提供:ペイパル
ペイパル
日本事業統括責任者
ピーター・ケネバン氏
オンライン決済が急速に普及するなか、20年以上にわたって世界のデジタル決済をけん引してきたペイパル。日本を重要なマーケットと位置付け、さらなる事業拡大を加速させる同社は、2021年4月に日本事業統括責任者(新ポジション)としてピーター・ケネバン氏を迎えた。同氏に、日本市場のキャッシュレス化の現状、海外市場の動向、ペイパルの魅力や日本における今後の事業展開について聞いた。
ペイパル
日本事業統括責任者
ピーター・ケネバン氏
ケネバン 一番の違いは、日本は現金からキャッシュレスへの移行が緩やかだという点です。経済産業省は「2025年までにキャッシュレス決済比率を4割程度に引き上げる」という目標を2019年に掲げました。当時、日本のキャッシュレス決済比率は約20%でしたが、米国では2016年の時点で約46%に達しています。他の先進国・新興国と比較しても、日本のキャッシュレス化はおくれています。
もう一つ世界と日本で違うのが、日本はキャッシュレス決済市場に参入しているプレーヤーが非常に多いという点です。各種電子マネーやバーコード決済など様々なソリューションが混在し激しい競争を繰り広げていることが、日本のキャッシュレス決済市場の大きな特徴です。
ケネバン 一つは、日本が安全な国だからです。現金を持っていても危険な目に遭うことがほとんどありません。決済のオンライン化・電子化が進んでいないことも理由にあげられます。とくに小規模の店舗などでは、クレジットカードやデビットカードも含めてキャッシュレス決済が使えないところがまだあります。さらにキャッシュレス決済の競争が激しいことも理由の一つです。場所によって使えるもの、使えないものがあるので、消費者はどのキャッシュレス決済を利用すべきか戸惑いを感じることもあるかもしれません。
ケネバン 世界的に見ると当初3~5年かかると予想されていた市場の変化がこの1年で起きるなど、コロナ禍の影響によって決済のデジタル化が急速に進みました。2020年には日本のキャッシュレス決済比率が約33%へと伸びていますが、これはまさしくその影響によるものです。このような市場の変化はいったん落ち着くものと見ていましたが、実際の伸びは落ちておらず、ニューノーマル時代の決済手段としてキャッシュレス化が加速している様子がうかがえます。
ペイパルの日本事業統括責任者に就任したピーター・ケネバン氏は、大手コンサルティング会社のマッキンゼー・アンド・カンパニーで25年以上の実務経験を持ち、長年にわたって東京オフィスのシニアパートナーを務めてきた。アジア太平洋地域における企業の財務・戦略やM&Aなどを担当し、日本以外のアジア各支社にも勤務経験がある。ハーバード大学法科大学院法学博士号、カリフォルニア大学バークレー校アジア研究学・政治科学修士号、スタンフォード大学経済学・日本語学士号を取得。学生時代には慶應義塾大学へ留学経験もあり、日本語は堪能。趣味はボクシングと読書。吉川英治のファンだという。
ケネバン ペイパルは、1998年の創業から20年以上の歴史があるキャッシュレス決済のパイオニアです。現在は世界200カ国以上でオンライン決済サービスを展開し、3,100万の加盟店を含む約4億人のユーザーが利用するまでに成長しました。2020年の実績は、取扱高が9,360億ドル、決済件数が154億件、売上高が214億5,000万ドルに上ります。コロナ禍で世界的に、中小企業の加盟店、シルバー世代の消費者の増加が顕著に見られます。
ケネバン ペイパルの最大の特長は「安心・安全・快適」に買い物ができることです。ペイパルのアカウントを作成すれば、ログインするだけでワンタッチ決済が可能になります。決済手段はクレジットカード、デビットカード、銀行口座引落しなどが自由に選べます。加盟店にクレジットカード番号などの個人情報がわたる心配はありません。
加盟店にとっては、世界中の消費者を相手にビジネスができるというメリットがあります。入金サイクルが早いことも大きなメリットです。また、ペイパルを採用いただくことで、ショッピングサイトに訪問した消費者の購買率(コンバージョン率)が向上することがわかっています。多様な支払方法や独自の不正防止モデル、分析など付加価値の高い機能を搭載したコマースプラットフォームを提供していることは、大きな強みです。
ペイパルの決済サービスでは、ショッピングサイトで購入した商品が届かない、違う商品が届いたといったトラブルが発生しても、支払金額が返金される「買い手保護制度(※)」が用意されている。同様に加盟店向けにも、不当なクレームや支払いの取り消しといったトラブルに対応する「売り手保護制度(※)」が設けられている。さらに、すべての取引は24時間365日体制で常時モニタリングされており、不審な動きがあった場合には取引を停止するなど、被害を最小限に抑える仕組みも取り入れられている。このように「安心・安全・快適」な取引を担保していることが、ペイパルの大きな差別化ポイントになっている。
※適用には一定の条件があります。
ケネバン ペイパルがいま注力して取り組もうとしているのが、他事業者とのパートナーシップの構築です。キャッシュレス決済事業者間の競争が激しい日本市場はもちろん、世界でも近い将来にはサービス統合・集約が進んでいくことが予想されます。そうした時代においてもペイパルがキープレーヤーであり続けるには、他社との協業は欠かせません。
そうした動きとして米国では暗号資産(仮想通貨)事業者と提携し、2021年3月から米国のユーザー向けに暗号資産を決済手段に加えています。また日本では2021年4月から後払いサービスの「ペイディ」との提携によって、ペイディのお客様がペイパルの3,100万の加盟店でショッピングを楽しめるようになりました。このほか「Shopify(ショッピファイ)」をはじめとするショッピングサイトプラットフォームとの連携も強化しています。
ケネバン ペイパルは決済のデジタル化がさらに普及した世界を実現するためにも、より多くの企業と力を合わせていかなければならないと考えています。とくに日本の中小企業の中には、魅力的なコンテンツ・商品を提供する企業が数多く存在しています。そうしたコンテンツ・商品を日本中、世界中の消費者に届けるためにも、ペイパルのオンライン決済サービスをぜひ活用していただきたいと思います。