨年、私の次男が大学に入学したのと同時期に、私も勉強し直そうと大学院のMBAのコースに入りました。この年で勉強するのは新鮮で面白く、学生時代にもっと真剣に勉強しておけば良かったとつくづく感じます。若者のみなさんも、今やりたいことを全力でやってください。いろんなことに挑戦するうちに「これだ」というものがきっと見つかると思います。見つけたらそのまま突き進んでください。

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