元プロ野球選手/野球解説者
阪神タイガース スペシャルアシスタント

藤川球児氏

懸けられた期待は裏切らない

打者の手元で浮き上がるような直球「火の玉ストレート」で、野球ファンを魅了し続けた藤川球児氏。ファンの期待を超える真のプロフェッショナルを目指して、磨き続けた技術と精神力、未来の野球界を見つめる視点、そして試乗したスカイラインについて聞いた。

藤川球児氏

求められた役割で
一芸を磨き生まれた
魔球、火の玉ストレート

 プロになった当初は、自分の武器や、仕事でのこだわりの大切さには気づいていなくて、上手さを見せたいとこの世界に飛び込みました。でも、新しい選手がどんどん入ってくる中で、1軍やメジャーリーグという本当の意味でのプロフェッショナルの世界に挑戦しようとしたら、「一芸」をちゃんと持っていないとそこには行けないと思い知りました。何でも屋というよりは、1つこだわりをもって、それを突き詰めたほうが希少価値がある。替えが利かない存在になり得るんです。

 ただ、その「一芸」は求められているものじゃないと意味がない。リリーフも「お前はこれだ」という役割を与えられたときにトライしたから、結果を生んだんです。

 一方、ファンは最初「すごいやん、すごいやん」と言ってくれますが、すぐ「もっと」に。結果を残してもタイガースならではの強烈なヤジが飛んでくる。27歳からの4年間、実は相当悩みました。気づいたのは、ヤジは期待の裏返しだということです。プロフェッショナルは、求められるものを当たり前のようにつくり出し、ファンを引っ張って夢を見せないといけない。ファンに引っ張られてはいけないんです。それ以上の気持ちを預かっているわけだから、そこを超えていかないと。

 「火の玉ストレート」と名前を付けてもらいましたが、ボールに名前がついている人なんていない。それに恥じないベストを尽くすことが僕の責任であり、仕事だったんです。

インパクトを超え続けるために

 面白いとかドラマチックとか、人の興味って、最初はそっちのほうから入りますよね。僕も25歳頃まではそっちだけだったかもしれない。でも、すごいボールでお金をもらえているわけじゃなく、打者を抑える、結果を出さなきゃダメなんです。

 「火の玉ストレート」が僕の全てではなかったけれど、インパクトが強くなることでそのほかの球も生かされ、投球に変化を出せるようになりました。だから、本当のプロフェッショナルというのは、インパクトだけでは僕は足りないと思う。それを超えて、継続させていかなければならないんです。

 そのためには、一芸を磨きながら、さらにいろいろなことをしなきゃならないし、できなきゃならない。1つの商品を作り出すまでは大変だけど、売れたからといってそれ一本だけでいったらすぐ消えてしまう。勉強とか地道な作業は必要だし、そこで培ってきたことを糧にしながら、チャンスを逃さず、新しいことに挑戦し続けることが大切です。

 もう1つ、僕がこだわったのが決断力です。信頼というのは、その人に任せているわけだから、その人間が決断しないとダメ。配球もギリギリまで考えて基本的に自分で決めた。投げる前から答えを持ってマウンドに行くことは絶対ないので、打者と対峙して決断して一球を投げる。そして、結果に対しては自分が全て責任を負うように努めていました。僕の腕でカバーする。どんな場面でも自分で決断することが、信頼に応える、信頼を裏切らないことです。

「磨き抜かれたもの、
それは想像以上だった」
(藤川球児氏)

磨き抜かれたもの、それは想像以上だった

「操作手順とか何もいらないってくらい、ものすごく簡単。僕も、もう普通に使いこなせてますから。
わっ、上手だねー!プロパイロットの減速が上手なんですよ!割り込まれても全然怖くないんですよ」

「トライカムだっけ? 3つのカメラのおかげかな、ものすごく視野が広がるんです。ほんっとに快適です。普通は景色とか楽しめないですもん。それに“ここはこういうカーブだ”とかチェックする余裕もできて、降り口に向かうサポートもあって、ナビを気にしているだけのいつもの運転と全然違いますね」(藤川氏)

憧れられるために、
一芸を究めた走り

 スカイラインだから、きっとそうだろうとは思っていたけど、走り自体めちゃくちゃいい。サスペンションもいいし、パワーもある。スポーツモードはダイレクトだし、エンジンが引っ張りますねー。おもしろ!めっちゃくちゃ楽しい!!

人を守れる可能性が
非常に高いな、と

 それに、ハンドルを持たなくていいのは、生まれて初めての経験。最初は「楽」だと思ったんですが、首都高から東名に入ったあたりから「安心」っていう気持ちが出てきて、そこがダントツです。交通事故で人の命が奪われるとか、自分が命を失う、誰かに迷惑をかけるといった可能性をつぶしていけるように思えた。車線変更でもクルマに支配されているんじゃなく、自分で、自分の思いでやっているから、大きなトラブルにつながることがないと思うんです。

 家族も守れるし、奥さんの運転でも安心だし、会話も楽しめる。慣れるとどうしても委ねちゃうけど、ちゃんと注意もしてくれるから、そういう心配もない。安全の確度が上がるというか。自分勝手な運転でこの先、何年かして交通事故を起こしたら絶対後悔するわ。いいものを知るって、貴重な経験だよね。

名前は期待、
それに応える挑戦に感動

 これを19年に世界初でしょ。僕としては「あー、知ってしまった」という感じ。この後、自分のクルマを運転したら「あれやったらいいのになー」と思うでしょうね。

 ハンドルを握ってめいっぱい楽しむだけじゃなくて、ハンズオフ(※)で行くか、運転を選べるというのがいい。ハンズオフでも運転していない感じでもなく、どちらも楽しめる。「静かに運転させろよ」っていう機械じゃないね。静かにしてたもん。

 新幹線や電車で移動していたのをクルマで行っても、これなら全然苦じゃないし「高速、あーしんど」って言わなくていいですね。通勤にももってこい。仕事の疲労に運転の疲労をもう1つプラスしなくていいのは大きい。「クルーズコントロールが付いてるからいいか…」という考えは、全く機能が違うので変えたほうがいいと思いますね。それも「こんなのもあるよ」という作り方じゃない。
「命とみんなを守るため」に安心、安全、幸せにつながる一番いいものを高めて、みんなに提供していこうと。その一番を走っているのがスカイラインだったので、今日はほんとに、ちょっと感動でしたね。

世界初で技術革新をリードし続ける

 自動運転がまだ遠い未来の話だった90年代から、そこにつながる先進技術に取り組み、世界初を次々と実現してきた日産。その真髄は業界を超えた先端テクノロジーへの挑戦と、それを革新的な機能にインテグレートする世界最高レベルの制御技術開発にある。

 「ドライバーが求める意のままの走り」を実現する。テクノロジーがどんなに進化してもこの考えが変わることはない。スカイラインが生み出す新たな走りは、乗る者の期待を超え続けていく。

運転支援システム開発の歴史

世界初で技術革新をリードし続ける
衣装協力:ポストオーバーオールズ、コンバース

仕組み

仕組み

 カメラ、レーダー、ソナー、GPS、3D高精度地図データを組み合わせ、車両周囲360度の情報を把握することで実現したシステム。特に従来水準を超越した望遠と広角を実現した新開発「トライカム(フロントカメラ)」が画期的。異なる検出エリアをカバーする3つのカメラを組み合わせ、より広く遠くまでの状況把握を可能にした。
 また、2019年スカイラインから自動車に世界初採用となった3D高精度地図データで、センチメートルレベルの精度で道路上の自車位置を把握。高速道路上のレーン、速度/案内標識、周囲の車両の複雑な動きをリアルタイムでキャッチし、滑らかな走行を提供する。
 高速道路や自動車専用道の複数車線に渡るルート走行中、運転支援システムとナビが連動作動し、必要に応じた車線変更支援提案や、同一車線内でのハンズオフ(※)が可能となる。

インターフェース

インターフェース

 ドライバーは、メーター内に表示されるアニメーションやカラーリングで、プロパイロット2.0の作動状態を直感的に把握できる。側方から割り込む車両の動きもアニメーション表示され、車側が周囲を把握し制御が行われている様子が確認できる。
 この表示の信頼性も交通の流れの中、ハンズオフの安心感につながる。

※ ハンズオフは、高速道路や自動車専用道路を走行中、道路側の制限速度を上限に、ドライバーが常に前方に注意して道路・交通・自車両の状況に応じて直ちにハンドルを確実に操作できる状態にある限りにおいて可能です。ハンズオフ機能は対面通行路、トンネル内、急なカーブ路、料金所、合流地点及びその手前などでは使用できません。非作動区間に入る際には、システムが事前にドライバーに報知しますので、ハンドル操作を行ってください。
*ドライバーが自分の意思で車線変更を行いたい場合には、ハンドルに手を添え方向指示器を操作し、クルマ側が車線変更可能と判断すると支援を開始します。ドライバーの判断で、車線変更や追い越しをすることも可能です。
*あくまで運転支援システムであり、安全運転を行う責任はドライバーにあります。
*OTA(無線通信)自動地図更新機能により、3D高精度地図データは最新の状態に保たれます。

アリとかナシじゃなく、
これから絶対必要なこと

 交通事故って相手方に対してだけじゃなくて、自分自身も今まで培ってきたものを失うかもしれない。一緒に乗っていない仲間や信頼してくれる人たちに、迷惑をかける可能性もある。そういう意味でもほんとに素晴らしい技術。ものすごいものをつくったなと、1ユーザーとして思います。皆さん試乗してみたらいいと思いますよ、ほんとに。

 「私、機械ダメなんで」という人も多いと思いますし、僕もどちらかというとそっち側だったんですよ。だけど人生100年時代ですから、こういうものに自分からアプローチしてチャレンジしていくほうが、老後も含めて生活は大きく変わると思うんです。みんなが75歳からずっとバスというわけにはいかないし、「私は今まで通りでいい」と言っていると、たぶん移動すること自体が限られてくる。健康で長生きするだけでなく、アグレッシブに日常を楽しむという側面から見ても、アリとかナシじゃなくてこれからは絶対に必要なことだと思います。

 運転に不安がある人にもおすすめしたいですね。僕自身も自分が運転できなくなったら妻に病院に連れて行ってもらわないといけないだろうし、両親の介護でもそうですし、地方なら長距離の運転をする機会もあるでしょう。プロパイロット2.0は、全ての人の運転でこれまでにない大きなサポートになると思います。

※記事は2021年7月2日のものです。
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未来を見据えて舵を切る

 一個人としての僕は「バランスよく生きたい」というのが本質的なところで、社会生活を送る上でそこは変わっていない。だけどプロである以上、こだわり抜いた「誰にも負けない」というプライドと、プレースタイルやポリシーなど様々な頑固さを求められる。

 他人と自分を比べたり、過去の自分と今の自分を比べたりするのではなく、未来の自分はどうありたいかを基準に、今自分はどこら辺なのかという視点も持つと、納得できたり、「もっとできることがあるんじゃないか」と前向きに思ったりして、やるべきことが明確になります。

 今春から、阪神タイガースのスペシャルアシスタント(特別補佐)という新たなポストに就きましたが、オファーの理由は「最初からうまくいったわけではなく、苦労してそこから何回も立ち上がってきた藤川球児の経験をチーム育成に生かしてほしい」というものでした。

 プロ野球界ではセ・パ両リーグの力の差が言われて久しいですが、長いスパンで、チームをどう育てていくかということが求められています。若手が育たないから、他チームのベテランを呼んできて組織を回していると、短期的には勝つ確率が増えますが、新たな若手戦力の出場機会は減る。2、3年周期でしか考えていないと、ひいてはリーグ全体の停滞、衰退を招くということが僕自身はとても気になっていることです。10年先を見据えたら自社のことだけでなく、業界全体のこととか、社会でどういうことが求められているとか、もっと考えて舵を切っていく必要がある。

 気づきを与える中で自分も新たなことに気づき、意見を誰かにぶつけることもする。新しい物を企画するにしても、夢を与えるにしても、バチバチやりあうことだって当然あってしかるべき。グラウンドでいったら乱闘の世界ですよね。みんなそのはざまで生きているわけで、「ですねーですねー」と調子を合わせているだけなんて無理じゃないですか。そうした新たな挑戦に今後はベストを尽くしていきたいと思っています。

藤川球児氏

プロフィル藤川球児氏(ふじかわ・きゅうじ)

1980年高知県生まれ。父が草野球でノーヒットノーランを達成した翌日に生まれ「球児」と名付けられる。98年ドラフト1位で阪神タイガース入団。2004年先発から救援投手(リリーフ)に転向。打者の手元で浮き上がるような独自の直球は「火の玉ストレート」と名付けられ、「打者が真っすぐを待っているにもかかわらず、真っすぐで空振りを取れる」、「球児に任せておけば…」とファンや球界を虜にした。05年には勝利の方程式「JFK」の一角としてリーグ優勝に貢献。抑え定着後は絶対的守護神に。13年以降メジャーリーグ、シカゴ・カブスに移籍するも、ひじの故障でトミー・ジョン手術を受ける。15年テキサス・レンジャーズで復帰を果たすが自由契約となり、帰国後、四国アイランドリーグ高知へ。16年阪神に復帰、数多くの試合に登板し活躍。20年に現役最多セーブ記録保持者(243セーブ)として、惜しまれつつ引退。

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