「The Okura Tokyo」グランド―オープン企画 Vol.3

渡部明央 The Okura Tokyoチーフソムリエと
青木優佳 日本料理「山里」女将に聞く

「非日常」を
「日常」のように味わう

新たな魅力も加わった。
The Okura Tokyoのワインと日本料理

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割烹カウンター
新しく設けられた割烹カウンター。澤内恭・和食料理総料理長の包丁さばきをはじめ、料理が仕上がっていく工程を目の前で五感で感じられるのが醍醐味
ヘリテージウイングのロビー
日本の美を基調にしたヘリテージウイングのロビー。本館「平安の間」で使用していた「三十六人家集の料紙」を配する壁面に、藤の花をモチーフにしたシャンデリアが映える
バーラウンジ「スターライト」内のワインセラー
プレステージタワー41階にあるバーラウンジ「スターライト」内のワインセラー。和洋中など各レストランにワインセラーが設けられている

「The Okura Tokyo」グランド―オープン企画 Vol.3

渡部明央 The Okura Tokyoチーフソムリエと
青木優佳 日本料理「山里」女将に聞く

「非日常」を
「日常」のように味わう

新たな魅力も加わった。
The Okura Tokyoのワインと日本料理

「食のオークラ」といわれるThe Okura Tokyoで体験できるのは、「味」だけではない。料理やワインの文化や歴史、奥深さに触れることができるのも魅力だ。同ホテルのワインへのこだわりや楽しみ方、オークラの日本料理の特徴や新たな魅力などを、The Okura Tokyoチーフソムリエの渡部明央氏と日本料理「山里」女将の青木優佳氏に聞いた。

渡部明央 青木優佳

渡部明央/
The Okura Tokyoチーフソムリエ
1990年ホテルオークラ東京入社。パリの3つ星レストランなどでもソムリエとして勤務。2000年の九州・沖縄サミットではワインサービスを担当。19年9月から現職。

青木優佳/
日本料理「山里」女将(マネージャー)
2001年ホテルオークラ東京入社、和食・天ぷら「山里」に配属。07年アシスタントマネージャー。ホテルオークラアムステルダムへの出向を経て、19年9月から現職。

熟成シャンパーニュも、
飲みごろを手ごろな価格で
――The Okura Tokyoのワインへの
こだわりについて紹介してください。

渡 部:The Okura Tokyoは、「ワインのホテル」といわれるほどワインを保有しています。もともと在庫量は多かったのですが、新ホテルとしての開業を機に3倍くらいに増やしました。現在のワインリストは約800種類に及びます。在庫量が多いと、飲みごろのワインを手ごろな価格で提供できるのです。私たちは、ワイナリーから出荷された時点でまとまった量を仕入れ、自社で保存・管理しているので、品質面での間違いはありません。また、ワインは出荷された時の価格が一番安いんですよ。だから、リーズナブルな値段でお客様に提供できるのです。

こうしたメリットを一番に感じていただけるのが、グラスワインです。中でも、食事のスタートにはシャンパーニュというお客様が多いこともあり、The Okura Tokyoでは熟成のシャンパーニュにこだわっています。マグナムボトルも強化しているんですよ。マグナムは、空気に触れている量が多く熟成がゆっくり進むので、より味わい深くなるといった特徴があります。熟成シャンパーニュもマグナムボトルも、街の酒屋さんでは入手しにくいですし、ほかのレストランではなかなか得られない体験です。非日常の味わいを気軽に楽しんでいただきたいですね。

渡部明央
「和食堂」を原点に、
磨き上げた技で手をかける
――日本料理「山里」の魅力について
教えてください。

青 木:日本料理「山里」は、もともと和食堂「山里」という名称でした。結納や長寿のお祝いなど、人生の節目になるような日に来店いただけるレストランでもありますが、おそば一杯でも喜んでお迎えします。皆様の「食堂」であるという信念は、日本料理「山里」になっても変わりません。日本料理は難しいイメージがあるという声も聞きます。でも、家庭で作る料理も日本料理ですのでぜひ気軽にご利用ください。また日本料理は「引き算」といわれ、素材そのものの味を引き出すことが基本スタンスです。それを磨き上げたものが私どもがお出ししているお料理です。シンプルに見える料理も磨き上げた技で細かく手をかけ、丁寧に作ることが「山里」の伝統です。

その上で、季節の料理も召し上がっていただきたいですね。会席のほかに、旬の一品料理は100種類以上をそろえています。例えば、3月ごろなら桜鯛(サクラダイ)、やがて天然の山菜が出てきたら、次は鮎(アユ)、そして鱧(ハモ)、と続いていきます。「この時期に、山里でこれを食べないと始まらない」というお客様がいらっしゃることは、とても励みになります。私たち自身も、旬の食材からそれぞれの季節の到来を感じてうれしくなります。

「眺望」や「庭園」をでながら 
時の移ろいを楽しむ
――ワインや日本料理には、
さまざまな楽しみ方がありますね?

渡 部:ワインでいえば、ビンテージでしょう。ブドウが収穫された年にこだわるのです。例えば、自分や家族、その日の主役の生まれ年のワインを選んでみる。または、選んだワインの年に自分がどんなことをしていたか、振り返ってみるのもいいですね。接待の場などで会話がはずみます。ワインは熟成とともに味わいが変わっていきます。ただ、古ければいいというわけではなく、料理との相性で若いワインの方が合う場合もあります。実は私は、比較的若めのワインが好きなんです。そのワインが育ってきた環境や、ブドウそのものの品質がよく分かるのですよ。

青 木:日本料理の旬には、「はしり」「旬」「名残」の3つのシーズンがあり、調理法を変えて長く楽しみます。例えば鮎の場合は、まだ小さいはしりの若鮎は天ぷらに、旬のうまみがのった時期は塩焼きに、名残には卵を持っているので煮浸しにしたりします。ほかにも、発酵や塩漬け、味噌漬けなど、食材を傷ませないようにしたり、冬支度として保存したりする方法も、一つの食材を大事にいただく日本料理の特徴です。こうした文化を理解すれば、食材への感謝も生まれますし、食事がより楽しくなりますね。

――The Okura Tokyoとなって、
どんな魅力が加わりましたか?

渡 部:「眺望」が大きな魅力の一つになりました。これまで「ないものねだりはしないぞ」と思っていたのですが、高層フロアからの眺めはとても評判がよく、お客様だけではなく、私たち従業員も「景色がいいと気持ちいいね」と喜んでいます。

青 木:「山里」には天ぷらカウンター、鮨(すし)カウンターと共に、新しく割烹カウンターも加わりました。目の前で調理するので、臨場感や香りをダイレクトに楽しんでいただけます。庭園もお薦めです。都心にいながら、四季の変化はもちろん天気の変化も楽しんでいただけます。雨の日に濡れた木々を眺めるのも心安らぐひとときですよ。

青木優佳
オークラの財産は「人間」。
「親切に徹せよ」を貫く
――オークラらしさとは何でしょう。

渡 部:オークラには、「親切に徹せよ」という言葉があります。例えば、何かをお薦めする際には、おなかがすいていそうだな、顔色が悪そうだな、とお客様に寄り添って考えお薦めします。ソムリエは、お客様のひとときをプランニングするのも大事な仕事。そこで、いい意味で先入観を与えることもします。「ちょっと酸味が強いですが、この料理に合います」と言うより、「さっぱりしていて、おいしいワインです」と伝えた方が、より楽しんでいただけることもあるのです。

青 木:一言でいうと「人間」でしょうか。レストランもバーも全て直営なので、お互いにお客様を紹介し合ったり、相互に協力体制が取れています。スタッフ同士、仲間としての意識がとても強いですね。また、お客様から学ぶことが多いのもオークラならではでしょう。お客様のすばらしい人柄、未熟ながら努力を続けるスタッフたちの人間力が合わさって生まれる雰囲気が、オークラらしさなのかもしれません。

――女将として、チーフソムリエとして
メッセージをお願いします。

青 木:女将を拝命して半年。まだまだ至らぬ点も多いですが、お客様には安らぎを感じていただけるようになれたらと思っています。かの、川端康成氏がオークラに贈ってくださった言葉として「歩み入る者にやすらぎを、去り行く人にしあはせを」という言葉があります。お客様に幸せなひとときを過ごしていただき、また帰ってきたいと思っていただける「山里」をつくることが目標です。日本料理は堅苦しい料理ではなく、「食の楽しみ」を真に体感できる料理です。ぜひ一度、「山里」に足を運んでください。

渡 部:うれしいことに、「ワインを飲むならオークラへ行くといいよね」という声も聞くようになりました。ワインに精通した方も、そこまで詳しくない方も、私たちソムリエを大いに活用してください。予算と料理を知らせていただけば、より楽しんでいただけるワインをご提案します。まずは、スタッフと会話を楽しむつもりで、グラスワイン1杯でも味わいにいらしてください。お待ちしています。

「ワインアカデミー」
「ワインアカデミー」

それぞれのワインに最適なグラスでテイスティング。香りや色、味の変化なども存分に堪能できる

オークラならではの厳選されたワインを味わいながら、6カ月かけて学ぶ。フランス料理はもちろん、日本料理や中国料理、チーズとともに、ワインとのマリアージュを楽しめる。味わいだけではなく、さまざまな角度からワインの魅力や奥深さを学べ、知らないうちにワインの知識が身に付く。講師は、The Okura Tokyoチーフソムリエ渡部明央をはじめとしたオークラのソムリエ、国内外のコンクール受賞者、著名なワイン評論家たちが務める。コースは、テイスティングからエキスパートまで5段階。入会金、受講料など詳細は、公式Webサイトで。
「和食テーブルマナー講習」
「和食テーブルマナー講習」

日本料理の作法は「箸に始まり箸に終わる」。会席料理を味わいながら、正式な場で戸惑わない基本が身に付く

「山里」の季節の会席料理を食しながら学ぶ。箸使いや器の扱い方など日本料理の作法をはじめ、形式や流儀の裏にある細やかな思いやりの心も知ることができる。講師は、日本料理「山里」女将の青木優佳をはじめ、「日本ホテル・レストランサービス技能協会認定・テーブルマナー講師」の資格を有する人たちが務める。一日一組限定(4人から10人まで)。完全予約制。英語での開催もあり。詳細は、公式Webサイトで。