小説家

真山仁氏

「視点」に正解はない
選択肢を増やすことが社会を動かす

 ドラマ化、映画化もされた『ハゲタカ』シリーズなど、数々のヒット作を世に送り出し続ける小説家・真山仁氏。社会で見過ごされていることに光を当て、異なる視点から読者に提示する手法は、多くの共感と話題を集めている。混迷が続く日本経済が今、打つべき「次の一手」、向かうべき「進化」について聞いた――。

真山仁氏

鷲津一人では『ハゲタカ』は
成り立たない

 「これでいいのかな?」と人と違うことばかり考えている子どもでした。社会や常識への自分の素直な疑問の気持ちをもっと多くの人に知ってほしい。その思いが小説家を志した原点です。

 小説は価値観の違う様々な登場人物を通して、社会で起きていることを異なる視点から読者に気づかせ、考えさせ、選択させることができます。私の代表作である『ハゲタカ』の主人公は鷲津政彦ですが、鷲津が一人で語っても行動しても読者の心にはなかなか届かない。多くの人物たちが時に協力したり敵対したりしながら、様々な思惑が絡み合うからこそ物語は現実味を帯び、面白くなる。読者も登場人物たちに共感したり、反発したりすることで、その世界観に引き込まれていく。

 日本は「全員一致」社会であり「空気を読む」ことを美徳としていますが、他者の考えを知ることでこそ真の民主主義は作られます。もしも、違う視点で考えてみたら、違う行動をしてみたら――。「if」を考える大切さを伝えるために私は小説を書き続けています。

「誰も見たことのないもの」が
日本経済の次の一手

 今、日本経済は未来が見えず、次の一手を皆が欲しています。これを打破するためには、日本経済の強みの根幹である製造業、中でも自動車と家電産業が復権しなければならないでしょう。必要なのは「誰も見たことのないもの」を作ること。そして忘れてならないのは「道具は人間が使いこなすもの」であり、「人間が主役」だということです。

 例えば、自動運転は自動車のイメージを根幹から変える夢の技術ですが、道具に生死を全面的に委ねるのではない仕組みづくりが必須だと私は思います。その中で作り手は、人の操作能力や判断力を超える複雑な機械ではなく、誰でも間違いなく使いこなせ、運転に関わるリスクを極力減らせる技術の提供を目指すべきです。

 新たな技術には社会そのものを変える大きな力があります。それを念頭に置きながら先進技術を追い求め、同時に、道具を使う人間の側に立った様々な視点を大切にした社会システムやルール作りを行ってこそ社会は進化します。人とモノ、社会と科学が共存し、共に進化し成熟していけるのが真の先進国です。

スカイライン

スポーツモードなら路面の変化にも瞬時に反応、一方、都心やクルージングはマイルドな走りで――。ドライバーの走りの好みやシーンに合わせて、最大96通りの走りが選べる「ドライブモードセレクター」も、スカイラインの挑戦の一つだ。

人が主役となり
優秀なパイロットになれるクルマを

 地方取材ではクルマ移動が多く、ほとんど自分でハンドルを握ります。すれ違うドライバーの運転を見れば住民の人柄や気質が分かり、路面の舗装で街の状況を感じ、小説の設定作りにも役立ちます。その中で自分の意のままに操縦できる感覚は私にとって大切です。個性がなくなっている最近のクルマの中にあって、スカイラインは「走りを磨く」というテーマをぶらさずに技術を高め続けていることが魅力。自分だけのカスタマイズした走りが味わえるなど、人が主役となり、優秀なパイロットになれるクルマです。これからの自動運転時代においてもスカイラインはスカイラインであり続けられるのかが、みどころですね。(真山氏)

※記事は2019年2月1日のものです。
ボディーカラー変更等最新の車両情報はこちら

真山仁氏

プロフィル真山仁氏(まやま・じん)

1962年大阪府生まれ。同志社大学法学部政治学科卒業後、中部読売新聞(のちの読売新聞中部支社)に入社。89年に同社を退職、91年からフリーライターに。2004年『ハゲタカ』(ダイヤモンド社/講談社文庫)で小説家デビュー。シリーズ作品となった同作は、07年NHK土曜ドラマ、09年映画、18年テレビ朝日木曜ドラマの原作にもなり大きな話題を集める。代表作は『ハゲタカ』シリーズ(ダイヤモンド社/講談社/講談社文庫)、『マグマ』(角川文庫)、『売国』(文藝春秋/文春文庫)、『海は見えるか』(幻冬舎/幻冬舎文庫)、『標的』(文藝春秋)、『アディオス!ジャパン 日本はなぜ凋落したのか』(毎日新聞出版)など。経済や政治に関するコメンテーターとして報道番組などへの出演も多い。

あわせて読む

スカイライン