提供:パナソニック
近年は快適な車内空間に対する顧客ニーズの高まりを受け、多くの自動車メーカーが「高性能車載空調システム」の開発に乗り出している。英国ジャガー・ランドローバーもそうした自動車メーカーの一社だ。同社は顧客価値を高める取り組みの一環として、次世代の車内空気清浄化機能の技術開発に注力、新型車に組み込まれた独自の空気清浄システムにパナソニックの「ナノイーX」発生装置を採用した。なぜジャガー・ランドローバーは「ナノイーX」を選択したのか。同社でクライメートシステム(※)の開発を担当するマーク・バーニストンさん、Panasonic
Automotive Systems Europeのデイビッド・ダニエルズさんに聞いた。
(※)クライメートシステム : 冷暖房温度・風量などを座席ごとに自動調整する高性能車載空調システムのこと。
事例1
コープやまぐち
つくりたかったのは、お客さまと働く人たちが安心できる空間
事例2
小田急電鉄
脱臭効果を発揮する「ナノイーX」を新型通勤車両に採用
事例3
日本マクドナルド
郊外型店舗に「ナノイーX」搭載の空調機器を導入
事例4
日立ビルシステム
乗りかご内のクリーン運転を目指し「ナノイーX」を標準装備
事例5
ジャガー・ランドローバー
次世代の車内空気清浄化機能に「ナノイーX」を採用
快適な車内空間を目指して新空調ユニットを開発
ジャガー・ランドローバーは新型RANGE ROVERにパナソニックの「ナノイーX」を採用しました。どのような経緯から導入を検討したのでしょうか。
バーニストンさん ジャガー・ランドローバーはモダン・ラグジュアリーな自動車を開発・提供するというビジョンを掲げています。このモダン・ラグジュアリーという考えには、車内空間の安全性や快適性を担保し、お客さまに最高の品質体験を提供することも含まれています。それを実現するために開発を進めてきたのが「空気清浄システムプロ」という空調ユニットです。これは、車内空間の空気中に浮遊する花粉や菌・ウイルス、PM2.5といった有害物質を抑制するとともに、車内空間のニオイを脱臭するのに有効な性能を発揮するものです。
この空調ユニットはさまざまなテクノロジーを組み合わせて実現されており、その一つとして有害物質の抑制やニオイの脱臭といった効果が期待できる装置の導入を検討しました。
パナソニックの「ナノイーX」はどのように知りましたか。
バーニストンさん 実はジャガー・ランドローバーでは2016年から「ナノイー」を一部の車種で採用しており、その効果を高く評価していました。その当時から「ナノイー」は、有害物質の抑制に対する有効性が実証されたテクノロジーであり、パナソニックというブランドにも信頼を寄せていました。そうした実績があるなか、パナソニックから新しいテクノロジーとして紹介されたのが「ナノイーX」でした。
ダニエルズさん パナソニックでは17年に、ジャガー・ランドローバーの経営陣を日本に招待し、パナソニックの次世代テクノロジーとして「ナノイーX」を紹介しました。また、ジャガー・ランドローバーが目指す快適な車内空間のビジョンに対して「ナノイーX」がどのように貢献できるかといった将来像を両社で共有しました。これが「ナノイーX」の導入を検討いただいたきっかけだと考えています。
欧州は、有害物質の抑制成分が人体に与える影響を他地域よりも強く懸念する傾向があるといわれています。「ナノイーX」は自然由来の水からイオンを発生しますが、そのあたりも考慮されたのでしょうか。
バーニストンさん もちろんです。そもそも16年に「ナノイー」を採用することにした決定的な要因は「人体に害を及ぼさない」ということでした。ご指摘のように安全性についての考え方は地域や個人によって違いがありますが、ジャガー・ランドローバーでは安全性に対するニーズは万国共通と考え、安全性を高めるパッケージの一部として「ナノイー」を採用し、全世界で同じものを展開しています。
独立系機関でテストし効果を実証
「ナノイーX」の導入を検討するにあたり、ジャガー・ランドローバーでは研究施設でさまざまなテストを実施したと聞いています。どのようなテストを実施しましたか。
バーニストンさん まずパナソニックから専門的な技術情報を提供してもらい、内容を精査した後にジャガー・ランドローバーが独自に検証するというステップを踏みました。お客さまに約束している安全性の効果を実証するために、私たち自身がしっかりと検証するのは当然のことです。検証は最初に独立系検査機関に委託し、想定できる限りの数多くのシミュレーションテストを何度も繰り返し実施しました。これは「ナノイーX」だけでなく、他のテクノロジー製品についても実施しています。例えば有害物質を抑制する効果を測定するテストでは、さまざまな花粉や菌・ウイルスに対し、一つひとつ確認しています。
このようなテストを実施したところ、「ナノイーX」は30分という事前設定した条件のなかで97%もの有害物質を抑制できるという結果が出ました。またパナソニックがフランスの研究機関に委託した別のテストでは、別のウイルスに対して99%の抑止効果があると実証されました。このように有害物質に対する優れた抑止効果を得られたことが、「ナノイー」に続いて「ナノイーX」を採用した大きな理由です。
「ナノイーX」を導入するにあたり、社内からはどのような反応がありましたか。
バーニストンさん 「ナノイーX」を空調ユニットのパッケージに組み込むという取り組みに対し、社内からは積極的かつ協力的な反応が得られました。新型コロナウイルス禍のなか、お客さまから安全・快適な車内空間に対するニーズが高まっていることも追い風となり、非常に良いタイミングで導入できたと考えています。実装を担当したエンジニアリングチームの努力もあり、導入決定からわずか1年という短期間で新型車へ搭載できたことも、非常にうれしく思っています。
新型車に寄せられたメディアからの高い評価と期待
「ナノイーX」を組み込むにあたり、パナソニックとの間ではどのようなやり取りがありましたか。
バーニストンさん 日本と欧州のパナソニックとは週次でミーティングを行い、「ナノイーX」に関するさまざまな情報を提供してもらう形で進めました。とくに「ナノイーX」を車載の空調ユニットにどのように統合させていくのかという点については、パナソニックに力添えをいただきました。また、空調ユニットには前席・後席に2基の「ナノイーX」発生装置を設置しましたが、その電子制御の課題についても議論を重ねるなかで解決していきました。
ダニエルズさん ジャガー・ランドローバーからは「ナノイーX」による有害物質抑止の有効性について、非常にポジティブなフィードバックをいただいています。ジャガー・ランドローバーは「ナノイーX」を将来の新型車にも搭載することを検討しており、そのための車両空間の有効性検証を継続的に支援しています。
「ナノイーX」を搭載した新型車に対する評判はいかがですか。
バーニストンさん 2021年10月に「ナノイーX」を搭載した「新型RANGE ROVER(レンジローバー)」を発表しましたが、そのなかでジャガー・ランドローバーは「ナノイーX」を含む空気清浄システムを重要なキーメッセージの一つとして発表しています。これに対して、世界中の自動車専門誌や一般メディアから非常に高い評価と期待の声が寄せられています。その背景にはやはり、車内空間の空気品質や安全性に対する関心が高まっていることがあると考えています。
ダニエルズさん 車内空間の空気の品質と清潔さは、利用者の健康とウェルビーイングにとって非常に重要な要素です。それに対して「ナノイーX」がお役に立てていることは、パナソニックにとっても大変喜ばしいことです。パナソニックは今後もジャガー・ランドローバーと密接に連携し、ジャガー・ランドローバーのブランドに沿った「ナノイーX」のプロモーションを実施していく方針であり、将来的には自動車業界全体に「ナノイーX」というテクノロジーの認知度を高めていきたいと考えています。
※取材はオンラインで実施しました(インタビューを再構成)
● ジャガー・ランドローバー
英国を代表する2つの自動車メーカー、ジャガーとランドローバーが経営統合して発足した自動車メーカー。英国王室御用達の自動車メーカーとしても知られる。2008年からタタ・モーターズ傘下。高級車・スポーツ車ブランドのジャガー、高級SUV(スポーツ多目的車)ブランドのランドローバーを販売。英国をはじめ、中国・ブラジル・インド・スロバキアに製造拠点を構え、世界127の国と地域で販売ネットワークを持つ。
● 「ナノイーX」
パナソニック独自のクリーンテクノロジー。「ナノイー」とは、空気中の水を集めて高電圧を加えることで生成されるナノ(ナノは10億分の1)メートルサイズの微粒子イオンのことで、電荷を帯びた水分子を微粒子化したものを指す。高い酸化力を持つ「OHラジカル」を多く含んだ帯電微粒子水が、空中のカビや花粉、菌・ウイルス、臭気成分、アレル物質などに作用して抑制するという。「ナノイーX」は従来技術を改良し、OHラジカルの発生量を10倍(※)に増やした。
(※パナソニック調べ)
事例1
コープやまぐち
つくりたかったのは、お客さまと働く人たちが安心できる空間
事例2
小田急電鉄
脱臭効果を発揮する「ナノイーX」を新型通勤車両に採用
事例3
日本マクドナルド
郊外型店舗に「ナノイーX」搭載の空調機器を導入
事例4
日立ビルシステム
乗りかご内のクリーン運転を目指し「ナノイーX」を標準装備
事例5
ジャガー・ランドローバー
次世代の車内空気清浄化機能に「ナノイーX」を採用