1取引できる商品先物銘柄
大阪取引所では、貴金属(金、銀、白金、パラジウム)、ゴム(RSS、TSR)および農産物(ともろこし、一般大豆、小豆)の取引が行われている。
なお、貴金属のうち、金と白金は、「標準取引」「ミニ取引」および「限日取引(げんにちとりひき)」の3種類があり、市場参加者のリスク許容度に対応できるようになっている。
標準取引とミニ取引は、限月構成、呼値の単位は同じものであるが、取引単位のほかには、取引最終日までに転売または買い戻しされない建玉の決済方法が異なる。その決済方法は、標準取引では受渡日に受け渡しによる決済、また、ミニ取引では最終清算数値(標準取引の当月限取引最終日における日中立会の始値)により決済される。
一方、限日取引は、標準取引やミニ取引と違って決済期限がなく、転売または買い戻しされない限り、いつまでも建玉を保有できるのが特徴である。
また、金にはオプション取引も導入されている。
参考までに、金の取引要綱は以下の通りである(その他の商品は、大阪取引所のウェブサイト、東京商品取引所のウェブサイトを参照)。
金の取引要綱
標準取引 | ミニ取引 | 限日取引 | |
---|---|---|---|
標準品 (取引の対象) |
純度99.99%以上の金地金 | 金標準先物の価格 | 純度99.99%以上の金地金 |
限月取引 | 2月、4月、6月、8月、10月、12月のうち直近6限月 | 同左 | - |
取引最終日 | 受渡日から起算して4営業日前に当たる日(日中立会まで) | 同一限月の金標準取引の取引最終日の前営業日(日中立会まで) | - |
取引単位 | 1kg | 100g | 100g |
呼値の単位 | 1gにつき1円 | 同左 | 同左 |
受渡単位 | 1kg | - | - |
受渡日時 | 毎偶数月末日の正午まで(12月の受渡日は28日の正午まで。受渡日が休業日または大納会に当たるときは順次繰り上げ) | - | - |
2立会時間
立会には「日中立会」と「夜間立会」があり、それぞれの立会において、オープニング・オークション、レギュラー・セッション(ザラバ)およびクロージング・オークションが行われる。
日中立会では、オープニング・オークションが8時45分、レギュラー・セッションが8時45分から15時10分、クロージング・オークションが15時15分。夜間立会では、オープニング・オークションが16時30分、レギュラー・セッションが16時30分から翌5時25分、クロージング・オークションが翌5時30分である。
なお、ゴム(RSS、TSR)は、日中立会のオープニング・オークションが9時、夜間立会のクロージング・オークションが19時となっている。
商品先物の立会時間
貴金属・農産物 | ゴム | ||
---|---|---|---|
日中 立会 |
オープニング・オークション | 8:45 | 9:00 |
レギュラー・セッション(ザラバ) | 8:45~15:10 | 9:00~15:10 | |
クロージング・オークション | 15:15 | 15:15 | |
夜間 立会 |
オープニング・オークション | 16:30 | 16:30 |
レギュラー・セッション(ザラバ) | 16:30~翌5:25 | 16:30~18:55 | |
クロージング・オークション | 翌5:30 | 19:00 |
3建玉の値洗い
商品先物取引の建玉は、日経225などの金融先物取引と同様、清算値段(通常、その日の終値(最終気配値段を含む))により日々評価替えを行っている。これを「値洗い」と呼んでおり、値洗いを行うことにより、相場の変動に際しても決済の履行を確実にすることができる。
値洗いは、清算機関(日本証券クリアリング機構)の清算参加者と清算機関との間では、毎日建玉ごとに算出し、その翌日に差金を授受する方法により行われる。取引参加者と顧客(個人投資家など)との間においても、毎日建玉の値洗いが行われる。
顧客の証拠金の額には値洗いによる計算上の損益額が反映されるため、損失がでている場合は証拠金の追加差し入れが必要な場合がある。
4商品先物取引を始めるには
商品先物市場で直接取引ができるのは、取引所の取引資格を持つ取引参加者に限られるため、その他の個人投資家などは、取引所の取引参加者である商品先物取引業者を通じて取引することになる。個人投資家などが商品先物取引を始める場合には、商品先物取引を十分理解した上で、商品先物取引業者と契約し、取引に必要な証拠金を預託した上で取引を開始することになる。
なお、大阪取引所で取引を行う貴金属、ゴムおよび農産物の取引は、大阪取引所の取引資格を持つ金融商品取引業者を通じて取引することも可能である。