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5月23日は「難病の日」。2014年5月23日に「難病の患者に対する医療等に関する法律(難病法)」が成立したことを記念して制定された。難病法成立から10年の節目となる今年に改めて難病について考えたい。

指定難病の患者数、
少なくとも100万人※

※2022年度の特定医療費(指定難病)受給者証所持者数

世界には様々な病気が存在するが、中には患者数の少ない「まれ」な病気で治療法や治療薬がないことが多い疾患も多数ある。欧州希少疾患協議会(EURORDIS)によると全世界で6000超の希少疾患が特定され、患者数は3憶人に上ると推定されている。

日本では、2014年に成立した「難病の患者に対する医療等に関する法律(難病法)」の中で①発病の機構が明らかでない②治療方法が確立していない③希少な疾患④長期にわたり療養を必要とする――といった定義に当てはまるものを「難病」と位置付けている。難病は潰瘍性大腸炎といった炎症性腸疾患やパーキンソン病といった神経・筋疾患、下垂体前葉機能低下症といった内分泌疾患など多岐にわたる。

国は難病法に基づいて「指定難病」を定め、該当する患者の医療費を助成している。

2024年4月現在、指定難病の数は341。患者数は少なくとも100万人いるとされ、誰でもかかる可能性のある病気だ。難病の日をきっかけに難病に対する理解を深め、難病を抱える人たちも暮らしやすい社会の実現に向けた取り組みを進めていきたい。

数字で見る難病
数字で見る難病

ダイバーシティの観点から
難病患者に向き合う

吉川 祐一氏 写真 一般社団法人 日本難病・疾病団体協議会
代表理事
吉川 祐一氏

難病法成立から10年
広がる支援と残された課題

日本難病・疾病団体協議会(JPA)は2005年の設立以来、「病気や障害による社会の障壁をなくし誰もが安心して暮らせる共生社会の実現」を目指し活動してきました。全国の患者・家族の声を集め、難病患者の実態を行政や立法府に伝え、あるべき難病対策の実現に向け国会への請願署名活動や行政への要望書提出・意見交換を通じ、国や関係団体等に働きかけを行っています。

日本の難病対策は1972年の「難病対策要綱」の制定に遡ります。研究推進や医療費助成の対象となる疾患を定めるなど画期的なものでしたが、対象となる疾患数が少なく、社会活動の支援や福祉サービスなどについてはより厚みのある対策が求められていました。患者からの訴えが届き、2014年にはより総合的な「難病の患者に対する医療等に関する法律」(難病法)が成立、15年に施行されました。これにより医療費助成の対象となる指定難病は56疾患から大きく広がり、より多くの患者の医療費負担軽減、療養生活の環境整備などにつながりました。24年4月現在の指定難病は341疾患となり、制度的支援もさらに拡充されています。

法改正や社会制度の枠組みの変更による改善は少しずつ進んでいますが、取り組むべき課題は少なくありません。医療的な側面ではドラッグ・ラグ、ドラッグ・ロス(※)の問題や都市部と地方での医療提供体制の格差、診断までの時間が長くかかってしまう診断ラグの問題などは改善の余地があります。創薬へのインセンティブや開発環境の整備、デジタル技術活用によるリモート診断の促進など時代背景に合わせた解決策を押し進めていく必要があります。

※ドラッグ・ラグ:海外で承認されているが、国内で承認され使えるようになるまでに生じる時間差
ドラッグ・ロス:海外で承認されているが、国内では開発が行われず使うことができない状況

一人ひとりで異なる症状
社会全体の理解が必要

社会生活の観点からは、患者一人ひとりが地域で尊厳を持って暮らしていけるように難病に関する理解の促進が望まれます。就労について例を挙げれば、求職者が面接に行っても「病気が治ったら来てください」と言われてしまうなど、発病の機構が明らかでなく治療方法が確立していないという難病の特性さえなかなか理解してもらえないといったケースが見受けられます。

難病患者は、病状の不確実性や体調の変動などの理由から、就労において多くの困難を抱えています。一人ひとりの病状や治療法が異なるため、周囲の理解と協力を得ながら、就労環境の整備や地域支援を活用することで、個々の能力を発揮できる社会の実現を目指していく必要があります。

難病患者が抱える社会生活上の様々な支障

理解を妨げている原因の一つに難病の多様性が挙げられます。様々な疾患があり、同一の疾患でも個人差が大きく、進行の度合いによっても症状の重軽があります。指定難病だけでも341種類があり、一人ひとりの状況に応じたオーダーメードな支援が不可欠です。高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)が面談シートなどのツールを作成し、各都道府県単位でも難病患者就職サポーターが配置され就労支援に当たっていますが、難病そのものを知ってもらう啓発活動により力を入れていく必要があります。

誰にでも発症し得る難病
共感の輪で共生社会へ

JPAは難病に関する情報交流サイト「ふらっと」を運営し、患者や家族が最新の治療法や制度情報などを容易に取得できるようにしています。また、小学校への出前授業を通じて義務教育段階での啓発活動を支援するなど、病気を持つ人にも、そうでない人にも幅広く情報を届けるための取り組みを続けています。難病はかかる確率は低いものの、がんと同じく年齢や性別を問わず誰にでも起こり得る身近な病気です。だからこそ、インターネットやSNS(交流サイト)を通じてできるだけ多様な情報発信や交流の場を設け、どのような状況にある人でも難病に関する情報にアクセスできるようにしておくことが重要です。それぞれの状況を知り、人々を共感の輪でつないでいくことが共生社会を形作る上での嚆矢(こうし)になります。


難病患者が社会の一員として安心して暮らせる社会を実現するには、行政や民間企業、市民団体などが連携し、草の根から社会全体を巻き込み、取り組みを続けていかなければなりません。JPAは患者や家族に寄り添いながら共生社会の実現に向けて今後も注力していきます。

JPAマンスリーサポーターを募集

日本難病・疾病団体協議会(JPA)では、私たちの現在の活動の継続と新しい活動への挑戦を応援していただける、JPAマンスリーサポーターを募集しております。皆様の温かいご支援をよろしくお願いいたします。

JPAマンスリーサポーター募集

難病の日 
理解深めるきっかけに

  • 安奈淳さん写真 安奈淳さん
  • 私が指定難病である全身性エリテマトーデス(SLE)を発症したのは50歳を過ぎた頃。何だか分からない体の不調に悩みながら仕事を続けていました。今思えばなぜもっと早く病院に行かなかったのか・・・・・・。でも私は本当に運が良かった! たくさんの方々のおかげで健康を取り戻し、今、元気にステージに立っています。


    日頃から体の声をしっかり聞くことの大切さを感じ、この病を経て改めて生きている喜びをかみしめている毎日です。難病の日が、より多くの人が理解を深めるきっかけになることを願っています。

難病に対する企業の取り組みはこちら

  • アレクシオンイメージ
  • アレクシオンファーマ合同会社は2008年の創設以来、難病・希少疾患に特化した治療薬の開発と提供を行ってきた。「難病の患者に対する医療等に関する法律(難病法)」の成立から10年を迎える節目のタイミングで、難病・希少疾患の現状と同社の取り組みについて、笠茂公弘社長に聞いた。

  • ノバルティスイメージ
  • ノバルティス・ジャパンは、循環器・腎・代謝、イムノロジー、中枢神経、オンコロジーの疾患領域に注力するとともに、低分子やバイオに加えて、遺伝子・細胞療法、放射性リガンド療法、xRNAによる革新的医薬品の開発を推進しています。


    患者さんのより充実した健やかな毎日のために、「医薬の未来を描く」ための歩みを続けていきます。サイエンスの追求と医療におけるパートナシップを通じて、画期的な治療法を生み出し、適切な医療を必要とする患者さんに一日でも早くお届けすることをこれからも目指していきます。

私たちはこれからも難病の患者さん・ご家族とともに歩み続けます

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