主催:日本経済新聞社/後援:金融庁
3月21日から27日は世界中で金融経済教育を考える「グローバルマネーウィーク」。4月から高校の家庭科の授業で資産形成が始まることもあり、日経お金の教室では金融経済教育にフォーカスを当てていく。今回は金融庁とQuizKnockのふくらPさんの対談で、子どもだけでなく大人の学び直しにも重要な金融経済教育の必要性を語り合った。
2012年から世界各国で実施されている、子ども・若者に対する金融教育・金融包摂の推進のための国際的な啓発週間。2022年のテーマには「あなたの将来を作ろう、お金に賢くなろう」という意味が込められており、世界的に進むデジタル化やSDGsの観点からお金について学びを深めることが目指されている。
ふくらP 2022年4月から、高校家庭科で「資産形成」の授業が始まります。お二人は家庭科にどんな思い出がありますか?
中村 調理実習が楽しかった覚えがあります。座学のイメージはあまりないですね。
塚本 私は家庭科を受けていないんですよ。高校で家庭科が必修化されたのは1994年からで、私の頃は技術との選択式でした。
ふくらP 昔は必修ではなかったのですね。僕も実習の印象が強いのですが、大人になって確定申告を行っていると、お金について学校でもっと教えてほしかったと思います。
塚本 金融教育には「家計管理」「ライフプランニング」「資産形成」「外部知見の活用」という4つの柱があります。ただ、一度にすべて覚えるのは大変。ふくらさんのように「自分ごと化」したときに必要な知識を学ぶ。その継続が重要です。
中村 22年4月からは成年年齢が18歳に引き下げられるので、トラブルに巻き込まれないためにもより早い段階からの教育が大切になるでしょう。また、今後の資産形成においても、経済の仕組みがわかればつみたてNISAなどの制度もより安心して利用できますし、環境に配慮した企業に投資するといったSDGsの考え方にもつながります。
Profile:QuizKnockの動画プロデューサー。お金のことを改めて考える対談を通じて学び直しの意欲がムクムクと…?事務所には小中高の教科書がフルラインアップでそろっている。
ふくらP 金融教育は子どもだけでなく幅広い世代に必要と感じます。ただ、大人は誰かに教わる機会が少ないので、大切さを伝えるのも難しいのでは?
塚本 保護者へのアプローチは私たちもとくに重要視しています。例えば親御さんが投資に否定的だと、お子さんが学校で投資を学んでも実生活に結びつかないでしょう。学校教育をより意味のある学びにするためにも、家族で金融教育について考えてほしいと思います。
中村 金融庁では官民一体となって、複利の効果を体験できるシミュレーターなどの教材を提供しています。学生向けではありますが、大人でもわかりやすい内容となっているので、教材を通じてぜひ親御さんにも金融知識の大切さを知ってもらいたいです。
ふくらP 子どもたちのためにも、大人の学び直しが必要なのですね。金融の知識は生活に深く結びついているので、勉強してよかったと感じる機会が多いと思います。その実感こそが学びの楽しさの一つ。楽しく学んで、金融知識をみんなが身につければ国もきっと豊かになると思うので、金融教育の普及はぜひ続けてほしいです。