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何からはじめる? どう取り組む? 自由研究で新たな発見を

東大クイズ王としてメディアで活躍し、クイズを題材とするウェブメディアや動画チャンネルを運営する伊沢拓司さん。卓越した知識量とひらめき力を誇る伊沢さんに夏休みの自由研究の取り組み方について伺った。

伊沢さんの写真

周囲の反応、想像するのも手

小学生のときに「霜柱はなぜできるか」の自由研究をしました。霜柱に興味があったというより、自宅の周りで観察できるし、写真を載せれば目を引くなと考えたからです。ただ、なかなか計画的に調査を進められませんでした。実際に調査を始めると「なぜ?」「なんで?」という疑問が次から次へと湧いてきて、調べる量が増えてしまって……。計画的に取り組めばよかったなと思います。当時の自分にはまずリポートの下書きをして疑問を洗い出した上で、段階を踏んで調査を進めていったほうがよいよと教えてあげたいです。

伊沢さんの写真

自由研究というとテーマ選びで迷う人が多いと思います。僕の場合、同級生に面白いと思ってもらえるような題材を選んでいました。小学生のときに、世界の国や地域について調べてくる授業があり、クラスメートが「アメリカ」や「イギリス」を取り上げる中、僕は国名が長いという理由で「セントビンセントおよびグレナディーン諸島」を調べたんです。国名を発表した瞬間、クラス中の興味が僕に集中した喜びは今でも覚えています。周囲の反応を想像してテーマを選ぶのもよいかもしれません。

夏休みに普段できない経験を

自由研究のテーマの出し方には色々な方法があります。身近なことで疑問に思うことをノートに書き出してみたり、親子で話し合ったりするのもいいでしょう。「なぜ?」を深掘りしていけば、思いがけない課題が見えてくるものです。またインターネットで検索すれば、他の人が疑問に感じていることを知ることもできます。必ずしも自由研究のテーマ設定や題材そのものに独自性がある必要はなくて、例えば「疑問に対して結果がどうなるかの仮説」の内容や「調査が終わったあとに残った疑問や反省」「次にどんな調べや学習をしたいと思ったか」だけでも、自分らしさを出せるはず。それでいいんです。

まとめ方や発表形式は既存のフォーマットを活用してもよいでしょう。テーマや題材選びに必ずしもオリジナリティーを求める必要がないように突飛な方法で発表することだけが自由研究の面白さではありませんから。

夏休みはまとまった時間が取れる貴重な期間です。長編の物語をじっくり読んだり、自然のなかで遊んだりなど普段できないことができます。夏休みの自由研究にもじっくりと向き合ってみると、新しい発見があるかもしれません。

東大クイズ王 QuizKnock伊沢 拓司さん

東大クイズ王としてクイズ番組を中心としたタレント活動を行う傍ら、東京大学経済学部在学中の2016年、ウェブメディア「QuizKnock」を立ち上げる。17年に動画チャンネル「QuizKnock」を開設。19年にはチャンネル登録者数100万人を突破した。

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