嘉康一
1969年生まれ、大阪府出身。17歳で社会に飛び出し、実家の鍛冶屋を手伝いながら、派遣社員として数多くの仕事を経験。営業職に就き、その後役員として会社の立ち上げを経験し、経営に興味を持ち始める。2005年にエクシードジャパンを設立。テレマーケティング事業と人材派遣事業を始める。
http://www.exceedjapan.co.jp/

INTERVIEW

若い頃はあまり仕事を選ばず何でもやってきましたが、一つだけ信念を持っていました。それは人のために時間を使うことを惜しまない事です。どんな仕事をするかより、誰と仕事をするかが大事だと感じます。人とかかわるのには時間も労力も費やします。でもビジネスは一人ではできません。人材は「人宝」です。出会う人一人ひとりを宝のように大切にして、じっくりかかわっていきたいです。

「あなただから買いたい」

嘉康一

子どもの頃は決して裕福ではなく、風呂なしの古い長屋に住んでいました。17歳で高校を中退し、実家の鍛冶屋を手伝いながら職を転々としました。普通に応募してもなかなか採用してもらえないので、知人の伝手などで「うちで働いてみるかい」と声を掛けてもらうと、どんな仕事でも飛びつきました。

よく営業の仕事をする機会がありましたがあまり得意ではなく、とんとん拍子で売っていく人をすごいなと思いながら見ていました。見ているだけでは何も変わらないので、話し下手を克服するためにいろんな人と会って話す機会を増やしました。しかし口が上手ければ売れるかというとそうでもありませんし、口下手な人が営業に向かないわけでもありません。大切なのは、真面目さと、継続する姿勢です。人に丁寧にかかわることの大切さに気付いてからは、営業先で「あなただから買いたい」と言っていただけることが増えました。その後、仕事仲間からシステム開発会社の立ち上げに誘われ、役員として経営や財務にかかわりました。この時の経験が、後の会社経営にも生きていると思います。

34歳の時に人材派遣会社を立ち上げました。人材を集めるために、盛大に広告を打ちましたが、中々人が集まりませんでした。そのため、求人広告の担当者とじっくり時間をかけて綿密に打ち合わせをした結果、求職者が来るようになったのです。誰と一緒に働くかはとても重要な事です。取引先や社員など関わる全て人とのつながりを大切にする事の重要性を改めて考えさせられました。

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初心と感謝の気持ちを忘れない

人材派遣業を選んだのは、かつての私のように学歴やキャリアがなく職を転々とする人でも、自分で道を切り開き、精神的にも金銭的にも少しでも豊かになれるよう手助けしたいと思ったからです。業界未経験の派遣社員から大手企業の社員にステップアップできるチャンスもありますし、成長することでいろんな可能性が広がります。人材を派遣するだけではなく、育てることができる会社でありたいですね。成長できるかどうかは本人次第ですが、少しでもそれを後押しできればと思っています。社内では、何かを決める時に私が独断で決めることはほとんどありません。たとえば派遣スタッフの福利厚生の内容を決める時、「こんなサービスがあると楽しい」「こんなサポートがあると助かる」ということを幹部たちが積極的にアイデアを出してくれました。いつもみんなでアイデアや意見を持ち寄って、じっくり話し合いながら決めています。

現在、人材派遣業のほか、求人広告事業や店舗運営も手がけています。他にも面白そうなことがあれば何でも挑戦してみたい。もちろんいくつも事業を抱えることのリスクはあります。実際、災害や新型コロナウイルス禍の影響では大きな打撃を受けました。しかし、複数の事業をやっていることで助かった面もあります。これからもいろんな事業に挑戦して、私の会社で働いてくれている社員の中から10人の社長を発掘したいと考えています。もちろん社長になんかなりたくないという人もいると思いますが、やってみたい人にはどんどんチャンスを与えたい。気概のある若者と一緒に会社を作っていきたいです。また、管理職にもっと女性社員を登用して、女性が活躍できる場も増やしたいと思います。会社を立ち上げた時の初心と周囲への感謝の気持ちを忘れないように、常に心に留めています。その気持ちがなければ、いずれ人は離れていくでしょう。これからも、かけがえのない存在である社員、派遣スタッフ、クライアントを大切にしたいと心から思います。

人生は、挑戦、継続、達成の繰り返しです。なかなか達成に至らず心が折れそうな時もありますが、諦めないことが大切です。「諦めない」というのはしんどいことですし、かっこ悪く映ることもあるかもしれません。しかし、そこで踏ん張り続けることでしかつかめないものがあります。暗闇の中、ドアを手探りで見つけた時のような感覚を、みなさんにもぜひ味わってほしいと思います。

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